北田高校!漢マッスル ⑵ もう直ぐ海
昨日に夏の合宿参加の否応を聞くと・・それが今日・・あれ?絵理が固まっている。おかしい?不信に思っているのは、部活に遅れて来た才華が今!陽斗と見つめあったままでいるからだ。
才華(部長!私のお願いを聞いてくれますか?)ソレを聞いた絵理は緊張してツバをごくんと飲み込む。
陽斗(どんな事かな?僕で良ければ出来る限り強力をするよ才華ちゃん。)
才華(最近知った占いなんですけど、恋愛診断がすごく良く当たると評判で・・一緒に遣ると引き合う?)
絵理(そ、それ面白そうじゃないですか?みんなでやりましょう!特にわたしが)
陽斗(絵理ちゃんも?いいの?)
才華(絵理・・いいのね?)
絵里(遣ります遣ります、ぜっ~たい、遣りますからね。)
才華(・・・・では・・はい!第1回これちょっとやばいよーーロシアンルーレット !ザ、たこや~き)
絵理(ふぇっ!ろ・・ろ・・ろおっ?ロンロンたこやきなんじゃそりゃー!!)
陽斗(あっ!壊れちゃった。)
見つけたぜ!誰が?そんなの覚えてないけどさ、とっても面白そうじゃない?そんな理由で、このたこやきを才華ちゃんに買って来て貰って、みんなで食べよう作戦が強行されたのだ・・う、うそ臭い芝居の元に。
そして、ぶっふぁっって悶絶しながら康一が倒れ、当たらなくて良かったと安心しながらの陽斗と絵理は・・当たったよ!何個はいってんの?ノォーーー!生き残ったのは、2つおまけで入れとくよ!を知っていたので、十分注意 をしていた才華だった。ほんと何遣ってのここ?部活やれ部活!
ほんと大変だった、かな?そんな先週に比べたら今週は順調。そりゃそうだ、タコ焼きロシアンルーレットは半端なく数日をしっかり苦しめていた。
それが、もう水曜だと思いつつ絵理は同じ部の才華と部室に向かって歩いて来たら、その部室の前にロミオとジュリエットを発見!ここで捕獲は必須だ。
才華(どうしてキスを・・あげてたんですか?ほんとうにあげてたんですよね?)
陽斗(ぼ、帽子をあげてたんだけど、い、いつのまにか・・かな?でも帽子をあげてたんだよ)
絵理(キスをあげてるようにしか見えませんでした。それもほとんどキス・・)
才華(私が見たのは、絵理が陽斗に噛み付いてたように見えましたけど。)
陽斗(えぇっ!想像?予想?それとも予告?)
ひゃーちょっと怒ってるよ、お2人さん。そりゃまぁ・・部室の前で、園芸部の部長さんと陽斗がキスしていたのをパッチリ見ちゃえは当然怒るよね?うん、解るよその気持ち。それでも・・世の中はいろいろあるわけで、陽斗だけの責任には?それだ!仕方ないよねしちゃったもん。そこで現在はそれの釈明中です。
その陽斗は、園芸部長さんに新たにプレゼントとして購入した帽子を渡そうとして、今日の放課後に会う予定だった。
時間と場所は打ち合わせ部活に差し障りが出ないように、捜しに行きますよ!陽斗はそんな約束をしていた。そして放課後はすぐに行動に移した陽斗は、園芸部長さんの居る場所を考えながら?花が大好きで、僕の部室にまで飾ってくれているとっても優しい女の子は、捜して貰う場所を決めてもいる?はずだ。そんな彼女ならきっと・・もしかしたらずっと前から、待っている?胸の中がざわついている 。何故かは解らないけど彼女は初めて会ったところに居るのだと思った。
それは何処だ?最初って、僕が園芸部に尋ねに行った日が初めてなのか?彼女が部室に来て(花を飾りませんか?)と言った時か?花・・尋ねた時も飾って貰う時も、花は咲いている時期だったのか?
去年の4月から入学した陽斗は、花の咲く前に会っていたのか?記憶の奥底で見つけた答えは、彼女とすれちがっていた場所!そして見つけた優しい女の子は、男子部の前にたたずんでいた。その彼女が陽斗に気がついてこっちに身体を向ける、そこへ陽斗は静かに優しく彼女に近づいた。
陽斗(よかった、ここで会えると僕は信じていたから・・よかった。)
そう言うと、新 しく買って来た帽子を彼女に渡す。プレゼントを思い出にする人はけっこう多いが、珍品や択一などは新たに購入しにくい為、後で思い出しにくく色褪せるのを陽斗は嫌い、既製品でも長く存在しそうな会社の物を陽斗はよく選ぶ。
目につき易くて思い出しやすいから!そんな話をしている陽斗、その前に居る女の子が陽斗の顔をじっと見つめて、何か言いたそうに・・声にしたいようででも声にならなくて細かく震えている。
それを言葉にしたい!言葉にすればきっと・・失しなってしまうのだと。その時陽斗は言った(僕にはキミの声が届かないかも知れない)その言葉を理解した彼女は、体の力が失っていくのが解った。
先ほどまで見せていた笑顔そのままで目頭に涙がたまっていく、それは今でもこぼれはじめそうな勢いで。まぶたの重さにも負けて目をつぶった、そして涙もこぼれだした・・。
あっ!と彼女は声を発した。目頭の涙を止めてくれている物?陽斗は優しく目頭にくちびるを寄せていた。そして声を出した彼女に、泣かせたく無いとやさしくキスをした。
彼女は震えながら陽斗の体に両手をまわす、流れていた涙が止まる?失うと思ったモノさえも忘れ、幻ではないモノを手に入れた瞬間でもあった。それでもいつまでも続いてほしい今が終わりを告げ、彼女のクチビルに寂しさが戻り近くにある陽斗の顔を見たいと目を開けると、見えてほしくない二人がいつのまにかそこに居ましたよ。
間違いない!体にもイヤな力が戻る・・逃げなきゃヤバイよ!あれ?この人陸上部?もすごの勢いで逃げたので、残ったのは厳しい修羅場・・です。
キリキリ吐きやがれ!才華がそんな尋問をしていたら、お待っちー!まいどー!そんな 勢いで、いつもの生徒会3人組がおいでに成られました。
う~ん・・なんか準レギっほくなってきてね?今が旬って事?まあいいや。もしかして 暇なの?居場所がないの?才華と絵理は追求をしているが、陽斗は助かったと大喜びでお茶逃げした。
生徒会A(行くところ?在りますよいっぱい。回りきれなくて大変なほどに。)
生徒会B(そうです。いっぱい回って、活動を把握しながら規制したり提案したり です)
生徒会C(私はここだけですよ陽斗様!)
絵理(ええっ!・・この人暴露っちゃった。罪を被ってもポイント取りに来たよ。)
生徒会A(いえいえいえ、3人共ですよ!3人。はっきり言ってここにすべてをかけて ます。)
絵理(そっち?否定じゃなくて肯定なの?罪悪感まったくねぇー)
陽斗(ありがとね。それなら生徒会の責務を守りつつここにおいで。いつでも歓迎するよ。)
生徒会A(はい!もはや男子部を守る事こそ重大な責務と感じていますので・・大丈夫 です。)
陽斗(あははは。)
あーなんだが最近変なのまで増えちゃって、とってもこの先が不安だよ。あの生徒会3人組は先日の勢いだと、毎日でも来そうで・・なんか邪魔!あんなのが来ていたらうちの部活は?えっと・・何遣るとこだっけ?やる事まったくねぇ!むしろ時間つぶしに丁度いい存在になっちゃうじゃん。
なんでじゃーと、一人悶絶している絵理であった。あー・・ん?なんでしょうか、ちょっと目まいがしてますよ?少し・・揺れてます。それでもやっと部室に辿りついて、う~んとうなってしまうどうしちゃったんだ私?
才華(絵理?なんか顔色が悪いわよ。まさかの拾い食い?)
絵理(なんで?しないよ拾い食いなんて・・なんか、ちょっと目まいが・)
陽斗(大丈夫かな?具合が悪いのなら保健室に行ったほうが・)
絵理(あ・・い、いえいえ、大丈夫ですよ大丈夫!)
才華(大丈夫じゃなさそうよ。私が保健室に連れて行きます。)
陽斗(僕が連れて行くよ。途中で何かあっても何とか出来ると思うから。)
ああ~、陽斗!やっぱりあなたは陽斗なの?ちょっと違うな、私こんなキャラ違うし。 絵理は考えていた・・そんなくだらない事までも。どうして体調が悪くなったのか?あ~完全に寝不足だなこれは。昨日もちゃんと眠れなかったもんな、なら行くか保健室。
陽斗・・顔が見れなくなるのは残念だけと、わたしゃ行って参りるよ?おおっと、目眩で倒れちゃうのか?天上が見えたぞ。
陽斗も見えた!っていうか、何抱っこしてんの?これお姫様抱っこだろ!えっー私そんなに軽くないって!めっちゃ抱っこ状態じゃん。そんな絵理は必死に陽斗を見ている、陽斗は絵理が暴れないようにと顔を優しく近づけている 。ああ、陽斗。私を抱えているのに、そんなに優しく涼しい顔で・・おまえ!どんだけマ ッチョなんだよ!ここでも絵理はとっても忙しい。陽斗と初めて会った時、とっても可愛い男の子のイメージがこんなにも逞しい人だとは知らなかった。
それに保健室まではかなり遠いのに、途中からとかそんな事はまったくなく最初から抱えて行く人なんだと。もはや絵理は陽斗の腕の中に溶かされているようであった。
そして、保健室のベットにゆっくり優しく静かに置かれた。陽斗の顔がそばに・・抱きしめちゃっていい?いいよね?絵理は心の中の天使に訴えていた。
それって・・天使より悪魔のほうじゃない?罪や残悔の方向なんだけど、悪い人の中に天使が含まれるのは絵理らしかった。
自分の行動を確認するぱ先程の抱っこ中に、陽斗の胸にスリスリとすがってたのはアリか ?ばっちりマーキングしちゃっただろ。
陽斗(どうかな?我慢はいけないよ)
そこで声を掛けて来た陽斗は、ベットの端に座って絵理を見つめている 。絵理はここまで抱えて来て貰った事に動揺をしていて、陽斗の顔から少し目線を外して いる・・と、うわっと!手、手握ってますよ旦那。
そして陽斗は落ち着くまでここに居るからと言って来た。落ち着くか?手を握られてもっと動揺したわ!私の純情は木っ端微塵に砕け散ってるよ。
そして自分の心臓の音が、大きくなっていっている気がした。どんどん大きくなって、陽斗にまで聞こえているんじゃないかと・・陽斗の手が絵理のひたいに触った(ちょっとだけと熱もあるみたいだ)その犯人はあなた!他を触ったら大爆発だからね。
陽斗(いつからなの?昨日は、元気そうだったけど・・)
絵理(さ・・最近ちょっと夜が眠れなくて、昨日も・・)
陽斗(そうなんだ。なにか心配事でもあるのかな?僕でよけれは・・聞くのは構わな いよ)
絵理・・・
陽斗(・・話しずらいのなら、才華ちゃんにでもお願いしてこようか?)
絵理(・・!・・いえ、ぶ、部長!私・・ぶ・・部長・・)
そこで絵理は部長の名を呼んだら、何かが抜けて行った気がした。何?消えた?今度は何かが押し寄せている。意味も解らない衝動に・・そして押し潰さ れようとしている。絵里・・陽斗の知っている絵理の笑顔は、満開の梅の花のように楽しそうに笑いながら咲く。
その梅の花はこぼれるように散るのも・・陽斗は絵理をちょっとだけ抱き起こした。そこへ絵理は紡いぐ・・
絵理(見つけられない、何も見えなくて何も解らなくて?どうしていいのかも・・) 絵理は陽斗の腕の中へ子猫のようにうずくまった。
絵理(このまま?解らないままが不安で、心配で・・だけど、どうしようもな くて・・)
陽斗(ごめんよ。でも・・頑張って!僕は絵理と一緒に進むって決めたんだよ)
絵理(えっ?)
陽斗(僕は絵理を選んでしまった。絵理を連れて行きたいと、そう思ったから。)
絵理(陽斗・・私でいいの?私でいいのね?)
陽斗(ああ、そうだよ。この先は僕にも見えはしないけど、そばに居てくれ!君を離したくない。)
そして絵理は陽斗と何度も呼ぶ、陽斗は呼ばれるままに顔を近づけ不安を共にと優しくキスをした。見つけられずに捜せなかったモノがここに・・先の事は解らないけどでも離したくないと言うのなら、私はそばを離れたりはしない。ここが私の居場所にすると決めたから。
その頃才華は保健室に行った2人を気にしていた、絵理・・貴方は一緒に来ないの?最初は貴方か選んだ道なのに・・私達は、まだ始まったばかりじゃない。何も解らなくて・・知らないままなんて絶対にイヤだから、知る事から逃げたりはしな いわ。後は・・陽斗が居るから、なんとかしてくれるわよ陽斗なら。
そんな今日という日はいつもより長かった。進む時間が遅いと長く感じるといわれるけど、時間の立つのが早いと思っていても・・やっぱり長く感じた日なのである。いつも早めに終わっているお店が、しまうのを忘れたかのように・・はい!終了。
登ったよ・・大人の階段。絵理は、私もやるねぇムフフ・・おょ!折角昨日に登ったばかりなのに、落ちそうになっのに焦りながら。
だが才華にはバレないようにしなきゃと、目を泳がせつつ様子を伺うと・・思わず目があ って、げっ!と思って又目を逸らしてと忙しそうにやっていた。才華しゃん・・あたしゃ遣ったよ!勝ったねこの勝負。もはや誰だか解らないくらいに喜んでいた・・。
才華(絵理・・もう大丈夫なの?・・大丈夫そうね。)
絵理(ううん、もう大丈夫!昨日はいっぱい眠れたから。心配おかけしました!)
才華(・・良かったわね。でも・・アキには驚いたわ。ここから絵理を抱えたまま、保健室まで行くんだもの)
ねーほんとびっくりだ。・・ん?い・・今、アキって呼び捨てにしなかった?聞き間違いじゃないよね今のは。
才華(どこにそんな力があったの。鍛えていそうな腕でもないのに・・)
康一(ああ、ほんとだよ。オレだってあそこまで行けるか解んないのに・・)
陽斗(そうなの?それよりみんなの僕の評価が、以外と低いんだね。)
才華(それはだって・・マッチョみたいな体はしてないから、みんなもそう思っている はずよ)
陽斗(僕はね・・脱ぐとすごいんだよ)
康一(そんなわけねえ!っていうか、脱いだだけでそんなに変わるもんでもねえぞ!)
そこで陽斗はあはははと笑っている。確かに・・絵理はそんなに太っているほうではないにしろ、身長はそれなりにあるのだから、40キロ以下ではないはず。その絵理を顔色も変えずに、保健室まで運んで行ったのはさすがに驚きを隠せない。そこで自分の体重を知っている絵理はなおさらだ。ここには本当に王子様が居ると・・いやいやそれはそれ!さっきの才華ちゃんは無視しちゃダメよ。お・・おかしいよ、何かがおかしいって。は~ん・・これって女の感ね。非じょーーに臭うわ。
私のセンサーがビンビンはねてるよ!その前まではねていなかったのは無視なんだ・・ 。すんげぇ考えるぞ絵理!おかしいって・・ど・・どこから?いつからなのこの閉鎖空間!いや・・そんなのありませんけど。誰が呼んだの問題児!だから誰もよんでませーーん。なんか面倒くさいよこの人。 ん・・ん?ろ・・ロンロンルーレット?み・・私も見てるよそれ!あれ食べた時に何処かでみたなーって思ったんだよ。イヤ・・先週にそんなの食べたけど、見たのはずっと前?そうそう、駅のとこに新装の 旗があって・・変なの出来たなーって・・GW明けだった。
そうそう明けてた明けてた・・その週末にいきなりマラソン大会があって、陽斗が賞品?写真はお断りになってて、プリクラに行こうって誘って・・貰った時に見た!いや・・まてまて。その時に陽斗が見たの?それで才華に買って来て貰ったの?陽斗が遣りそうな遊びじゃないよね。だって・・食べ物ってことは、沙世さんがうるさいわけで・・才華か?才華だとしても、駅とは反対の方角に家があるから・・それって何時知った?ここ数回の週末は一緒だったので・・マラソン!あのマラソンの日。あの日以外は、私は駅前を通って帰ってるもん。プ・・プリクラに2人で行ったのを・・つけられてるぞこれ!
何か見えた!いやチラッとの何かが・・ちょ・・チョコ?チョコを陽斗から最初に貰っ た時、才華にあ~ん!あれでさえも私は驚いたよ・・のに、もうあの時には才華は普通にしてたよね?
ま・・マラソンの直ぐ後じゃん間違いない!解ったぞって思っている所へ(陽斗がはい!あ ~ん)・・まいっかどうでも。今日も呑気に過ぎていく・・わけないじゃん。ほらヤバイの来た!
生徒会A(えーーと、ですね。昨日子豚を運んでましたよ情報が入ってきまして・・)
絵理(誰が子豚だ!なんでそんな未確認なものになってるの?私は大変だったんだよ)
生徒会A(子豚って絵理さん?絵里子豚さん?)
絵理(誰が子豚だっての!なんか似合ってるじゃない絵理子豚。定着しちゃいそうじゃん。)
陽斗(あはは。ちょっと昨日は絵理ちゃんの具合が悪くなっちゃって・・運んで貰ったんだよ)
生徒会B(えっ?陽斗様みんな知ってますよ!陽斗様が凛々しく抱えていったのを・・ 素敵です。)
絵理(知ってんじゃん!私を子豚に変えて無かった事にする気か!トンズラか?)
才華(旨い事言ってそうで、ちょっとはずしたわね。)
絵理うぐっ・・
生徒会C(いつか私たちも・・是非!)とグッジョブ的な仕草。
絵理(何しにきやが った!)
用件は・・ちゃんと在った・・みたいだ。それは夏の合宿の時期をおおよそでこのへん ?休みに入って直ぐは・・宿題を遣りましょうみたいな感じらしくて、8月の始め!その辺なら海にクラゲも少なくて、キャッキャッウフフしやすいのかな~なんの合宿だ?ただのバカンスになってんぞ!そんな打ち合わせにきたらしい。こいつら絶対暇だ! むしろ暇しかねえ。しかし、なんだかんだ言っても海につきものなのは・・水着ですよね。高校に上がったわけで・・新しいのを買っちゃおうかな~と、理恵は考えていると・・扉をノックして来た人がいた。
またしても新たな登場人物か??・・それは現生徒会長の山科弥愛であった。
山科(おっと、皆も来ておったのか。それなら私の用事は急ぎではないので日を改めるか。)
陽斗(そうですか?急ぎでないのなら、こちらでゆっくりしてはどうですか?)
山科(いや、しかし。他のとこに用事がないわけでもないので・・)
陽斗(僕は会長さんの顔が見たいと思っていたので、タイミングが良かったのです けど・・紅茶でもどうです?) 山科(まぁーあれか。あまり早い時間でもないから、他もそろそろ終わりかも知れな いし、今日は・・)
そんなわけで、ここで落ち着いていただく事にあいなりました。会長さんも3人衆と用件は同じで、合宿の打ち合わせを煮詰めにきたらしい。ちょっと居心地の悪くなった3人衆はそろそろ・・とお帰りあそばした。
その合宿の内容を煮詰める・・煮詰めるとこあんのか?ただのバカンスになってたよ。そこは会長さんとしては時間のある3日間を、ただ海に浸かっていても仕方ないので何かのイベントをしたいのだ。そんな海のイベントと言えば肝試し。なんで?そこは合宿ですのでちょっと危ない系は止めましょう。スイカ割り・・はい、ダメ!遠泳も・・
ならばこれだ、半日近く時間がつぶせるビーチバレー・・ぽろりじゃなくてどばって出ますがいいんじゃね?1試合が30分近くはかかるから、2セットならば1時間。8チ ームになると7試合するので1試合30分ちょっとで、4時間ほどが消費出来る。
その1セット30分で4時間の消費!30分ならそんなにひどく日焼けもしないからそっちの選でよいかと。よいでわないかよいでわないか・・それってやっぱり水着を買おうと心に決める絵理であった。そこで突然陽斗が(会長さんの水着が見た~い)から、プレゼントさせて下さいと成った。
そんな今日は買い物へと来ています・・プップー!そこはどんなメンバーかと言えば、陽斗を中心に沙世・才華・絵理・生徒会長・・なんだこのメンツ?
そして買い物の目的は、夏の海合宿用?の水着である。ここに沙世が同席しているのは 、陽斗の強引さといえよう。いつものように一色家に報告とばかり夏の合宿の話をしに来て、数日の宿泊やら食事やらでいつのまにか一色家の別荘を使う事になった。
場所は葉山でマリーナもすぐ近と好条件である。食事は沙世が手配します・・じゃあ一 緒に来るんだねと・・陽斗はゴリ押しして水着も買いに行こうよ・・テヘ。
その日沙世は結局押しまくられて、食事は沙世と従事者数名でまかなう事となった。それでは水着(私も着るんですか?)と沙世。その陽斗は、よいではないかよいではなかと・・僕が買ってあげるよ・・で、ここに今居ます。
沙 世(ほんと申し訳御座いません・・ご迷惑おかけ致します)と、おっしゃってますが、 一色家の車で移動なので、とっても楽である。しかし・・静か・・過ぎません?
沙世(あっ・・ごめんなさい陽斗さん・・)その会話にボケっとしていた才華と絵理は 、緊張した顔で2人を見た。
陽斗(大丈夫?沙世)それからしばし・・き・・気まずい・・沙世は大きくふぅーとため息を吐いて、俯き加減だった体を少しずつゆっくりと起こして・・あれ?なんか上から目線に・・
沙世(それじゃあダメでしょ!陽斗。この狭い車内で触れ合った2人が、嬉し恥ずかしの純情カップルモードだったのに、そこでのリアクションが今いちよ)
絵理(えっー何でそんなの使ってんですかー)
沙世(う~ん・・なんとなく雰囲気が暗かったから・・かな?ここで盛り上げたかったわ)
才華(盛り上げる・・必要だったんですか盛り上げるの?)
沙世(当然ね。きのうの陽斗の嫌がらせで、私は落ち込んでいたから)それ、何を遣ったんですかと2人が聞く。
そこはあったねー合宿を強引に参加させ、水着を着なさいという嫌がらせ・・沙世さんは、ボ イ~ンを見せたかったんじゃないのですか?別にそんな事はありません!たまたま出ちゃっただけです・・だって。
沙世(他にも・・もう一つ。陽斗!もっと回りを気にしなさい。何故昨日も一番最初に私のところへ来たのですか?由紀奈のところに、何故最初に寄らなかったのですか?)
陽斗(ああ・ごめんね。つい、由紀奈はこっちマークの反対に沙世が居るって思っ てて・)
絵理(ふぇっ、なんですかそのマーク!売ってませんよね絶対。)
沙世(そうそう、フフ・って、せっかく誘導しているのにそれじゃ台無しじゃない。由紀奈にもちゃんと・)
陽斗(解ってる、ちゃんとするよ)
沙世(・・由紀奈は、じっと健気に陽斗を待っているんだから、ちょっとくらいはね。)
絵理(さ・・沙世さんも待っていたんじゃないんですか?)
沙世(私は・・陽斗をGPSで監視していただけよ。私の身を守るのに。)
絵理・才華(ええっーそうなんですか?)
沙世(ええ!だから私は陽斗が来るのを知っていたわ。そしてこっちマークをあっちこ っちに・・)
絵理(それが仇になって逆手を取られてしまったと・・)
沙世(いつのまにか大きくなって・・これ却下!ちょっとつまんない!)
絵理(なんでですかー今日はかなりブラック入ってますよ!)
沙世(そうよ。私をただのメイドだと思ったら大間違い!今日はブラック沙世!ブラックブラックー)
絵理(それただのガムですから、全然違うブラックです。)
沙世(フッ、さすが絵理、中々遣るわね。でもね・・私は後2回の変身が可能なのよ!)
絵理(へ、変身って何ですか?何に変身するんですか?)
そこを無視して沙世は突然!・・携帯をいじりはじめた・・電池が切れそうと言いながらメールを見ているらしく・・返信は無理ねと。
絵理(そっち?返信はそっちなんですか?まさかの変人ーー)
沙世(由紀奈からメールが来ていてこの携帯の電池切れを心配してるわ。もう手遅れな のに・・充電して貰わないと)
絵理(えっと・・はい!質問)
沙世(はい、恵理子豚さん。)
絵理(なんで知ってんですか?誰が情報源ですか?全然ブタじゃないですよ)
沙世(・・じゃあ、イベリコさん?)
絵理(それ本物です。言い易いので正解と感違いしそうですけど、そんな正解ない! ブヒー)
沙世(あははは、ほんとに面白い子。それでなにかしら?)
絵理(プッ・・由紀奈さんに携帯を任せているんですか?)
沙世(ええ、携帯もだけど色々細々したもの、ほとんどかな。)
絵理(えっ・・そ・・それって逆バージョンですよね?沙世さんお世話係りのはずですよね?)
会長(そ・・それは私も思ったよ。主従が代わっているみたいな・・)
沙世(・・そうね。陽斗、ちょうど良い機会だわ。合宿の事もあるから説明しまし ょうか)
陽斗(そうだね・・沙世は、由紀奈のお姉さん!一色沙世さんだ。)
えええーっとみんなで驚いた。絵理は(なんだこいつバズーカどころか核爆弾か?回り全員即死だろ!)とんでもねえ隠し弾出しやがったぜ。どうなるの?これから・・
沙世(由紀奈はここ数年は、私の身の回りの世話をしてくれてるの。とっても助か るわ・・)
絵理(沙世さんには、従者は居ないんですか?)
沙世(由紀奈が遣るから・・他の人に任せるのはイヤみたい。お風呂・・着替え・・)
絵理(着替え?自分で着替えないんですか?)
沙世(ええそうよ!全部おまかせ。)
絵理(ぜっ・・全部?全部って全部ですか?下着とかまで?)
沙世(そうだぴょん!)
絵理(なんで可愛く言ってんですか?出来ないのを誤魔化せませんよそれ!)
沙世(うっ・・フッ・・フフフ。これが4回目の変身!むしろ本体そのものよ。)
メイドなのに料理だけ?まさにハンドメイドだ!全然旨くねーなんかめんどくせーよこの人。このメイド服も自分じゃ着れないって事でしょ?今まで何遣ってた。その着替えも出来ないって・・あれ?つい最近洋服の買い物とか行ってたよね?行って たよ・・
絵理(ちょっとまったー!。思い出すのにも困らないくらいつい最近、洋服を買いに行 ってますよね?)
沙世(ええ、行ったわ)
絵理(その時に・・確か・・下着も買ってて・・着替えましたよね?)
沙世(着替えたわ。洋服は由紀奈に教わって・・下着は前空きの簡単な・・ポンとはじけたわ。)
絵理(うわっ・・それか!それでバズーカの発射か・・大変な迷惑だよ。)
それではみなさん!と沙世が言って、喉を潤しタイムとなった。ワァオっ!何処から出て来たのそのクッキーと絵理が思っていると、はい!って沙世が配っている・・食べ物関連は完全にメイドモードなんだ・・。
ん?何気なく沙世と陽斗を見ると、沙世が半分食べたクッキーを陽斗の口に運んで、繰り返してるよそれ!2回やれば1個食べのと同じなわけで・・なんなの?絵理も才華もその行為に食い入ってみてしまう。ついに絵理が疑問を投げた・・
沙世(ああこれ!ちょっと癖になってるの。陽斗は食が細いから食べさせないと、直ぐに辞めるのよ。) こりゃ完全に餌付けだと理恵は思った。そこは才華もこのままではまずい状況と感づいて、沙世と陽斗を真剣に注目している。その2人の視線に気づいた沙世はフッと笑った。二人の目線は真っ直ぐだ!どこまでも飛べそうだと言っている・・いつか眩しさに目を焼かれ、飛ぶその先が見えなくなるかも知れないのに・・
沙世(貴方達は本気なのね?)
絵理・才華(はい!)
絵理(私は陽斗さんが・・大好きで・・不安で・・解らなくても、一緒に居ていいって言ってくれたんです。)
才華(わ・・私だって、くじけそうで離れそうだったのを、手を引いて隣に立たせてくれました。)
沙世(そう・・貴方達は陽斗を信じているのね。)
絵理(信じます!何もかもが大丈夫ではないけど・・きっとなんとかなると・・)
才華(無理・・だと思ってた一歩を・・やっと踏み出せたのですから・・行きたい・・)
沙世(そう・・それなら、もう少しこちら側に来てもらおうかしら。)
絵理と才華・・・
沙世(さあ、貴方達も私の隣で同じ土俵に立つのよ。ここからは、私も本気だから・・油断して ると・・死ぬわよ。)
これ、来てるよー来ちゃったよー危ないよこの人!言っちゃいけない事平気で言っちゃてるモン、超ヤバイ。
沙世(それと注意しておく事があるの。呼吸を忘れると・・ほんとに死ぬから。)
その話を聞かなきゃいけない絵理と才華は、ここで深呼吸をいっぱいしはじめた。
沙世(そうそう、沙世と陽斗の出会いぷちラブストーリーもあるけど聞く?)
絵理(あっ・はい!パスいち。まったくいりません。)
沙世(潔いよわね・・むしろ清々しいわ。)
才華(聞いてて直ぐムカっとくるのでいりません。)それに沙世は笑っている。
沙世(私と陽斗は、この通りで婚約もしていたわ。ある時まで・・私の想いが誰にも譲れないモノと解ってはいたけど、陽斗への由紀奈の想いもけっして劣らないものだったわ 。私は・・陽斗も・・由紀奈も!比べるもなく好きなのよ。だから・・由紀奈なら、由紀奈には幸せになってほしくて、二人を結ばせたかった。一色家の意向は反対なのだけれど、私と由紀奈の歳の差がここで旨く捗る手はずなの。2人が18歳になった時は、私は成人して一色の後を継いでいる。)
沙世はそう言いながら、飛べなくなったのは自分・・眩しくて目を焼かれ・・地に伏し たのだと・・それを思い出していた。それはどんなに空が青くても、もう飛べないのだと・・
そこでふと沙世は車の窓の外を見ながら(もうお店に着いたみたいなんだけど・・何回か回りを回っているわね)
おっと、なんだこの展開!話は終わらないしとっても中途半端じゃん 。なんでこーなんだ!責任者出て来いって絵理は怒っている。だが取り合えず車から降りて、 目的地で目的の物を買ってしまう事にした。
そして絵理と才華は早々に試着を終え、沙世さん遅いなーと思っていると手伝っていた陽斗がこっちに来たので様子を伺う。
絵理(ずい分と時間をかけてましたけど・・合うサイズが無かったのですか?)
陽斗(最初に持って入ったのがちょっと大きくて、うまく確認が出来なくて・・)
絵理(確認?確認って何ですか!?な・・何を確認したんですか!?)
陽斗(きつ過ぎると後がついたりで良くないので、肌と生地の隙間が小指の太さの半分ほどで・・すっと・・)
絵理(隙間!!その隙間に小指を入れたんですか?な・・何か指の先に当たりませんで したか?)
陽斗(当たるの?何も当たらなかったけど・・なんかとっても柔らかくて・・)
ちっ!あんにゃろー又なんか変な事しちゃてやがる。隙間の確認なんかあるか?知るかコンニャロ!怒っている絵理の横にいた陽斗は会長に声をかけ、試着の手伝いへと行った。
そしてデザインは気に入ったのがあったらしく、後はサイズと色あわせに成った。それで試着が終わった会長はというと・・ちょっとボーっとした感じになっている。どうかしましたと絵理が聞 くと・・
会長(水着あわせも色々と大変だな。間違いのないように確認と言われても・・よく解らん)
絵理(し・・したんですか確認!隙間に指をすうっと・・すうっと行ってコツン!みた いな。)
会長(す・・すうっと来て・・コ・・コツンだな。)
絵理(あちゃー。ここでコツン来ちゃった。どんだけ際どい水着?隙間から先っちょが近すぎ!)
この会長・・この手の事は全然疎いから、何があっても自由自在だな。それこそ脱がしても解んな いかも?
陽斗(会長さん、先ほどの水着でこちらのほうが色合いが少し明るいです。こっちのほ うが合いそうですよ)
会長(そ・・そうなのか?春日が言うなら間違いない!それにしよう。)
あれ?もしかしてここでもフラグ?言われたら試着もせずに決めちゃうっておかしくね?絵理センサーはバリ3だ。
これで一応は買い物が終わったので帰路に着くのだが、この機会に寄りたいと陽斗が行きたがったスイーツ屋さんへと行く。沙世曰く、自分で食べてもいないお店に連れて行くのは、あまり良い事でないと言われている陽斗の目的は隣の小物店である。
以前から収集している猫グッズの、ビック猫人形があるらしい。それを猫大好きな沙世にプレゼントするのだが・・女子全員一致で、ビックになったら可愛くない!しっかり外していました。
絵理は見た!いつのまにか会長にもプレゼントを買っている・・水着もプレゼントー ーと、肉にくしく思っていたら私も水着は買って貰ってたんだ・・テヘ!
女達は眩しい海辺で陽斗を誑かす・・じゃれる夢見に抉れるが、筋肉を欲する陽斗はがっつりと汗まみれに胸が高鳴る。そんな危険な明日はどっちだ。