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エローラの剣 in the Elves planet  作者: 山口 博季
2/3

襲撃[1]

───拝啓、俺の愛する貴女へ。

向こうに居た頃は、こちらの生活は厳しいとかいう噂が立っていましたが、そんなことは無いようです。仕事は充実してるし、総監督はまだ俺と同じ位の年だけどしっかりしてる。

それに何より飯が美味いのが良い生活を形作っている……と言っても過言じゃないくらい。


そうそう、最近違う分野の研究に手を出し始めました。今はまだ鉄鋼……造船をやってますが、その内俺の最終目標にも着手出来る日はそう遠くないでしょう。この目標が達成されれば、きっと宇宙間の航行は大きく進歩します。その日を楽しみに待ってて下さい。


後5ヶ月すればそっちに戻る予定です。早く貴女に会いたい。滞在できるのは半年位ですが、そんな短い時間すらとても、とても待ち遠しいです。帰ってきたら真っ先に挙式しよう。こっちの監督も祝ってくれてる。きっと貴女の御家族も待ち遠しいことだろうけど、もう少し待っててくれ。すぐに戻るから。



「へえ〜、結婚するんだ、ロック」

「あ、ああ。」とやや緊張気味に答えたのは岩本アキラ。

5ヶ月後に結婚式を控えた19歳、生粋の日本男児である。

浅黒の肌に逆立った黒い短髪と尖った眉は、彼の質実剛健の性格を正に表し、そしてまた女性のハートを射止めるには十分過ぎるほど顔立ちは整っている。

その彼に質問攻めをしているのは、彼を「ロック」と呼ぶ、B惑星の住人、バルトロワ=エローラ。彼もまた19歳の見た目をしているが本質的には250歳だという(魔法が細胞に影響して寿命が人間の15から18倍程もあるそうだ。因みにこれを初めて聞いたロックはバルトロワを相当バカにした)。

彼ら妖精(エルフ)は人間と容姿が若干違う。

彼らの平均身長は215センチメートル、世界一背の高いオランダ人でさえ、相当見上げる形になってしまう。薄い緑に染められた肌は逞しく付いた筋肉と頑強な骨を覆い、鍵のような形をした高い鼻と、尖った長い耳が特徴的だ。

妖精、と聞けば背中に羽を持つ種族を想像しがちだが、彼らB惑星の住人は羽を持たない。魔法で飛行ができるため、魔法技術の発展と共に羽根は退化したのである。


「何年くらい待たせたんだ?」とバルトロワ。今は午後1時15分、食堂で昼休みの最中である。

「……おおよそ7,8年かなあ」

「そんなにか!?その間よく他のオトコに取られなかったな」

「まあ、月1回位は衛星電話で話してたからな。他の奴は手を出そうにも出せないし、逆に互いに話してると他には目が向かないのさ」

「うまいことやったなお前…」

バルトロワは半ば呆れたように、食後にと淹れておいたコーヒーを飲んだ。

「でもまあ、」とロックは続ける。

「向こうに戻っても半年すればこっちにすぐとんぼ返りだからあまり意味は無い…っていうか、なんというか、だ」

「確かにな……あ、」とバルトロワは頷きかけて急に顔を上げた。

「お前が研究してる宇宙航行ってまさかその為もか………?」

「実はそれが動機なんだよ」とロックは恥ずかしげに返す。

「俺がこれの研究に着手したのは地球とB惑星間の往復便が少なすぎるからなんだよ。もともとは彼女と会える回数を増やしたかったからなんだけど、うまい具合に理由を付け足して言ったら計画のゴーサインが出ちゃったのさ」

こいつはホントに策士だな、などとバルトロワが考えあぐねていると、




突如、轟音と振動が、食堂を叩いた。


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