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ライバル優等生とエロ漫画描いたら恋に落ちた  作者: ほしみん


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第23話 親友~Side灰~

 金曜日の1時間目、数学のテスト返却された。


 教師が名前を呼んで、テストを返していく。


「灰島」


 私は前に出て、テストを受け取る。


 82点。まあまあ。


 席に戻る。


 教室を見渡すと、遥がいつもの席に座っていた。でも、何かが違う。


 ……遥、おかしい。表情が暗い。最近、ずっとおかしい。絶対、何かある。黒澤くんと。


 今朝も、教室に入った時。


「おはよう、遥」


 私が声をかけたら。


「……おはよう、綾」


 遥が顔を上げた。


 ……やっぱり、元気がない。どうしたんだろう。前は、こんなじゃなかった。前は、黒澤くんとライバル視し合って、「次は負けない」って、いつも言ってた。喧嘩してるみたいだった。


 でも、最近、違う。黒澤くんと、ずっと一緒。放課後、図書館で、個室で。何してるの?「勉強」って遥は言うけど。


 ……嘘。だって、遥の顔、真っ赤だもん。黒澤くんも、なんか、意識してる感じ。明らかに、様子が違う。お互いを、意識してる。


 ……私、知らないことがある。遥が、私に言ってくれないことが、ある。それが、何なのか、わからない。


 教師が続ける。


「白石」


 遥が前に出る。テストを受け取って、席に戻る。


 ……顔が、青い。どうしたんだろう。私は遥の様子を見る。遥がテストを見て、固まってる。点数、低かったんだ。クラスメイトがざわつく。


「白石さん、珍しく点数低いね」

「どうしたんだろう」


 ……やっぱり。遥、成績落ちたんだ。


 次は英語。


「白石」


 遥が前に出る。また、顔が青い。席に戻ってくる。


 ……これも低かったみたい。遥がうなだれてる。私は心配になる。遥、大丈夫かな。いつもの遥じゃない。成績のことを、一番気にしてたのに。姉と比較されることを、すごく嫌がってたのに。なのに、今は……。




 ホームルーム。担任が今回のテスト結果について話す。


「今回のテスト、みんなよく頑張ったな。個人票を配るから、自分の順位を確認するように」


 担任が順位表を配り始める。教室がざわつく。


 私の順位表を見る。20位。まあ、いつも通り。


 その時、教室の後ろから声が上がった。


「うおお、俺一番!マジで!?」


 田中くんの声だ。


 ……え?田中くんが1位?いつも10位くらいの人なのに。


 教室がざわつく。


「田中、マジ?」


「すげえじゃん」


 それから、別の声。


「私、2位だ!やった!」


 佐藤さんの声。


 ……佐藤さんが2位?ということは。


 私は反射的に黒澤くんを見る。黒澤くんが自分の順位表を見て、少し眉を動かした。無表情だけど、驚いてる。


 ……黒澤くんが1位じゃない。いつも1位だったのに。1位も2位も、いつもと違う。


 それから、遥を見る。遥が順位表を見つめたまま、固まってる。顔が青い。


 ……遥も。


 ……二人とも、成績落ちたんだ。二人とも。同じタイミングで。


 ……やっぱり、何かある。遥が、私に言ってくれないこと。黒澤くんと、何してるのか。


 ……知りたい。でも、聞けない。遥が、自分から言ってくれるまで。待たないと。親友だから。


 ……でも、正直、辛い。遥が、何してるのか、わからない。黒澤くんと、どんな関係なのか、わからない。付き合ってるの?それとも、まだ?


 ……聞きたい。でも、聞けない。遥が、話すまで、待たないと。だって、親友だから。




 昼休み。私は遥の席に行く。


「遥」


「……綾」


 遥が顔を上げる。元気がない。


 私、何か悪いことした?遥に、嫌われた?


 ……違うよね。遥は、私のこと、嫌ってない。でも。言えないことが、ある。それが、悲しい。


「大丈夫?今回のテスト」


 私は優しく聞く。


「……うん、大丈夫」


 遥が強がる。でも、全然大丈夫じゃなさそう。


「遥、最近おかしいよ」


 私は思い切って言う。


「……おかしい?」


「黒澤くんとばっかり一緒にいるし、勉強、疎かになってない?」


 遥が黙る。


 ……図星。


「放課後、ちょっと話そう?」


 私は提案する。


「……うん」


 遥が頷く。やっぱり、何かあるんだ。


 ……教えて、遥。私、親友なんだから。




 放課後。遥と一緒に、学校近くの喫茶店に向かう。いつも来る場所。小学校の頃から、ずっと一緒。恋の話も、悩みも、全部。ここで話してきた。


 二人で席に座る。コーヒーを注文する。遥がカップを見つめてる。


 ……遥。私のこと、信頼してない?秘密、話せないくらい。私、信用ない?それとも。私に、心配かけたくない?どっち?わからない。


「ねえ、遥」


 私は切り出す。


「……何?」


「最近、黒澤くんとよく一緒にいるよね」


 遥が少し驚く。


「……まあ、ね」


「どういう関係?」


 私はストレートに聞く。聞かないと。親友なら。ちゃんと、聞かないと。


「……関係?」


「そう。ただの友達?それとも……」


 私は意味を込めて笑う。遥が慌てる。


「……ただのパートナーよ」


「パートナー?」


 私は聞き返す。


「……何かの?」


 遥が少し迷う。そして、小さく答える。


「……今は、言えない」


「そう……」


 私は、それ以上聞けなかった。遥が、言いたくないなら。無理に聞くのは、よくない。親友なら、待たないと。


 でも。……寂しい。遥が、私に言ってくれない。何してるのか、わからない。黒澤くんと、どんなことしてるのか。


「ごめんね、綾。まだ、言えないの」


 遥が申し訳なさそうに言う。


「……ううん、いいよ。遥が話したい時でいいから」


 私は笑顔で言う。でも、内心は、複雑。


 ……なんで?親友なのに。小学校から、ずっと一緒なのに。何でも、話してきたのに。なのに、今は、何も、言ってくれない。


「でも、遥。今回のテスト、成績落ちたよね。黒澤くんも。二人とも、同じタイミングで」


 遥が黙る。


 ……わかってるんだ。


「黒澤くんと、何してるのかわからないけど……勉強も大事だよ。このままだと、進路に響くよ」


 私は心配して言う。本当に、心配してる。遥のこと、大事だから。


 遥が下を向く。


「……わかってる」


 小さな声。でも、遥の表情を見て気づく。


 ……楽しそうなんだ。成績は落ちた。でも、遥は楽しそう。最近、顔が、キラキラしてる。黒澤くんと一緒の時、すごく、幸せそう。


 ……それは、嬉しい。遥が、幸せなら。でも。私に、言ってくれないのは、悲しい。


「でも、遥」


 私は優しく言う。


「最近、すごく楽しそうなんだもん」


「……え?」


 遥が顔を上げる。


「前は、黒澤くんのこと大嫌いだったのに。今は、黒澤くんの話するとき、嬉しそうなの」


 遥が動揺する。


「……気のせいよ」


「それに、今も顔赤いよ?」


 私は指摘する。


「……!」


 遥が顔を手で覆う。


 ……やっぱり。遥、黒澤くんのこと、好きなんだ。絶対、そう。わかりやすい。でも、遥は認めない。私にも、言わない。


 ……なんで?親友なのに。


「本当に、ただのパートナー?」


 私は聞く。


「……そうよ。それだけ」


 遥が必死に否定する。でも、顔は真っ赤。


 ……嘘。絶対、嘘。


 でも。遥が、自分から言うまで、待つ。親友だから。信じてる。いつか、話してくれるって。「あのね、綾」「実は……」って。その時まで、待ってる。でも、もう少しだけ。ヒント、くれてもいいのに。


 私は笑う。


「無理しなくていいよ」


「……え?」


「遥が楽しそうなら、それでいいの」


 私は本心を言う。本当に、そう思ってる。遥が、幸せなら。それが、一番大事。


「黒澤くんと仲良くなったなら、嬉しいよ。前は、ライバルで大変だったもんね。今は、一緒に何かしてて。遥、楽しそう」


 遥が少し笑う。


「……そうね……うん。楽しいわ」


 本音が出た。


 ……よかった。遥が、楽しいなら。それで、いい。


「よかった」


 私は嬉しくなる。


「認めるの癪だけど」


 こういうところが遥らしい。


 でも、心の中では。……遥。私のこと、忘れないでね。黒澤くんに夢中でも。私も、ちゃんと、見てね。親友、なんだから。


「でも、勉強もちゃんとね」


「……わかってる」


 遥が頷く。


 ……大丈夫そう。遥は、自分で道を選んでる。私は、見守るだけでいい。


 ……でも。見守るだけが、親友の仕事?違う。違うよね。見守るだけじゃ、ダメだ。親友なら。ちゃんと、聞かないと。「遥、何があったの?」「黒澤くんと、何してるの?」「なんで、私に言ってくれないの?」って。


 でも。怖い。遥に、嫌われたくない。距離、置かれたくない。だから。待ってる。遥が、自分から言うまで。


 でも、それって。本当に、親友?親友なら、もっと。踏み込むべき?


 ……わからない。待つの、辛い。でも、聞けない。知りたい。それでも、怖い。




 喫茶店を出て、二人で駅まで歩く。


「綾、ありがとう」


 遥が言う。


「何が?」


「話、聞いてくれて」


「いいよ。いつでも」


 私は笑う。


「また、何かあったら言ってね。私、待ってるから」


「……うん」


 遥が笑顔になる。


 駅で別れる。


「じゃあね、遥」


「……じゃあね、綾」


 遥が手を振って、改札に入る。


 私は遥の背中を見送る。


 ……遥、変わったな。前は、成績のことばっかり気にしてた。姉と比較されることを、すごく嫌がってた。でも、今は違う。何かを楽しんでる。黒澤くんと一緒にいることを、楽しんでる。


 それでいいと思う。成績が落ちたのは心配だけど。でも、遥が楽しそうなら。それが一番大事。私は、そう思う。


 ……でも。遥が、私から、離れていく。黒澤くんの方に、行っちゃう。私、置いてけぼり。


 ……怖い。嫉妬、してる?してる、かも。遥、私の親友なのに。黒澤くんとばっかり。私には、秘密。ずるい。


 ……でも。それでも。私は、待つ。遥が、自分から、話してくれるまで。親友だから。信じてるから。


 ……それにしても。あの二人、絶対お互いのこと意識してるよね。周りから見たら、わかりやすいのに。でも、本人たちは気づいてない。


 まあ、いいか。私は関係ないし。でも、ちょっと面白い。これからも、見守っていよう。遥が、幸せそうなら。それで、いい。


 ……寂しいけど。


 そう思いながら、私も改札に入った。


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