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第54話 それは多分なおみ

 俺は魚介系の食材を手に入れるため、多摩川ダンジョンの下層を探索していた。

 何度か階段を下りたので、現在は地下13階か14階あたりまで来ているだろう。


「多摩川ダンジョンは地下15階までしかないものの、必ず水中を通らなければならないため、割と攻略が難しいダンジョンとされているみたいです」


〈普通は水の中で魔物と戦えんもんなw〉

〈ダンペディア見てもほとんど情報が載ってない〉

〈攻略難度って、単にダンジョンクラスだけじゃ測れないってことか〉

〈ダンジョンのクラスって、完全に深さ基準だしな〉

〈不人気ダンジョンなわけだ〉

〈だから受付が驚いてたのか〉


「お、なんかこっちに近づいてきますね」


 相変わらず水中を泳ぎながら食材になりそうな魔物を探していると、向こうから大きな影が接近してきた。


「あれは……サハギン?」


〈下層でもサハギン出るんや〉

〈はいはい瞬殺瞬殺〉

〈またニシダに殺されにきた?〉

〈美味しくないやつは要らん〉

〈サハギンにしてはちょっとデカくね?〉

〈デカいかも〉

〈いやめっちゃデカい〉

〈デカすぎんだろ……〉


 猛スピードで突進してきたのは、通常のサハギンの7、8倍くらいはありそうな巨大サハギンだった。

 ちなみにサハギンの大きさは小柄な成人男性くらいだ。


「キングサハギンですね」


〈サハギンの最上位種!?〉

〈威圧感半端ねぇ〉

〈こいつは食えるの?〉

〈サハギンはサハギンだから不味いんじゃね?〉


「いえ、サハギンより断然美味しいです」


〈美味いんやw〉

〈強い方が美味い法則www〉

〈正直食べたくはない〉

〈知らずに出されたら食べるかもしれんけど見ちゃったらなぁ〉


 手したポセイドンが持ってそうな三又の槍で攻撃してきたが、俺はそれを包丁で弾いた。

 キングサハギンはすぐ脇を通り抜けていく。


〈あの槍、トラウデンだっけ?〉

〈それは多分なおみw〉

〈トライデンじゃね?〉

〈トリンドルだって〉

〈トライデントやろwww〉


 キングサハギンはUターンし、再び躍りかかってくる。

 どうやら水流を操り、それに乗ることで速度を高めているらしい。


 俺は包丁の一閃でその首を刎ねた。


〈やっぱ瞬殺で草〉

〈最上位種でもニシダには敵わないのか〉

〈ニシダは人間の最上位種だからな〉

〈食材として持ち帰るのかな?〉


「そうですね、一応持って帰ろうと思います。通常のメニューでは出しませんが、もし食べたい人がいれば注文してみてください。裏メニューとして提供しますので。少しクセはありますけど、人によってはイケると思いますよ。無くなり次第終了ってことで」


〈怖いもの見たさで食ってみたい気も〉

〈珍味系かな?〉

〈割と注文殺到しそう〉

〈結構な量ありそうだけど、すぐ無くなるんやろな〉


「それにしても、実はさっきからずっと探しているのですが、なかなか目当ての食材が見つかりませんね。多分いるとは思うんですけど」


〈目当ての食材?〉

〈どんな魔物やろ〉

〈ニシダが探してるってことは美味いんやろな〉

〈間違いないw〉


「む? ……あっちの方で、ちょっとそれらしい反応があったので行ってみようと思います」


〈なんか索敵系のスキル持ってるんかな?〉

〈多分そうだろ〉

〈でも詳細までは分からない感じ?〉

〈索敵範囲にも限界あるだろうしな〉

〈下層は広すぎるからねぇ〉


 やがて巨大な岩礁が見えてくる。


「いますね。あの岩に張り付いています」


〈どこ?〉

〈全然わからねぇ〉

〈いないじゃん〉

〈何もねぇし〉


「はは、かなり上手に岩肌に擬態してますので、ぱっと見ではなかなか分からないと思います。ちょっと攻撃してみますね」


 俺は拳を突き出す。

 すると水中で衝撃波が発生し、それがターゲットを直撃する。


「~~~~~~~~~~~~~~ッ!?」


〈動いた!?〉

〈デカっ!?〉

〈何だこいつ!?〉

〈イカだ! 巨大な以下っ!〉

〈思ってたより巨大でチビッたんやが〉


「クラーケン……美味しいイカの魔物です」


〈食材だああああああああ〉

〈こいつを探してたのか!〉

〈美味そう〉

〈じゅるり〉

〈クラーケンを食材としてしか見てなくて草〉


 クラーケンが俺に気づいて躍りかかってくる。

 その長くて太い足を絡みつけようとしてきたが、


 ズバズバズバッ!


 全部斬り落としてやった。


〈やはり瞬殺〉

〈食材の分際でニシダに歯向かおうなんざ〉

〈さすがはキッチンザムライ〉

〈って、足がないのに逃げてくぞ!?〉

〈しかも速い〉

〈マジか、身体だけであんなに速く泳げるんか〉


 逃げようとしたクラーケンだったが、もちろんそうはさせない。

 俺は水魔法で渦巻く水流を作り出すと、クラーケンをこちらへと押し戻す。


「はい、おかえり」


〈水棲の魔物が水中で陸上生物に手玉に取られとるwww〉

〈絶望のクラーケン〉

〈せめて足があったらなぁ〉

〈初手で全斬りされたからどうしようもないw〉


 そうして食材を探し続け、配信スタートから2時間くらいが経った頃。


「……さて、良い感じで魚介系の食材がたくさん手に入ったので、そろそろ地上に戻ろうと思います」


〈お疲れー〉

〈貴重な水中ダンジョン探索が見れて楽しかったぞ〉

〈やっぱケンちゃんネルは断トツで好きだわ〉

〈ハズレがない〉

〈そうか? 今日はちょっと物足りなかった気が〉

〈これで物足りないとか期待値高すぎだろw〉

〈貴重な水中下層探索だったのにな〉

〈おいおい、お前らニシダだぞ? これで終わるとは思えない〉


「今いるのは地下15階。同じ階にボスの部屋があるはずなので、ついでにボスを倒して転移ポータルで帰ろうと思います」


〈やっぱりwww〉

〈予言者すげぇ〉

〈てか、さすがニシダ期待を裏切らないwww〉

〈ついででボス倒すとか草〉

〈またボス倒すのかよこの人w〉

〈まぁクラス3ダンジョンのボスなんてSランカーからすれば余裕余裕〉


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外れ勇者1巻
4月24日発売!!!
― 新着の感想 ―
[良い点] 会話が多いのにもかかわらず物語全体で一体化していて、ひきこまれます! [気になる点] 次の話が読みたくなる作品でチェックはかかせません! [一言] 無理なく身体を労って、長く続けてくれたら…
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