表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

プロローグ

 人の気持ちを感じる瞬間は日常のなかに沢山ある。

 忙しそうな相手を手伝ったときは、ほっとした気持ちが空気に漂う。喧嘩している友達は、顔が見えなくても近寄りがたい雰囲気をかもし出している。


 その感受性は多くの人が持っているように思う。そして、気持ちが分からない相手には親しみ難い。だから、感情表現は積極的に行うべきなのだろう。負の感情以外は、表に出したほうが良いはずだ。


 しかし、それも一般的な範疇の話だ。宮城真琴みやぎまことのそれは少し極端だった。

 彼女は感情の機微を表情に宿らせる。顔の筋肉が柔らかいのか、造形が特別なのか分からないが、普通より表現の幅が広いのを感じる。それは、何も言われずとも気持ちが分かると、見ている側が錯覚するほどだった。


 そんな彼女だから周囲には自然と人が集まった。けれど、実際はほとんど取り繕った表情であり、素顔を見せることは少ないのだと、俺は最近気が付いた。

 あまり自分のことを語らないので、俺が彼女について知っているのはそこまでだ。つまりは、とても表情が豊かな少女、と言えるだろうか。


 けれど、それは良いことばかりとは限らない。

 その美点は、ある疑惑と隣合わせになっている。時として自分を害することだってある。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ