7 酒カス、ジャンキーマスコットに会う。
「ぁぁああぁ〜…とぶぅ〜…花畑みえるペリィィイ〜」
魔法少女達用の施設の一つ。
藤田が買ったマンションの一室で、くだいた錠剤を鼻から粉を吸い込んでいるのは可愛らしい姿をした小動物だ。
全身白色のロップイヤーで、首には⭐︎の輪っかをつけている。
ウサギと犬の中間の様な見た目をしたその生き物は、身体をブルブルと震わせながら、恍惚な表情を浮かべていた。
「うーす。邪魔すんぞー」
マンションの戸が開かれる。
入ってきたのは彩葉だ。
ストゼロ缶を煽りながら、小動物の姿を見ると鼻から呆れた様に息を出した。
「また、キメてんのかペリー」
「あー、いろはぁ。おかえりペリィ。ご飯はもう食べたペリかぁ?ぼくぅ、お腹空いたペリィ」
「おかえりじゃねぇよ。また、記憶混濁してんのか」
「んぁー?」
虚な目で首を傾げるペリー。
ペリーは彩葉が魔法少女になりたての頃、タッグを組んでいた魔導生物である。
昔は何をするにも一緒に行動していたが、彩葉が1人で戦える様になってからは別々に暮らして、もう20年になる。
時々、様子を見に来るのだが、彼1人(1匹)ではワルワールと戦う戦闘力はなく、さりとてやる事もない。
いつしか、こうやって何かをキメて、日常からトリップするようになったのである。
まぁ、人間とは違う生き物なので、こういった事をしても身体は健康体らしいのだが、行為を側から見れば最悪であった。
「はぁ、飯作ってやるからちょっと待ってろ」
彩葉は手にぶら下げたビニール袋から食材を取り出す。
豚肉切り落としに野菜ミックスと焼きそば麺。
10分少々で焼きそばを作り終えると、ペリーの前に差し出した。
「ほら、食え」
「んぁー、ありがとー」
2人して、焼きそばを啜る。
その音だけが部屋に響く。
「ねー、いろはー」
「何だよ」
「僕たちって、いつ死ねるんだろうねー」
「……………………知るか」
ペリーは彩葉よりも遥かに長く生きている。
リーダーと同じくらい長くだ。
長い時間が、彼の心を蝕んでいた。
終わらない人外戦争。
最近になってその気持ちが少しわかるようになってきた彩葉は答えを言い淀んだ。
「じゃあな。あんまキメすぎんなよ」
「うーん。分かったぁ〜」
焼きそばを食べ終えると、片付けてマンションの外に出る。
帰り道、掲示板に貼り付けられていた政治家の言葉。
『明るい未来!輝かしい将来を掴み取る!』
「…チッ」
蒼子はそれに忌々しげに舌打ちをするのだった。
ペリー
身長 40cmくらい
体重 4キロくらい
見た目 芝犬とウサギの中間みたいな感じで白い
好きな物 彩葉の料理
趣味 キメる事
夢 消える事




