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第1話「神の沙汰」

【担当:運命の悪戯】

理屈っぽい物理オタクの少年と、傲慢な最強勇者。

交わるはずのない二つの魂が、今、交差する――。



 魔王軍四天王の一角、剛腕のギガントスが轟音と共に崩れ落ちた。


「ふん、口ほどにもない。四天王? 笑わせるな」


 瓦礫の山に片足を乗せ、勇者キースラインは鼻を鳴らした。輝く聖剣についた血を、倒れた敵の布で乱暴に拭う。


 背後で、怯えた様子の村人たちが顔を覗かせた。


「あ、あの……勇者様、ありがとうございます……」

「礼などいらん。それより、水だ。喉が渇いた」

「は、はい! ただいま!」

「遅い! 貴様ら、誰のおかげで生き延びられたと思っている!」


 キースラインが村人を怒鳴りつけ、威嚇のために剣を振り上げた、その時だった。


 世界が、反転した。

 戦場の土埃も、血の匂いも消え失せた。

 気づけばキースラインは、果てしなく広がる純白の空間に立っていた。


「……あ?」


 状況が飲み込めず、周囲を見渡す。そこには、光り輝く玉座に座る『何か』と――奇妙な服を着た、貧弱そうな男が一人、呆然と立ち尽くしていた。


「え、ここどこ……? 俺、模試の最中だったはずじゃ……」


 黒髪に黒い目。ひ弱そうな体躯。「制服」という珍妙な衣服をまとったその男――齋藤慎也は、眼鏡の位置を直しながら、キョロキョロと挙動不審な動きを見せている。


「ようこそ、選ばれし二人よ」


 玉座の『光』が言葉を発した。声色は威厳に満ちているが、どこか呆れたような響きが含まれている。


「なっ、貴様は……女神か!? 勝手に召喚とは無礼だぞ!」


 キースラインが吠える。しかし、光の主はそれを無視して言葉を続けた。


「勇者キースライン。お前、強さは満点だけど、性格が赤点すぎるのよ。見ててハラハラするわ」

「なにっ!?」

「そこでだ。お前には『精神修行』に行ってもらう」


 神は、隣で震えている慎也を指差した。


「そこの彼、齋藤慎也くんと入れ替わってね」

「……は?」

「……はい?」


 キースラインと慎也の声が重なった。


「慎也くんは成績優秀、品行方正。でもちょっと刺激が足りない人生を送っている。キースラインは最強だけど、人の心がわからない乱暴者。……うん、ちょうどいいわね」


 神はパン、と柏手を打った。


「キースラインは、慎也くんの体に入って日本で『普通の高校生』として平和に暮らすこと。周囲の人間関係を壊したら、元の世界には戻さないからそのつもりで」

「ふざけるな! 俺は閃光の覇者だぞ! なぜそんな弱そうな男に――」

「そして慎也くん。君にはキースラインの体に入って、魔王を倒してもらう。大丈夫、スペックは最強だから。彼が心を入れ替えるまでの代役、頼んだわよ」

「いや、無理です! 僕、喧嘩もしたことないのに!?」


 慎也が悲鳴を上げる。


「問答無用! さあ、行ってらっしゃい!」


 神が手を振ると、二人の足元が輝き出した。


「待て! 貴様、許さんぞぉぉぉ!」

「うわぁぁぁぁ! 模試の続きがぁぁぁ!」


 二人の絶叫が交差し、そして――意識は途絶えた。


【協定結成】

慎也「……というわけで、始まってしまいました」

キース「フン、我の新たな伝説の幕開けだ」


慎也&キース「「ここから始まる二人の無双劇を見届ける者は、直ちに【ブックマーク】と【評価】をせよ(してください)!」」


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