第1話:彼らは
「あれか、あれだこれ。 記念SS。」
「何を言っている。」
「つまるところ作者が「やっ気ねー!」って言ってるのと同じレベルだっていうこと。」
なんなんだそれは、オイ作者よ、そういうことなら俺は中肉中背の顔も量産型で平凡な男子高校生として作って(むしろ「創って」かもしれん)くれるんだろうな。
「あのひねくれ者にそれを求めるのは無理ってもんだ。 良くてギャルゲーの主人公のように追いかけられる毎日を送る美男子か、悪ければ男装女子(男装女子)っていうことにもなりかねんぞ。」
「ここで現実に戻るがそれは既に過去形だ俺は世間で美男子に属するタイプでありかつ毎日学園1と言われるかわいい娘に追いかけられさらにその誘いにもそれを隠しながら生活する男装女子でありアブノーマル(レ○とか)ではないから答えられない…(ゼーゼーハーハー)身に創られてしまったんだ、あのひねくれ者に。」
棒読みワンブレスを出来るほどの肺活量は無いので息切れ気味。 いや、最近は毎日追い掛け回され運動には困っていないと思うのだが。
「息切れするまでやる必要があったのかは知らんが、まあ君はそんな人物だ。 俺は中肉中背で顔も量産型の男装なぞもってのほかのお手本にしたくなるような平凡男子高校生だ。」
いや全く、羨ましい限りだ。 俺が字の如く多忙な日々を送っているのに対して、この男は…
「…思えば、いつも一緒に居るな。」
いつも一緒になって面倒事に巻き込まれてるよな、なんか。
「それに気づいてくれるとはどーも、我が彼女さん。」
ヲイヲイ、ここで言ったらネタバレになるだろうが。
「いいじゃん、可愛いねぇその反応。」
いやいや男としてなら美男子、かつクールな印象でウケがいいのかもしれんが女としては顔以外にさしていいところはないぞ。 料理下手だし、お前より背高いし、愛想ないし。 さてはお前、面食いか。
「バカ言うな、俺は世の中の男性のほとんどが答えるであろう内面派閥だ、顔につられてお前を選んだわけじゃない。」
そりゃどーも。 じゃあ選んだ理由はなんだ?
「えっ、そりゃあまあ、あれだ。 顔も内面もその他もろもろ全部含めて「貴女が」可愛かったから。」
飄々とあっまあまなセリフを吐くのはこの口か。 塞いでやる。
「は?…え、ちょっ、むぐ!………」
「………プハッ!」
顔を近づけてたっぷり30秒間ほど彼の口を俺の口で塞いでやった。
「…お前、堪能してるだろ、オイ。」
そりゃあ、
「もちろん。」
と答える次第ですよ、愛しき我が彼氏さんよ。
「…じゃあ俺にも堪能させてよ。」
「了解。」
そう言うと彼は軽く1分を超えて堪能してきた。 流石に情熱的だな。
「お前が相手だから。」
…すぐに殺し文句をはく彼との甘い生活は、これからも続くらしい。
「SSじゃないな。」
「いや、作者を脅して書かせる。「もっと続けさせろ!」とか「もっと甘くしろ!」とか。 このまま終わるのは俺としてはまだ味わい足りない。」
「とりあえずある意味恐怖だな。」