第12話 「2日目の主役・カレーの試作開始!」
クッキーの試作が大成功した翌日。
放課後の家庭科室には、また五人の姿がそろっていた。
「今日は・・・2日目のメニュー、カレーの試作をしましょう。」
真智が、少し緊張した面持ちで言った。
「田辺さんのカレー・・・楽しみですね。」
壮真が丁寧に言うと、真智は照れたように頬を赤くした。
「え、えっと・・・そんなに期待されると緊張しちゃうけど・・・でも、頑張るね。」
悠斗は腕を組んだまま、にやりと笑う。
「田辺のカレーはマジでうまいからな。俺も手伝うし、今日は本気で作るぞ。」
ひよりは、少し不安そうに手を挙げた。
「わ、私・・・カレーってあまり作ったことなくて・・・大丈夫かな・・・。」
和馬も控えめに続く。
「ぼ、僕も・・・野菜を切るくらいしか・・・。」
真智は優しく微笑んだ。
「大丈夫だよ。みんなで作れば、絶対うまくいくから。」
その言葉に、二人はほっと胸をなでおろした。
材料を並べ、作業が始まる。
「まずは玉ねぎを炒めます。しっかり炒めると甘みが出るので・・・。」
真智が説明し、悠斗がフライパンを受け取った。
「任せろ。こういうのは得意だ。」
悠斗は豪快にフライパンを振る。
玉ねぎがきつね色になっていく様子に、ひよりが感心したように見入った。
「すごい・・・! 三浦くん、手際いい・・・。」
「まぁな。家でよく作ってたから。」
和馬はじゃがいもを切りながら、そっと言った。
「三浦さん・・・かっこいいです・・・。」
「お、おい・・・やめろ、照れるだろ。」
悠斗は耳まで赤くなった。
壮真はにこやかに言った。
「三浦さん、頼りになりますね。」
「お前まで言うなって・・・!」
真智はそんな悠斗を見て、くすっと笑った。
次に、鶏肉を炒める工程に入る。
「高杉くん、鶏肉を炒めてもらってもいい?」
「はい。お任せください。」
壮真は丁寧にフライパンを扱い、鶏肉を焼き色よく仕上げていく。
「高杉くん、すごく上手・・・!」
真智が嬉しそうに言うと、壮真は少し照れながら答えた。
「田辺さんに教えていただいたおかげです。」
具材を炒め、水を加え、煮込む。
家庭科室にカレーの香りが広がり始めた。
「・・・いい匂いですね。」
壮真が呟くと、真智は嬉しそうに頷いた。
「うん・・・カレーって、作ってるときから幸せになるよね。」
そして――
ルウを入れ、さらに煮込む。
「そろそろ・・・できたと思うよ。」
真智が火を止め、みんなの前に鍋を置いた。
「では・・・いただきます。」
「いただきます・・・!」
五人は同時にスプーンを口に運んだ。
そして――
「・・・うまっ!」
悠斗が真っ先に声を上げた。
「すごい・・・! お店みたい・・・!」
ひよりは目を輝かせている。
「ほ、本当に・・・美味しい・・・!」
和馬は感動で震えていた。
壮真は静かに目を閉じ、味わった。
「・・・とても美味しいです。優しい味で・・・でも、しっかりコクがあって・・・田辺さんのカレー、やっぱり最高ですね。」
真智は顔を真っ赤にしながら、嬉しそうに微笑んだ。
「よかった・・・!みんなが美味しいって言ってくれて・・・私、本当に嬉しい・・・!」
試作が成功し、五人は自然と笑顔になった。
「これなら・・・2日目も大成功しそうですね。」
壮真が言うと、真智はそっと微笑んだ。
「うん・・・!1日目のクッキーも、2日目のカレーも・・・絶対に成功させようね。」
悠斗が腕を組んで言う。
「任せろ。田辺の味、俺がしっかり支えるからな。」
ひよりも力強く頷いた。
「うん・・・! 私も頑張る・・・!」
和馬は控えめに言った。
「ぼ、僕・・・もっと練習します・・・!」
五人の影が、夕暮れの家庭科室に並んで伸びていく。
(・・・本当にこのメンバーで良かった・・・)
壮真は静かにこう思った。
こうして、“モブな僕ら”の青春は、クッキーに続いてカレーの試作も成功させ、文化祭へ向けてさらに絆を深めていった。




