表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/78

第70話 堕ちた聖域と、真なる王の凱旋

【担当:キース】

脆弱な頭脳で我が肉体を使いこなせるかな?

開戦だ。



 王城、謁見の間。

 この日、ソフィア王女の招集により、全貴族と教会の枢機卿、そして偽勇者レオンが集められていた。


「……何の用だ、小娘」


 枢機卿は不機嫌そうに鼻を鳴らした。


「我々は忙しいのだ。魔王軍の脅威が……」

「ええ、その『魔王軍』との関係について、お話ししましょうか」


 玉座の前に立ったソフィアは、扇子を閉じ、冷徹な瞳で枢機卿を見下ろした。

 彼女の手には、一冊の分厚い革表紙の本が握られている。


「……なっ!?」


 枢機卿の顔色が土気色に変わった。

 見覚えがある。あの夜、金庫から消えた「裏帳簿」だ。


「これには、教会の驚くべき『慈善事業』の記録が記されていますね」


 ソフィアは帳簿を広げ、朗々と読み上げた。


「『魔王軍への武器横流しによる利益、金貨50万枚』。『偽聖水の売上、金貨20万枚』。……そして、『前勇者キースライン暗殺計画への出資』」


 ざわ……っ!!

 貴族たちがどよめく。

 枢機卿は震えながら叫んだ。


「で、出鱈目だ! 捏造だ! そんな帳簿、証拠にならん!」

「往生際が悪いですね」


 ソフィアはパチン、と指を鳴らした。


「証拠なら、もう一つあります。……いえ、証拠というよりは『証人』ですね」


 ギギギギ……。

 謁見の間の巨大な扉が、重々しい音を立てて開いた。


 逆光の中、5つの影が長く伸びる。

 先頭を歩くのは、漆黒のマントを翻した男。

 その隣には、純白のローブを纏った聖女。

 そして、屈強な戦士、身軽な盗賊、武闘家の少女。


「……まさか……」


 レオンが腰を抜かして尻餅をつく。


「う、嘘だ……死んだはずだ……!」


 男は、枢機卿の目の前まで歩み寄ると、静かに足を止めた。

 そして、嘲るように眼鏡ないけどを押し上げた。


「……久しぶりだな、枢機卿。

 私の葬式(国葬)は盛大だったようだが……香典の計算が合わんぞ?」

「キ、キースライン……ッ!!」


 その瞬間、貴族たちから悲鳴と歓声が入り混じった叫びが上がった。


 本物だ。

 あの傲慢で、冷徹で、しかし誰よりも頼もしかった最強の勇者が、地獄の淵から帰ってきたのだ。


「馬鹿な! 貴様は死んだ! 亡霊だ!」


 枢機卿が喚き散らす。


「亡霊? ……ふん、あながち間違いではない」


 慎也キースラインは、隣のエリスの肩を抱き寄せた。


「我々は一度死に、そして蘇った。……貴様らが腐敗させたこの国を、物理的に『洗濯クリーニング』するためにな」


 ソフィア王女が高らかに宣言する。


「聞け、皆の者!

 教会の悪事を暴き、影から民を守り続けていたのは、このキースライン一行である!

 彼らこそが、真の勇者! 王国の守護者である!」


 わぁぁぁぁぁっ!!

 城外に詰めかけていた民衆にも、魔法の拡声器でその声が届く。

 広場は爆発的な歓喜に包まれた。


「キースライン様! エリス様!」

「やっぱり生きていてくださった!」

「俺たちの英雄だ!」


 その熱狂の中、慎也は冷ややかに枢機卿を見下ろした。


「……チェックメイトだ。

 貴様の資産、権威、そして命運……全て計算通りに『焼却処分』完了した」

「あ、あぁ……」


 枢機卿はその場に崩れ落ち、衛兵に拘束された。

 レオンもまた、泣きながら連行されていく。


 玉座の間。

 喝采を浴びる5人の英雄たち。

 エリスは感極まって涙を流し、慎也の腕に顔を埋めた。


「……良かった……やっと、光の下に戻れましたね……」

「……ああ」


 慎也は、彼女の頭を優しく撫でた。


「だが、これはゴールではない。……復興という名の『残業』の始まりだ」


 憎まれ口を叩きながらも、その表情は晴れやかだった。

 勇者キースライン、ここに完全復活。

 その凱旋は、王国の新たな歴史の幕開けとなった。


【総統通達】

読者諸君。我だ。

あの優男(慎也)め、相変わらず理屈っぽい戦い方をしていたな。我ならば一撃で粉砕していただろうに。


まあよい。今回の話に少しでも心が動いたならば、【ブックマーク】および、下部の【★★★★★】にて、我への忠誠を示せ。


良い評価は、次なる戦い(執筆)への糧となる。期待しているぞ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ