第63話 記述式殲滅戦と、玉座の共有
【担当:慎也】
僕の日常がこれ以上壊れませんように……。
本編スタートです。
10月下旬。中間考査。
教室は、ピリピリとした緊張感に包まれていた。
「……ふん。敵(教師)の布陣、ワンパターンだな」
キースラインは、配られた数学の問題用紙を一瞥し、鼻で笑った。
「この程度の『結界(関数)』で、私の侵攻(回答)を阻めるとでも?」
カリカリカリカリッ!!
試験開始の合図と同時に、彼のシャーペンが火を噴いた。
その速度は、肉眼で捉えきれないレベル。
計算用紙など不要。すべて脳内でシミュレートし、解答欄に「結論」だけを叩き込む。
(……齋藤くん、また速くなってる……!)
隣の席の花憐も、冷や汗をかきながらペンを走らせていた。
彼女もまた、学年トップを争う秀才。
だが、今のキースラインのプレッシャーは異常だった。
以前の「理系オタク・慎也」の知識に、「勇者キースライン」の並列思考処理能力と直感が加わっているのだ。
まさに鬼に金棒。
キースラインにとって、現代文は「著者の心理プロファイリング」、歴史は「戦術ミスの洗い出し」、英語は「敵国語の暗号解読」だった。
全ての科目が、彼にとっては「戦争」なのだ。
***
数日後。順位発表。
廊下の掲示板には、絶望的な格差が張り出されていた。
【学年順位】
1位:齋藤 慎也 500点(全科目満点)
1位:天道 花憐 500点(全科目満点)
-—————(越えられない壁)-—————
3位:氷室 サエ 482点
……
「うわぁ……またあの二人かよ」
「満点って何? 人間やめてない?」
「夫婦でワンツーフィニッシュかよ、見せつけやがって……」
生徒たちの溜息が漏れる中、キースラインと花憐は並んでその結果を見上げていた。
「……引き分け、か」
キースラインが悔しそうに眼鏡を直す。
「参謀。貴様の演算能力、また上がったな? 私の思考速度に完全に追従してくるとは」
「ふふっ。齋藤くんこそ」
花憐は悪戯っぽく微笑んだ。
「私、今回は勝つつもりだったのに。……やっぱり、私の王様は強いわね」
二人は視線を交わした。
そこにあるのは、ライバルへの敵対心ではなく、「自分と対等に渡り合える唯一の存在」への信頼と敬愛だった。
「……まあいい。トップが二人なら、この学園の統治権は我々にあるということだ」
キースラインは、花憐の肩を抱き寄せた(※周囲の生徒、悲鳴)。
「行くぞ、花憐。次の作戦(修学旅行)の準備だ。
京都という古都……私の『戦略眼』で丸裸にしてやる」
「もう、気が早いんだから。……はい、会長!」
掲示板の前で輝く二人の名前と、二人の姿。
それは、誰もが認める「最強のペア」の証明だった。
3位以下の生徒たちは、その圧倒的なオーラに、ただひれ伏す(白目を剥く)しかなかったのである。
【事後分析報告】
読んでくれてありがとうございます。慎也です。
また僕の体が物理法則を無視した動きをしていたようですが……楽しんでいただけたでしょうか?
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