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辺境伯令嬢は、婚約破棄のため戦う!

作者: とと

読んでいただきありがとうございます。

作法などいろいろ調べたのですが、都合よく書かれている部分もあります。

私の住むガイド王国は、3つの騎士団がある。


第一騎士団は剣術に優れた騎士団。第二騎士団は魔術を戦術とする騎士団。

私、アルバ・エバンズは辺境伯家に生まれ、騎士学校を卒業し、魔法と剣術の両方使える者が所属する、第三騎士団に入団することが出来た。


第三騎士団には、私を含め女性騎士が10名ほど所属している。



「ソイ~♪よしよしいい子ね」


このかわいいミニブタちゃんは、少し前の魔獣の討伐に出かけた時に親を殺され、さまよっていた所を保護した。

今は、騎士団獣舎の一郭を借りて私が面倒を見ている。


「おい。今日も元気だな~団子豚とアルバ!」


「おはようダニエル。ソイは団子じゃないわよ」


「なんだよ、朝から嫌な事でもあったのか?」


「なんでわかったの!」

「豚団子にそうやって癒してもらってる時はお前、嫌なことがあった時だろ?」


「ん~。正しく言えば、今日、気の重い事があるから充電して貰ってるところ」

ソイに頬ずりする。


「ブㇶ」ソイが嬉しそうに鳴いた。


「あー今夜の夜会な」


「うん」

夜会は私にとって苦痛でしかない。




✿ ✿ ✿




夜会の靴はいつもペタンコだ。


私には婚約者が居る、婚約は10歳の時に、隣国との物流も担う辺境伯と縁を結びたい、モワー伯爵の強い希望で結ばれた。


婚約者であるアダム・モワー伯爵令息は、ひとつ年上の19歳、赤みの強い茶色の櫛毛を後ろに流し、青い瞳を持つ美青年なのだが。。。。。こだわりが強い。


アダム様の身長が決して低いわけでは無いのだが、アダム様の理想とする並び立った身長差を、私の背丈は優に超えている。

アダム様のルールで、夜会への参加する時の靴はヒールのないペチャンコ、髪はアップにしない事が決定されている。


「今日も可愛げがないな。

ただでさえ暗い髪の色と辛気臭い鼠色の瞳なんだ、髪飾りや化粧くらいかわいらしくできないものかね」


「。。。。。」

そんなこと言ってもこの紺色のストレートの髪と女性としては高めの身長、仕事で鍛えられたスタイルをアダム様の好きなふりふりのパステルカラーでかわいくは、似合わないんだから!無理なのよ!


私はアダム様に、無言でにっこり微笑んだ。


「我が家の商会で、良いものを準備してやっているのに、金をかけるだけ無駄だな、大体、辺境伯家の決まりとして入らなければならないと言え、女のくせに騎士団なんかに入りやがって!モアー伯爵家に何一つ必要ない。

俺は友達と過ごすからな」


むかつくー。そんなに嫌いなら婚約を白紙に戻してもらいたいわ。

でもアダム様は、辺境伯のおかげで商会が大きくなった自覚はあるのよね!だから嫌いな私を婚約者にしたままでいる。


じゃあせめて大切にしろよ!


「はい」

私は怒りを握りつぶし、アダム様に手を振った。


夜会は毎回こんな感じだ。


きらびやかな会場を出た庭園で、植木に隠れたベンチでひとり時間を潰してると、ダニエルがワインと果実水を持ってやってきた。


「アルバまた振られたのか?」


「そんなところね」


ダニエルは、魔法騎士団の同期で、いつも気にかけてくれる。


「少し星でも眺めたら送ってやるよ」


「ありがと」

二人で並んで座り、持ってきてくれた果物水を飲んでいると誰かが庭に入ってきた。


「カメリア、今日もきれいだね。その輝く髪素敵だ」


「誰か来たな。。。。こっそり抜けるぞ」

ダニエルと身を潜め、入ってきた人たちに眼を向けると、そこには婚約者のアダム様と金髪ふわふわの髪で小柄!可憐な令嬢が今まさに口づけを交わしていた!


なー!

もう許せない、婚約してからこの8年!少しでも良い関係を気づけたらと思い努力して来たのに!


「アダム様!」


驚いた二人がこちらを見た。


「ア アルバ!どうしてここに!  だ だいたいなんでお前、男と居るんだ」


「彼は、騎士団の同期です。大体、婚約者がありながら、他の令嬢と接吻している屑に言われたくありません!」


私はそう言うと手袋を外し、アダム様の顔に投げつけた。


「アダム様、私と決闘してください!私が勝ったら婚約を破棄させていただきます!」

私は高らかに宣言した。


「おい!アルバ 落ち着け」

ダニエルが私の腕をつかむ。騒ぎを聞きつけた数名が遠巻きに様子をうかがっている。


「どうした?アルバ。ダニエル」

低く穏やかな声に振り返ると、第三騎士団長。ランドルフ・ウインミア公爵令息が庭園に降りてきた。


ランドルフ団長は、魔力量が多く、剣術にも秀で21歳の若さで団長になられたエリートだ。グレーの長髪を後ろでひとつに束ね、紫色の瞳で、多くの令嬢が魅了される美丈夫。


「ダニエル、状況を説明しろ」

「はい、アルバ団員と庭園にいたところ、アルバ団員の婚約者である、アダム・モワー伯爵令息とカメリア・ブランシェ子爵令嬢が来られ、私達に気づかず、接吻を交わされるところを目撃し、アルバ団員が婚約者のモアー伯爵令息に婚約破棄をかけた決闘を申し込んだところです」



「あら。モアー伯爵令息の不貞ですわね」

「決闘などしなくても、モアー伯爵令息の有責で破棄できますわよ」


ダニエルがランドルフ団長に報告すると、それを聞いた令嬢達がざわざわとし、話す声が聞こえた。


ランドルフ団長は私を見下ろすと小さく息を吐き、アダム様に視線を移す。


「手袋を拾え」


小刻みに震えながらアダム様は手袋を拾った。


「この決闘は私が立会人となる。7日後第三騎士団の訓練所で正午に開催する。

入団して一年たたないとはいえアルバは第三騎士団のだ、モアー伯爵令息には代理を立てる権利を与えるが、女性に対峙するのにどうする?

自身で受けるならアルバには魔術の使用は禁止しるが」


アダム様は団長の圧にぶるぶる震えている。


「まあ。直ぐに返答せずもいい。手袋は拾われた、準備をし指定の時間に来るように。

待っているぞ」




✿ ✿ ✿




あの後、団長にダニエルも一緒にお説教を受けた。


次の日から騎士団の訓練とは別に、ランドルフ団長が直々に指導してくれ決闘に備えた。


決闘当日、アダム様は第一騎士団の子爵令息を連れてやってきた。

第一騎士団は、剣術に秀でた方々の集団だが、魔法を使える者はいない。


「やあ久しぶりだな、アルバ。 俺は野蛮なことが嫌いだからな、代わりに第一騎士団のジャンが相手をしてくれる!彼は強いぞ泣いて詫びたら許してやってもいい」

アルバ様はにやにあや笑っている。


分家の子爵令息を連れてきたのね。自分が戦わないのに偉そうに!



アダム様を睨にでいると、誰かが肩を叩いた。

見上げると団長と目が合った。


「彼はジャン・トマス子爵令息、お前と同じで今年第一騎士団に入団したばかりだが。第一騎士団の団長は、なかなか筋がいいと言っていた。

彼は魔法が使えない、公正を期すため剣術のみの勝負とするが大丈夫か?」


「はい。やれます」


「では始まよう」



訓練場の真ん中に、私はジャン様と向かい合った。


「この勝負は一本勝負とする、相手の剣を落とす、もしくは戦闘不能にした者の勝利だ、両者準備はいいか」


「はい。よろしくお願いします」

私とジャン様は剣を構える。


「アルバ・エバンズ辺境伯爵令嬢、私はトマス子爵の次男ジャンと申します。以前にあなたの剣術を見たことがあり、手合わせしたいと思っていました。

このような形ですが実現して嬉しいです。あなたの婚約破棄がかかっている事は承知していますが、騎士として全力で臨みたいと思います」


「よろしくお願いします」


「では、開始!」


「やー」

「おぅー」


掛け声とともに剣が交わり押し合いとなる。


(うー重い。。。さすが第一騎士団)


張り詰めた空気の中、剣が交わる音だけが響く。

両者共に、決定打を打つことが出来ず、既に30分ほど経過している。


二人ともすでにぼろぼろだ。


(少しずつ彼の剣捌きの癖がわかってきた)


剣を合わせ押す。ここだ!

私はジャン様の剣を払い、そのまま右に剣を振り下ろした。


私の剣はジャン様の左腕をかすめ腕からは血が流れた。


痛みにジャン様は顔を伏せるも

勢いよく顔を上げ、ジャン様は私に向け剣を差し出した。

「私の負けです」


見ていた騎士団の仲間たちの歓声が上がる。

ランドルフ団長が、私とジャン様の肩に手をかけた。


「勝負は、アルバの勝利!

 二人ともよく頑張った」


みんな歓声の中、顔を真っ赤にしてアダム様が叫びながら走ってくる。


「ジャン!何してるんだ、そんなかすり傷で負けを認めるな!俺は認めないぞ!婚約破棄は無効だ!」


「アダム様、彼女がもう一歩踏み込んでいれば、私の腕は切り落とされていました。これは真剣な勝負の結果です」

アダム様がジャン様に掴みかかる。


このー。真剣勝負をなんだと思ってるのよ。

この屑がー。私がアダム様に殴りかかろうとしたその時。


「ブヒーーーーーー」


獣舎の柵を乗り越え、ソイがアダム様に向けて突進してきた。

それを見てランドルフ団長が指を鳴らす。


みるみるうちにソイが、牛くらいの大きさになり、そのままアダム様にぶつかった。

アダム様はもの凄い勢いで、建物の裏まで飛び、積んであった藁に突っ込んだ。


「あはははぁ」

私とジャン様は笑い合い、固く握手を交わした。




✿ ✿ ✿




それから無事に私とアダム様の婚約は、アダム様の有責で破棄された。

モアー伯爵の商会は、夜会の一件で評判がさかり、隣国との物流もお父様に契約を切られ、爵位を返上するのではないかともっぱらの噂だ。


アダム様は、カメリア・ブランシェ子爵令嬢にも捨てられたらしい。

令嬢も婚約者がいる人に手を出したと、社交界では距離を取られているようだけど。


そして私は自由になった。


今日は。ランドルフ団長にランチ後指導をしてもらっている。

ランドルフ団長は見た目はクールなのに、とても面倒みが良い方だ。

「アルバ、この間の訓練だが、少し魔法を使うタイミングを早くした方が効果的だ」


「おい。アルバ、次の訓練に行くぞー。

あーーー。ランドルフ団長、抜け駆けはダメですよ~」


ダニエルが走ってくる。

決闘の後、私の周りはなんだか賑やかだ、第一騎士団の皆さんにも声をかけてもらうし、ジャン様は時々、貰ったが食べないからとお菓子を持ってやってくる。



婚約破棄したら、世界が明るく輝きだした。

私にはいろんな未来が広がっている。


「さあ、団長もダニエルも訓練頑張りましょー。」



~終わり~



いつも誤字脱字修正ありがとうございます。


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ミニブタちゃんの見事なラストアタック!。
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