エピローグ
数年後の春の夜、涼と美咲は再びあの公園に訪れた。桜の花が満開で、夜空にはあの時と同じように月が輝いていた。
「覚えてる? 初めてここで一緒に過ごしたときのこと。」涼が言うと、美咲は幸せそうに頷いた。
「もちろん覚えてるわ。あの日から、たくさんの思い出ができたよね。」美咲は柔らかく微笑んだ。
涼はポケットから小さな箱を取り出し、美咲に見せた。「今日は、あの夜の約束をもっと深いものにしたいと思って。」
美咲の目が驚きと喜びで輝いた。「これは…?」
「はい、プロポーズの指輪です。」涼は緊張しながらも真剣な眼差しで言った。「美咲さん、これからもずっと一緒に人生を歩んでいきませんか?」
美咲は涙ぐみながら、うれしそうに笑った。「はい、もちろんです。」
涼はゆっくりと指輪を美咲の指にはめ、二人は再び月の下で手をつなぎながら歩き始めた。桜の花びらがふわりと舞い上がり、二人の未来を祝福するように見えた。
「これからも、ずっと一緒に。」涼は穏やかな声で言った。
「はい、ずっと一緒に。」美咲も優しく応えた。
公園のベンチに腰掛けながら、二人は静かに月を見上げた。その光は、彼らの愛を照らし続け、これからの未来を明るく照らしていた。