北田高校!漢マッスル ⑴
この北田高校には、ちょっと変わった部活がある。部活名はちょっとおかしい男子部というところだが、男が男らしさを求め男の道のなんたるかを究めるという、青い・ ・汗臭い男供が日々格闘していた。
ここ・・ちょっと臭わない?いったい何なのこの匂い?そんな男達に明日はあるのか・ ・そんな部の活動させているのは、春日陽斗・在学高二年生の16歳である。そんな陽斗はどんな男子かと言うと・・高校生としは平均的体格をしているが、嫌になる程に可愛い顔をしていた。
陽斗(午後に体育があるのは、ちょっとつらいよ。疲れるやら着替え時間も無いし、そのままだと風邪を引きそうで・・)
康一(ん?それでもアキはちゃんと、着替えてるじゃん。オレは諦めたよ)
陽斗(場所が体育館だったでしょ。部室に近いから部室で着替えたんだ。シャワーも使えて良かった・・)
康一(シャワー?えっ?そんなの何処にあんの?オレ知らないよ。)
陽斗(えっうそ?部室塔の1階にあるよ。みんながあまり使わないって事で、自分用のロッカーも貰ってるから、着替えを1セット置いてあるんだ。入学してからずっとだよ。)
康一(いやいや、全然まったくしらねえ!プール脇の水の出るとこだけしか知らん。なんか不平等を感じる・・)
陽斗(今度教えるよ・・あっ!カギ式だから、カギを先生から貰えないと無理かも・・)
そんなおしゃべりしながら向かっているのが、先ほどの男子部である。そして男子部に所属の(田口康一2年3組そこそこのイケメン君)と男子部部長(春日陽斗2年3組)である。
まだ2年に上がったばかりで、先日大々的に新入勧誘告知を遣ったがいまだ部員は増 えてはいない。この状態で新人が入るのか?どうしたものかと部室で話をしていると、そこにノックの音がした・・陽斗はドアに向かいながら(はい!)と返事をする。失礼します!と言いながら入って来たのは、スタイルは細心で目鼻たちの整った、美人顔の少女であった。
陽斗(何か御用かな?)
才華(はい、こちらが男子部ですか?)
陽斗(はい!そうです。)
才華 ・・・・・(こちらが男子部ですか?)
陽斗(そ・・そうだよ。な・・なんで2回聞いたの?)
その才華は返事を聞いてもそれを理解していなかった。えっっ・・汗臭い男供はどこだ・・プーンと臭う部室は?そして・・何この人!目の前にめっちゃ可愛い男子が立っている・・もうスーパーきゅんきゅんしっぱなしだ。
才華(す・・すいません!ちょっと緊張しちゃってまして・・ここの・・マネジャー募集のチラシを見たのですけど・・しっかりきっちり拝見しました。)
えっ?と陽斗は驚いて、康一に女子のマネジャーが来ちゃったよと騒いでる。康一は男だらけだからいいんじゃないの・・ほー1年生さんなのね・・部員が増えるのはOKOK!とお気楽だ。只今の才華の脳内は・・男だらけって何だ?めっちゃ可愛い男子が居たら不要だろ!内心突っ込みまくっていた。
そこで改めて募集内容の確認と、男子部の活動内容も把握・・自分の思っていたモノとのすり合わせをしていると、又ノックがされたので陽斗はドアに向かって(はい。)と返事。す ると、失礼します!っと今度は愛らしい感じのふわふわっとした少女が入ってきたのだが、いきなり目の前にいた陽斗にギョ!っとして急に後ろへと仰け反った。それに慌てた陽斗が右手で・・彼女の右手を捕まえて引き戻した。その勢いで陽斗の懐へ・・左手が腰を抱えてしまう。
ひゃあああ!っと彼女は叫びながら、意味不明な・・宜しくお願いします!と言っていた。陽斗もそのままの姿勢で宜しくね?疑問ながらそれに答えている。そこは気を取り直して・・
才華(えっと・・それでは新田さん)
絵里(はい。)
才華(新田さんは・・今回のマネージャー募集に応募に来た。それで宜しいですか?)
絵里(不束ですが・・)
才華(不束な人は不要です。それに・・あげません。)
絵里(ひあぁぁぁ!間違えました。頑張ります!宜しくお願いします。)
才華(それでは真摯に頑張って貰う方向で・・良いかな?部長!マネージャーの応募なんですけど・・如何致しますか?)
あれ?才華さん?いつのまにか部員になってません?それはそれでいっか。今回の応募の件と部活内容・他諸事情も伝え時差はあったけど2人とも本採用としました。これでやっとメンバーが5人となった男子部は、本格的に始動した。・・・あれ?始まってるよーいや全然始まってない!女子マネージャー2人は、何を遣って良いのか解らずで待機中、現役の康一は携帯ゲー ムでピコピコと暇つぶしを・・さーてと回りを見回した陽斗は、何から始めるか思案中。それでも陽斗は(康一・・そんなゲームなんかしてないで、部活を始めるよ!お待ちのお姫様は飽きれてるからね。)康一は・・そんな事を言われても・・いったい何をすんの?何を遣ったらいいのかも解らずに、かれこれ1年も経っていたからだ。
それを考えるのが、この男子部の本質であり活動なんだよ!そう陽斗は言っている。そして、取り合えず・・お茶にする?紅茶・コーヒー・日本茶もあるよ。そうそう!陽斗は思い出したように声を出して、(今日は女子の実習でクッキーを焼いて余ったんです!と、さきほど女子達から貰ったのがあるからクッキーも用意すると言って席を立った。
陽斗(そんなに貰っても食べれないけど、部員が増えたからよかったよ。袋には作った人の名前が入っているから、感想とか教えて貰えると嬉しいな。)
絵理(えっ!な・・名前が入っているんですか?なんでですの?)
陽斗(えっ?名前が入ってないと誰からなのか解んないから・・まとめて渡そうとしていたんだけど、袋別に書いて貰ったんだよ。名前と顔もそのうちに、覚えられるかも知れないからね)
康一(あーあれだよ!君たちはまだ解らないだろうけど、今回が初めてとかじゃないから。ここに置いてあるおやつはすべて貰いものだ。)
絵理(ふぇー!みんな貰い物なんですか?それで賄えちゃうんですか?)
陽斗(う~ん・・今のところは余ってるかな・・食べ切れなくて困るくらいに。)
康一(確かに余ってる。煎餅は教頭がこないだくれたし、チョコはバレンタインので山盛り満タン・・)
才華(教頭まで・・今食べてるのがバレンタインのチョコなら、ホワイトデーの時は大変だったわけですね?)
陽斗(ん?でもチョコのお返しはしてないよ。)
才華(えっ?お返しはしてないのですか?折角気持ちを込めて渡してくれたのに・・)
康一(解るけどそれも無理だったの!)
才華(えっ?無理って?)
康一(無理じゃね?自分のクラスメイト大半数の女子達・・その他もろもろと考えたら 、チョコ破産しちゃう。)
陽斗(あははは、そうなんだよね。だから、お返しが出来ないからって言っても、それでいいです!って・・そんな訳で、はい。
絵理(ありゃりゃ・・。それでも、他の人に上げるよりは良かったわけですね。)
康一(その悪影響でそのチョコに弾かれるように、部員も辞めていった。)
陽斗(ええっ?)
絵理・才華(えっ?そうなんですか?)揃ってるよ2人共。
陽斗(えっ?なにも聞いてないけど・・ぼくは知らないよ?)
康一(陽斗はバレンタインの貰ったチョコが食べきれないって、オレにくれたじゃん。それを知ってしまったわけさ、原因はそれ!)
それをまったく理解出来ない陽斗であった。
陽斗(あれは・・そんなには食べきれないくて・・せっかくの気持ちも無駄に出来ないから、食べて貰いたくて康一に上げたんだよ。)
康一(そーだな。そーなんだけど、他からの貰い物でもオレは陽斗から貰って、貰えない奴は・・)
陽斗(そんな・・あれ?バレンタインって、男の子がチョコを上げる日だっけ?)
康一(陽斗がくれる日だと勘違いしたんだな。いやー危ない危ない、居なくなって良かったよまったく・・)
絵理(ダメですよ部長!ちゃんと身元をしっかり調べないと、ほんとに危ないですからね。)
康一(そうだな!陽斗は、いろんなところから狙われてるから、注意しないとな。)
陽斗(えっ?そなの?何かのターゲットになったわけ?)
康一(生徒会だって・・あっ!まいっか。)
陽斗(えっ?なにがいいの?何かあったかな?)
康一(ふぅー・・あったよ、今回の部員募集!あれは生徒会が管理だったろ。)
陽斗・・・
絵理・才華(えっ?)
康一(男子部部員募集のチラシの一番下に、応募は生徒会で受け付けるって書いてあったはずだ。)
絵理・才華(ええっーほんとですか?)それは流石に驚きだ!やっちゃったねこの2人 。
陽斗(いいの・・いいんだよ。僕が2人を選んだ!僕の大切な人になってくれると思ったからいいんだ。生徒会には話したよ。僕は・・2人を守っていくからね。)
陽斗は今回の件で、部員定数満杯としこれ以上の部員は入部させないとしている。(それでの許可だが)今回の新人募集のチラシは期間限定として2日間しか貼っておらず、さらに目にするのも難しい場所!生徒会室脇の掲示板であった。場所が難所の理由は・・生徒会委員しか行かない通路にあったからだ。この2人はその短期間の所に難所も重なっているのに。その掲示物を確認しているとてつもなく縁を感じる行動を取っている。
さらに言ってしまえば、このチラシの初文先頭には生徒会よりの通達と入っていたのに気ずかなかったのが凄い!
もしかするほど痛い人?チラシを作った人は泣いてるよきっと。おもわず感涙してしまった陽斗であった。
陽斗(そう言えば、お茶の時のカップを持って来てくれたみたいだけど、こちらでも用意出来るよ)
絵理・才華(それは大丈夫です!)
陽斗(いいの?茶器はレンタルになってるから、壊れても交換とかしてくれるよ。)
才華(えっ?レンタルですか?それってけっこうお金かかりますよね?部費の負担が・・)
陽斗(ああ、違うよ。無償で茶道部が用意してくれてるの。お茶・紅茶も・・週一で交換してくれてる。)
絵理(週一?そんなに飲むんですか?)
陽斗(封を開けると痛むからと言って、早めに交換してくれてるんだよ。)
絵理(ひゃあー。至れりつくせりじゃないですか。めっちゃビップ待遇だ!)
康一(だな。花瓶の花は、園芸部が昼休みとかに手入れに来てるぞ。)
絵理(うっひゃー。段々怖くなってきましたよ。)
康一(PCもレンタルだ!もっと怖いのは・・部室の掃除は月1回、バレー部が遣って くれてる)
絵理(死んだ!もうお腹いっぱいで、別腹まで無理!)
陽斗(えっ?バレー部なの?各部みんなの交代だって聞いてるけど。)
康一(バレー部だけだ。去年に元の部員がここに来て見てるからな。ここの部屋だけなら、そんなに大変じゃーないからな。)
陽斗(そーだよね・・言われて解ったけど各部が交代で遣ると言っても、相当の数と時間なるよね。)
康一(部屋全体は月一でかなり綺麗になるから、ここの部員で遣るのはテーブル拭きく らいだな。)
陽斗は(そうだね。)と返事をしながらも、バレー部の部長さんが、去年の始めに話に来たのを思い出していた。
今年に卒業をして今は居ないけど、今も尚変わらず掃除をして貰っている事は、とても在りがたい事である。
そんな優しい人達に囲まれて、僕はとっても幸せなんだと。園芸部の人も、お花を絶やさず飾ってくれている。そこには、可愛らしい帽子をかぶって・・ありゃ!思い出したよ可愛い帽子・・作業するのに園芸向きではない。なぜその帽子を被って作業なの?と、園芸部員みんなに言われているのも聞こえている。それは・・陽斗があげた帽子だった。
その当時に陽斗は花壇の中で不思議な現象を垣間見て、わざわざ園芸部に聞きに行ったのだ。
それは同じ種類の花壇の中に1本だけ違う種類が育っていて、何か意図的な物があるのかを聞きに行ったら、それを鳥が種を運んで来たのですと。
芽葉が違うので手入れの時に雑草として処理されるはずが、運良く残って花まで咲せた。それはまるで種族保存・・そこにはジェンダーがあるがのごとく、必死に生きていた。
そう教えてくれた女の子は、現在の園芸部長!健気で儚そうだけど芯はしっかりしていそうな・・ああ、この女の子を守ってあげたい・・せめて炎天下では帽子を・・ウォッシャブル機能付きを2個渡して使って貰っている。
その後に思っている事は、もう少し園芸に合った物を見つけて、使って貰おう・・最近は特にね。
彼女との出会いは(お花は入りませんか?)突然尋ねて来た花売り?少女、聞けば無料でお花を飾ってほしいとの事で、手入れサービスの高条件に快諾したのであった。あれから1年以上、お花が絶やされる事はない。
本日は(こんにちは!)陽斗は時折りバレー部の見学にも来ている。今日は野菜ジュー スの差し入れだ(もう少し気温が上がったらスポーツ飲料をお持ちしますね。(僅かですけどクッキーも有りますが、食べてもらえますか?)部員はいつもすいませんと言いながら(クッキーは大好物ですから、いくらでも入っちゃいます。)
そんな嬉しい返事に陽斗は(太っちゃイヤですからね!)天使の笑顔でメッって遣っていた(又遣っちゃってるよこの人・・)そこでは練習もしないバレー部員が集まっていたからだ。
男子部部室に戻ってみると、お姫様たちは何やら作戦会議をしている。いつも通りでご機嫌も悪くは無い!いったい何の相談なのか?
絵理(部長!少し宜しいですか?)
陽斗(はい、何かな?)
絵理(部長は、お休みの日に特に何をしてますか?)
陽斗(?・・?lあまり・・何も?してないような気がするな・・)
才華(えっ?何も?趣味とか・・出かけたりとかは?)
陽斗(趣味?う~ん・・本とかは読むかな。ほとんど出かけたりはしないよ。)
絵理(・・それで1日が潰れるんですか?何がどうなってます。)
陽斗(何がって・・朝起きて・・朝・・)
才華(それ!起きてませんよ絶対。いきなり夜だったりしませんよね?)
陽斗(ちゃんと朝だよ。ちょっとゆっくりめだけど・・目覚めにはシャワーかな。)
絵理(仕事疲れか・・飲み過ぎたOLっぽくなってますよそれ。ちゃんと食べてます?)
陽斗(ははは。食べてるよ、遅めなので朝昼が一緒になっちゃってるけど、食べてる。)
才華(問題はその後ですね。午後からはどんな感じになってるんですか?)
陽斗(ぼくが食事をしていると・・)
絵理(はい。)
陽斗(母も一緒に昼食を始めて・・その時は最近にあった話をしているかな。)
才華(じゃあ、その後ですね。)
陽斗(その後は・・寝支度して寝る)
絵理(早や!真昼間・・午後に寝ちゃってるよこの人。溶けちゃうから・・腐るから・・)
陽斗(そんな昼間からは寝てないよ。母と話していると気づけは3時でお茶にな って・・)
才華(はい。)
陽斗(お茶をしながら、ちょっとしたおしゃべりをしていたら・・もう夕飯の時間になってて・・)
絵理(えっ?話が・・ちょっとじゃなく延々になってます?むしろ限りがない。)
陽斗(そーだね。なんか時間が経つのが早くて・・時計が壊れてるのかな?)
才華そんなわけあるかー才華が壊れてた。
そんな陽斗の自宅はソーラー発電が付いていて、いくらかの電気供給といつでも入れるお風呂にもなっていた。
お風呂が壊れたらおいでね!と陽斗が言うと、すぐにでもいいですかと?絵理が聞いて 、その話にピクピクしている才華がいた。そんな4月も残り1週ほどになって新たな展開が始まろうとしている。
(アーキートー!!)それはお昼休みが始まって間もなくに起こった。そこには偉そう に腕を組んで、自分を大きく見せて威嚇しようとしている、ちっちゃい女の子が立っていたからだ。
結愛(まったくもう!まったくもう!いつも居ないんだから・・)
陽斗(やあ、結愛。どうしたんだい、可愛い子がだいなしだよ。)
結愛(だいなしにしたのは陽斗でしょ!わたしは貴方のいったい何?)
陽斗(何って・・)
これはとっても大変だ!最初の一言で、クラスの女子は陽斗の防衛ラインを作っているところで、進行状況は修羅場みたいになってる。この先を聞いたら立ち直れないと皆は思っていた・・
陽斗(僕の大事なお姫様は、何を怒っているのかな?)
結愛(うそ!絶対大事に思ってない。ここに入学してからの3週間、完全にほったらかしだ。)
陽斗(あれ?迷子とかになっちゃたかな?結愛なら大丈夫かと思ったけど。友達が出来ないとか・・)
結愛(それは大丈夫!友達はちゃんと出来ました。)
陽斗(そっか、良かったね。ほら、学年が違うと校舎も違うでしょ?放課後は部活もあ るから・・)
結愛(ねぇ陽斗!部活とわたしのどっちが大事なの?)
陽斗(それは解っているけど、将来の2人の為にも部活は大事だと思うよ。)
結愛(わ・・わかったわよ。そのうちに部室にも連れて行ってよね。)
陽斗(解ったよ。そのうちでいいんだね。)
そこで結愛は自分の教室に戻ると言いながら、週末には由紀奈の家にみんなが集まる事を告げた。催しとしては結愛のお祝いなのだろう。個々には会っていても、皆で集まるのは久しぶりである。
もう間もなく5月、GWの中できっとあるだろう。放課後は心ここにあらずな感じで部室に行くと、男子部にGWはない!が待っていた。そして激しくな・・
才華(それで今回のGWは、前半だけが4連休となってまして、後に2日出て2日休みですから前半が勝負です!)
陽斗(勝負?なんの勝負なの?)
絵理(天気です、テ・ン・キ!天気の良い日にピクニックってよくないですか?)
陽斗(ピクニック?)
才華(GWに何か予定とか入ってますか?)
陽斗(今のところは・・ないかな。)
才華(では決定です。後で、都合がつかなくなったなんて女の子を泣かすのは、男らし くないですからね。)
陽斗(大丈夫だよ。僕は男だから・・男らしいからね。)言ったはいいが・・
陽斗(あーでも、ちょっと調整が必要かな?人数の増減は大丈夫だよね?)
才華(ええ・・あーはい。今回の場所は、桜の名所でご近所!時期も終わりましたから 問題なしです。)
陽斗(それなら細かい調整は、間近でいいって事だよね?)
絵理(はい!それで大丈夫です。)
GW前日の週間予報は、前半は特に問題なし!後半の週末はいささか悪くなるかも?そんな感じだったので、初日を準備日として2日目にピクニック!残りの2日は休養とした。疲れは身体より・・胃かも知れないけど・・ね。
陽斗さん私が持ちましょうか?と沙世が声をかけて来た。大丈夫だよと言っている陽斗は、ピクニックで食べる弁当の入ったカバンを抱えて歩いている。
久々の外出がピクニックとあっては、陽斗の食生活をいつも気にしている沙世が、ここ は出番だとばかりに作った物である。沙世は由紀奈家の専属メイドなのだが、陽斗にからむ雑務は優先してこなしていた。
その由紀奈家で彼女は16歳から本格的に専属メイドとなってもうすぐ6年になる。陽斗とのお付き合いに関しては、9年ほどになるのであった。
沙世(みなさんすいませんほんとうに。私までご一緒させていただけるだなんて・・ほんとうに・・)
陽斗(沙世、そんなに気にしないでよ、来てほしかったのは僕だから。みんなにはありがたいと思っている)
才華・絵理(いえいえ・・別に。全然大丈夫です。お弁当まで・・)
陽斗(沙世の料理は美味しいから、大丈夫!きっとみんなに満足して貰えるよ。)
沙世(せっかくお料理を食べていただくのに、格好が給仕しにくそうで・・服が・・)
陽斗(ごめんごめん!いつものメイド服はけっこう目立つから・・急遽変えて貰ったん だよ。)
沙世(すいません・・メイド服くらいしか持っていなくて・・買っていただけるなんて・・)
絵理(そーなんですか?けっこうバタバタしちゃったんですか?)
沙世(はい。昨日陽斗さんと一緒に出かけて・・全部買って頂いて・・下着まで)
才華(えっ?下着までですか?一緒に見たんですか?)
陽斗(そうだよ。色合わせもしないといけないし・・急だから既製品にはなっちゃったけど。)
絵理(部長は、女性の下着を一緒に見て!回りの目とか気にはならないんですか?)
陽斗(あれ?そこは気にするとこなの?下着も服だから僕は気にはしないけど。)
才華(そ・・そうなんですね?そうなんですか・・サイズとか知られるのは、ちょっと恥ずかしいですよ)
陽斗(そうなの?サイズ・・先に聞いて選んだから知ってたよ。試着も確認したし・・)
絵理(し・・試着?試着したとこも見たんですか?何を確認したんですか?)
陽斗(確認したのは、フィット感?似合うのも大事だね。はずれたのはちょと驚いた・・)
絵理・才華(はずれた!?なんではずれるんですか?)
陽斗(前止めの形のモノで、いきなりポーンとはずれて開いたんだよ。)
絵理(見ました?見たんですね開いた後?今世紀最強のロケット弾!)
陽斗(ええっー・・見たけど・・ダメだったの?それで・・ウエストの細さは抜群だったよ。)
絵理(そっち?胸が見えたのになんでウエスト?)
陽斗(体の線がしっかり解ると、ウエストの細さがより鮮明になって・・さすが沙世! 鍛錬がうまいね。)
沙世(陽斗さんてば・・お尻はもっと頑張ってますよ。後ろ姿も是非!)
そこで才華と絵理は思った、沙世は絶対にわざと見せたと。これでどうだと言わんばかりに、弾け出したんだ。ほんとうに、ロケット弾を打ちやがった。
さすがに花見の名所とあって、頃合の良い場所がいっぱいだ。桜は終わっているけど、 目に青葉は潔しってとこかな。その時刻も午後の一時近くになってきたので、当初の目的である美味しい食事は沙世で安心 !の始まりだ。
おおっと!お弁当なのに前菜から始まるってどうよ?やっぱり沙世スペシャル全開だよ。
陽斗(うんうん、とっても美味しいね。)
康一(こりゃうめえや!ここまで美味しいと、行楽気分に関係無くすごい。)
才華・絵理(!!!)
康一(あれー、声にもならないくらい美味しいのかな?それより勝負に燃えたか?)
才華(ほんと美味しいです。しかも、食べ易い?食べ物の大きさのバランスがいいんだと思います。)
絵理(ほんとびっくりなほど美味しい!これが出来たてだったら相当にすごいでしょ?)
沙世(いえいえそんな・・冷めても食べ易い物を選んで作りましたので、出来たてで美味しいのは別な物・・)
陽斗(ありがと沙世。それに色々と気を使って貰ってて、いつもすまないね。)
幸せいっぱい腹いっぱい。今回のピクニックは、ほぼ目標達成と言えよう・・あれ?部活でピクニックに弁当・・ ほんと何しに来た?最初の計画が間違ってんじゃね?お父さんはびっくりだ。
本日はそつなくピクニックも終了いたしまして、4連休の残り2日は疲れを癒し飛び休みも厳かに開ける。
高二となった陽斗の新たなメンバーでの部活動は、予想外にもGWでのピクニック・・ おかしくね?なんかとってもおかしいよ。ここで男らしさを追求していく男子部のモットーがとっても違う方向に向いているって言うか 、そもそもサークルでの仲良し達が面しろおかしく過ごして行く会みたいなっちゃってる。
どこかにあったよね?理想!今遣らないとダメなんですよとリアルに流されてる・・ 現実ってほんとに怖い。まてまて、リアルに遣らなきゃならないから、日々を真摯に受けてめながら自分は何処までが出来る事なのかを悟り!理解と向上に努めていくのは間違いの無い話だ。
だからピクニックは必要で必然でやっぱり楽しかった。ぶっちゃけで何時でも何処でも 、沙世スペシャルは美味しいってわけさ。そうそうさすが沙世・・
だがありましたよGW前にも・・結愛が由紀奈の家での催しの話を紡いでいた事は実現されたのだが、そこでの話しでもGW中にピクニックを開催するとなったら、そんな楽しい事を勝手にやるんだ・・。そこはGW最後の飛び休みの前日にも、由紀奈家で集いになるのは当然だよね。
それでしっかり集ったのだが、ほぼ全容がピクニックの話になったのと、沙世の装いの買い物でビックリな飛び道具の暴発?完全にブラックブラック・・黒歴史になったぞ。
庶民としてお気軽なピクニックは、セキュリティとかの問題で結愛や由紀奈・・大友家や一色家にはとっても難しい。
そんな環境の背景から彼女らの周りに繋がる友人達は、限定されたり交遊の制限も著しいのは仕方なく、休日はほとんど限られる場所で保守されている。それは世の中がとっても物騒であるって事です・・みたいな。
そんな中で経験地を増やしているのが社交的な交流・・食事会がほとんどなのだけれど 、世相に纏った持論弁論に一喜一憂は至極当たり前であった。
ここで生まれるのであろうな、頭でっかちな人柄を垣間見れるかも知れない・・知らない けど。それでも陽斗には今が待っていてGW明けの部活に向う所なのだが、ここで触れて置こう男子部の第3の男子!今までまったく出て来ていなかったのだが、面倒だからやっぱり忘れとく?あんまり必要性を感じないって言うか、男ってイマイチ大事じゃないし、康一もほとんどモブキャラ扱いになってるし・・。
適当に軽くいっとくけど、第3の男子は雅史君!現状は家庭の理由って言うか、突然に人手不足になってしまった家のお仕事を手伝っていて、現在は休部中である。
つまり新しい雇用人が見つかったら復帰してくるって単純な理由です。よくある話過ぎてつまらない・・そうだ!とばかりに部活が始まって間もなく才華ちゃんに陽斗が・・。
陽斗(後で生徒会が聞きたい事があるとかで、おいでになるらしいよ才華ちゃん。)
才華(はぁ・・聞きたい事と言われてもあまり知ってませんけど・・)
そーだよね・・と、絵理も思っている。知ってる事などそれほどないし、ピクニック に行って楽しかったのと、バズーカ沙世はとっても危険って事くらいだ。そうこうと思いを巡らしていると、部室のドアへ来ましたよのノックが・・
陽斗(はい!)
生徒会3人(こんにちは!)
いらっしゃーい、と挨拶も早々にお3人を並べてソファーに座ってもらい、対自が如く才華と絵理が座る。
さっそく陽斗は、ここは必要でしょ?みたいな流れでお茶の準備、紅茶でいいよね?とちょっと無理じいで話を進めた。
生徒会A(さっそくですが、今回各部を回っている主旨は毎年増大している部費の詳細確認と、経費削減やら改善やらの提案やらです。そこは世相の仕分けに見習って遣ってみてます。)
絵理(うわー・・とってもパクリ業務臭いです。なんか思いつき的な行動がヒシヒ シと)
才華(マル査か?そんな勢いですけど・・下調べは終わっているんですか?)
生徒会A(いえいえ、バルサン発動なので現場で宜しくやりながらのスイッチオンって 感じです。)
才華(おもっきり暴露ってますね・・。)
陽斗(部費の予算となると、今年は去年と同じなので得に問題は無さそうに思うのだけれど・・)
生徒会A(はい、確認はしましたがほぼ文化部ほどの部費!逆に少ないのでは?そんな感じを心配してしまいました。今回も頂けるお茶代やらの必要経費で使い終わってしまいそうなので、根底にある部活動に支障が来たすのではないかと?)
才華(必要経費にほとんど部費は当てられません。お茶は茶道部から無償で茶器も借り物・・おやつも貰い物オンリー。)
生徒会A(えっ?・・やるな茶道部。それでも見渡せば、花瓶に素敵なお花だったりPCとかも備えてますよね?)
才華(そこは聞き事ですが、お花は園芸部が定期的に管理して頂いていますのと、PCはコンピ研から・・部室清掃はバレー部がして頂いておられまして、感謝感激です。)
生徒会さんらがもう絶句中のところに陽斗は紅茶を運び、器が空になってる才華におかわりはコーヒーと伝えながら才華ちゃんアーんと言いつつチョコを食べさせた。
生徒会3人うわぁ・・ぅうそんな驚きを気に止めず、才華は話を閉めようと ・・
才華(現段階ではこの先の予定もまったく立ってはいませんので・・そんな感じです。)
生徒会A(あっ!はいはい、その活動の提案もしに来ました。男子部は男らしさの追求でしたよね?確かそこが根底のはず)
陽斗はここで(まさに正しく理解してくれているね。)と言いながら、才華におかわりのコーヒ ーと絵理ちゃんにアーんのチョコIN。そこを絵理はパクっと・・陽斗の、ゆびごと咥えていた。 それを見た生徒会3人おぅ・・ぅぅそんな呻きをよそに、陽斗は絵理の口から優しく指を戻す 。
そこで陽斗は(また食べちゃったね)と言って、食べられた指を自分の口にぱくっと。
生徒会3人(ひゃああー、ななっ・・なんてこ・・)それでも才華は冷静に ・・
才華(さしあたって今のところ、これ以上の予算を使う場所の検討も付いてません。問題ありですか?)
生徒会A(だ、大丈夫そう・・ですね。あっ!今回の件に関係ないんですけど、聞きた い事が・・)
陽斗(はい、なんでしょうか?)
生徒会A(私が、入学当初の部活勧誘の中に、男子部は男臭いうんぬん匂いいっぱい・ ・何処に消えましたそれ?)
絵理(!?ぶ、ぶっ・・部長!何か今日は汗臭いですよー)
陽斗(えっーほんと?そんなに臭ってる?)
生徒会3人(それウソです!全然臭ってません。むしろ臭ってたら下さい!全部引き受 けます。)
絵理あっひゃー
そこに後から部活に遣ってた来た康一が ・・。
康一(あはは。あーそうか!君たちが入学した時は、当時の先輩達は卒業しちゃってた のか。)
生徒会A(えっ?どうゆう事ですか?)
康一(あのキャッチは、去年に3年の生徒会長が作ったんだ。)
それは陽斗が立ち上げたこの部活を、トラブル無く過ごす為の生徒会長が思索した処置であった。色々骨を折ってくれていた成果でもある。
生徒会A(そうだったのですか・・変な部活があるなとは思ってました。こんなに違うのなら入りたかった・・)
康一(それ!つまりなんだかんだと入りたがられるのも困るから、キャッチもそうだしここの定員も6人となってる。)
生徒会B(今は5人しか居ませんよね?もう一人り入れるって事ですか?)
陽斗(今年は5人で締め切ったんだよね。無事満席となりました。)
生徒会C(何故定員が5人になってしまったのですか?)
康一(そりゃーあれだ。辞めたのは男3人手間要らずで、この2人のお姫様は手間がかかるって事)
才華・絵理(?・・?)
生徒会A(あーはい。それは聞いてます。このお2人は、不可侵協定みたいな物がかかってますね。)
才華・絵理(えっ?なんですか不可なんとかって。)
生徒会A(一般的に言えば、保護されている。多種多様に関わらず干渉せず!ですね。)
陽斗(この2人は、僕の大切な人達・・だからね。そこはお願いしたんだよ。)
才華・絵理・・・
陽斗(気にしなくていい事だから・・大丈夫!)
生徒会A(ふぅー・・あっ!もう一つ、陽斗様の個人情報がセキュリティロックされて まして)
陽斗(僕のお尻のサイズは秘密だよ。)
生徒会A(そ・・それはとっても知りたいですけど、パスワード管理者が由紀奈様にな ってまして・・)
陽斗(それはとっても危険だ!特にお尻が・・)
そこで才華も絵理も最近耳にした名前だと思い出していたら、つい先ほど部活の始まる前に来ていたではないか。
冷淡な表情から紡いだ(陽斗ちょっといい?)と呼ばれ、今週末の予定は空いているのなら(遊んで)まるで子供のように・・周りのみんなに聞こえないように伝えて いた。
そうそう、先日にお目見えした生徒会の面々からのご教示頂いた男子部的な活動って事で、遣ったんですよ・・マラソン大会での応援!それは応援団ばりな勢いってわけではないけど、けっこう男らしさを模索するうえで意外な効果が得られるかも知れないからって感じから半ば強制的におこなわれた。
といっても、事実上の執行部テント内の貴賓席に座って、ほぼマスコット的になってた陽斗ってだけなんですけど、これってアリなの?申し訳ないほどに照り返しなどもあったので、誰かわからない程度に帽子を深々と被って日焼け対策は万全!席の前に立った撮影禁止看板は後で知ってびっくりだ。
さらに裏情報によれば、女子達のマラソン優勝者にはご褒美らしき陽斗の何かがあった らしい・・だが、結果は良そうに反して悪い方向に傾き、必死にゴールラインに真っ先に飛び込んだ女子はその場に倒れ可呼吸を起こしたので、咄嗟に教護に駆け寄った陽斗は軽やかに女子を抱え保健室へと運んだ。
まさに遣っちゃいましたよ!メチャカワ男子が超マッチョに変身?化身か解らんけど、 苦悩を顔に浮かべずに誇らしげに逞しくな趣でのお姫様抱っこは羨望と未来に伝説を作ってしまっただろう。
だからそこで運ばれた女子は、幸せ一杯胸いっぱいと失神状態を強烈に後悔した・・失神しないと運ばれなかったけどね。
そんな惨事の後の帰宅途中はいつも通りに絵理ちゃんを自宅送りつつ、写真が撮れ なかった悲しみを癒してくれるかのように駅前にて2人のプリクラ作業を敢行した。
浮かれ気分の絵理とは裏腹に、たまたま駅前に用事を足しに来た才華がその状況を目撃して(欲しいよ私も陽斗とのプリクラ!)出来ればラブカップルモデで。
あるのはバカップル用くらい・・そんな悲観をしながら、駅前での用事を済ませ帰路に向うと送りを終えた陽斗に遭遇した。
そして止まった!驚嘆やら驚愕なのか?予知出来る最優先事項を無に変えていた事を有に帰した瞬間である。そこで才華がプっと言葉を発したが、聞こえていなそうな陽斗ゆっくりと近づく、うわっ!とっても近いですよって思っている才華は、呼吸の仕方まで忘れてとっても苦しい。
それでもさりげなく陽斗(どうしたの?)送っていくから帰ろうと才華の肩を抱えながら、 強制的帰宅方向へ誘導していく。
その行動に拒むのでなく、安堵を感じる才華は呼吸さえも自然に出来るようになった。それでも、今出会った時に呼吸さえも出来なかった事を伝える。追いつかない理解を、 陽斗は紡ぐ・・才華ちゃんが以前に僕の前で立ち止まり、踏み止まる覚悟と決意に僕は答えを揃えた。
僕は才華ちゃんを選んだのだから、信じてそばにずっと一緒に居てほしい。 才華(居ていいの?そばに居られるの?)
陽斗(大丈夫!確かにこの先の未来の事なんて解らない。見えているのは今しかないけど、僕は才華ちゃんへの気持ちを信じているよ。この気持ちには、間違いようの無い物が存在しているからきっと大丈夫だ。)
才華(し、信じていいんですね?)
その言葉とは裏腹に、才華の表情は不安が渦巻いて影がどんどん大きくなってきている。目鼻立ちの整った顔には寂しげな感じが際立って彩り、今にも降り止まぬ豪雨を呼びそうだった。
陽斗(信じれる気持ちが持てるのなら、今まで理解してきた物理だって変えてみせるからきっと大丈夫さ。僕と君との答えは、これから2人で作って行くものだとね。)
答え・・それを陽斗が作ってくれるのなら、才華はそれを信じれると思った。いつのまにか立ち止まって見つめ合っていた2人、陽斗は才華の目頭から溢れ零れていく一筋をぬぐい 、それ以上は噤んでいる唇に優しくキスをした。
そこではっ!っと我に返った才華は、ファーストキスは将来を約束した人にあげるって決めていたのですって伝えると、ありがとう!嬉しいよと陽斗は答えた。ここはしっかりと念を押し・・約束しましたよ!それを才華は言っている。
今日も部活は・・みんなちょっといいかな?って言おうと思ったらそこに康一が居ない。何処に忘れてきた?・・おっと、クラスの掃除当番だって言ってたよ。そこで思わず微笑んでしまったらお姫様2人がこっちを見ている・・アディオス!おもわずさよなら言っちゃったよ。
才華(チャオアン!) うひゃーポルトガル語をベトナム語で返されちゃったよ。それを驚いてる陽斗・・
絵理(サワディー!) おおっと、タイ語が来た。ここ何処の国?僕なに人?陽斗も混乱中だ。
才華(部長、なぜさよならを言っているのですか?もう帰るのですか?)
陽斗(ああ、違うよ。ちょっと陽気が良かったからついそんな言葉が出ちゃって・・)
そこへ部活に遅れて来た康一も入って来て・・。
陽斗(掃除当番お疲れ様、けっこう時間がかかったね。)
康一(まったく・・仕方ないか、2人でやってるからさ。)
陽斗(あら!今日は2人だったんだ、それはほんとにご苦労様。)
康一・・・
陽斗(ん?どうしたの康一?)
康一(あー、陽斗はたぶん気ずいていないと思うけど、掃除当番は2人って決まってる)
陽斗(えっ・・そうなの?いつから?)
康一(それはだな、最初からだ!)
陽斗(ええっー。は、半分くらいは居たような記憶があるんだ・・けど)
康一(そこは半分も居たら、1日交代になっちまうだろ。おまえの時だけクラスの女子が残っ てるの)
陽斗(そなの?知らなかったよ)
康一(陽斗との一緒の時間を過ごすなら、掃除当番が一番狙い目だろ。近くで手伝う人も毎回違ってないか?)
陽斗(ああ・・そう言えば、同じ人は確かに居ないよ。)
康一(そこはちゃんと公平に振り分けてあるんだろ。ルールを厳守してな。)
そこで気合入ってんなーと絵理は思った。じゃあ普段のお昼はどうなの?とっても素朴な質問・・これは油断だーかなりヤバイよーそんな焦りがいっぱいで、陽斗に聞いている 。
陽斗(お昼?お昼、月火はいつも学食に言ってるよ。混んでても、バレー部の人に混ぜて貰ってる。)
絵理(えっ・・バレー部?なんでバレー部に?)
陽斗(月火の2日間は部員の殆んどの人が学食に来ていて、場所をまとめ取りしているから入りやすいの)
遣ってる・・共闘で遣ってやがると絵理は思った。じゃあ他の3日間はどなの?
陽斗(水曜は5時限目が体育なので学食は使ってないよ)
才華(お昼は食べてないんですか?)
陽斗(食べてるよ体育の後に)
そこは陽斗は食事をしてから体育はしんどいので、食べないでいいと思っていたら昼休みから5時限目を始めて早めに終えてから、食事を取っているとの説明である。なんだこの自由奔放やり放題!理解不能だってぇの。
康一(体育って・・陽斗は何か遣ってたの?見てないよ遣ってるの?)
陽斗(そうそう、水泳を選択したのは僕だけだって言われて、去年は途中からで今年は一年間このまま)
康一(何?その選択って?そんな話聞いてないし、まったく知らないぞ?)
陽斗はちゃんとしました選択教科!水泳を選んだけど他に選んだ人は居ないので、ジャグジーみたいなのが出る個室で一人温水プールを堪能してます。その授業の後は差し入れ、最近はゴミを出さないようにタッパーに入ってます。
絵理(手作りだ!おもっきり手作りしてるよ)
陽斗(でも、一人だからカギを閉めれば、水着じゃなくていいって!クリーニングに出さなくて済むよ)
才華(えっ?クリーニングに出してたら、間に合わないですよね?)
陽斗(あれ?水着も体操服もジャージもみんなレンタルだったよ。3ヶ月交換の?)
康一(わたしゃまったく知りません、そんなレンタルシステム!)
陽斗(ごめん・・制服もレンタルだった。)
何か凄い事になっちゃってるよこの人。ほとんどレンタルでクリーニング・・維持費爆発か?そこは知ってるのかしら、お金が大変ですって。
陽斗(クリーニングは、沙世の会社が来ていたから・・お金は発生してないかも?)
出たよ沙世っぺ、なんだ沙世の会社って?何遣らかしてるのあの人?
康一(何もかもレンタル、体育も一人・・しかも選択教科だったと)
陽斗(そーだね。生徒手帳にも書いてあるけど、規定だから・・そっちの方が簡単 でしょ。)
その手帳?と聞いて見せて貰ったら、うわっー・・なんだこの校則。髪の長さや服のデザイン!すべて陽斗しようになってて、校長・・校長までグルだ。 何遣っちゃってんのこの学校!そんなに遣ってるとドン引きなんだよ。と、突っ込み疲れたまま絵理は残りの昼食をどうしているのか聞いてみた。
陽斗(木金は中庭に行ってるよ,購買購入の食べ物を持参して!ちょうど中庭で茶道部のお茶会があるから)
才華(こ、今度はお茶会か?茶道部も負けてねぇー)
ほんとびっくりだ!隙間産業じゃないけど、みんなで凌ぎを削ってる。このヤル気なら日本の未来は明るい。でも頑張ってるのは女子だけなんですけど。ここってほんと共学?男は虫かゴミだったりするのか?陽斗の・・どうでもいいか。全然話が進まないけど、ここから進めるよ。
明日には、夏の合宿に参加出来るか否かの仮?の受け付けをする事みんなに告げました。