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夜の公園

 同じころ、ジョナサンたちはレッド地区を手分けして調べていた。1時間半ほど各々調べた後、4人はアマーストが幽霊を見たという公園の前で落ち合った。公園では、学生らしい若者が騒いでいた。ジョナサンは面子が揃っているのを確認してから、尋ねた。

「どうだ、なにか違和感はあったか?」

「残念ながらありませんでしたね」

 髪をかき上げながらそう言ったアリーナを始めとして、グロリアとユキナリも報告した。

「別に怪しいところなんてありませんでしたよ」

「こちらもだ。なにか幽霊につながりそうなものは見つからなかった」

「そうか。まあ、いい。全員揃ったところで、四隅からこの公園を見張ろうぜ」

 頭をかきながらそう言ったジョナサンに、アリーナが賛同した。

「そうですね。公園に関するものが、今回の件に関係しているのかもしれません」

 彼女が素直に、団長の意見に従うのは珍しい。ユキナリとグロリアは、今夜は事件が起きそうだと思った。それからハッとしてグロリアは言った。

「えっ、四隅ってことはそれぞれひとりずつってことだよね。ヤダ、怖いもん」

 感情を隠そうともしない彼女を見て、ユキナリが少し考えてから答えた。

「では私が、グロリアの一番近い角にいよう。もしもの時は駆けつけるぞ」

「ありがとう、ユキナリさん!」

 そう言いながらユキナリに抱きついたグロリアを、ジョナサンは冷ややかな目で見た。

「グロリアも十分強いだろ。あんまりユキナリを困らせるなよ」

「いいじゃないですか。ユキナリさんが自発的に申し出てくれたんですから」

「わかったわかった。ただしビビって、監視を怠るなよ」

「はーい」

 地図をなぞりながら、アリーナは指示を出した。

「ではグロリアは、入り口に一番近い北の角にいてください。そこから近い角は東ですから、ユキナリはそこですね。私は西にいます。ジョナサンは、残った南ですね」

「なんだよ、俺は残り物かよ」

 不満をあらわにしたジョナサンを、アリーナは諭した。

「あなたは団長でしょう。奥でドンと構えるぐらいがいいのではないのですか?」

「おお、そういうことか。それならば任せとけ」

 この人は相変わらずだとアリーナは思ったが、顔には出さなかった。気分を良くしたジョナサンが、号令をかけた。

「よし、各自配置につけ。なにかあったら笛で知らせろ」

「はい」

 アリーナとユキナリ、グロリアは、声を揃えて返事した。

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