実家からの手紙
私とガロンさんが思いを通じ合わせて数日後。
私は、悩んでいた。
『ラファリア、難しい顔をしてどうしたの?』
「……アギノ」
今日も闇獣の世話係として、アギノに歌を歌った。
いつも通りの日常だ。
『ラファリアを悩ませるやつなんか、ボクのパワーでやっつけちゃうよ!』
「ふふ、……ありがとうございます」
得意げに紫の瞳を煌めかせたアギノの頭を撫でる。ごろごろと喉を鳴らしている姿は、とても愛らしい。
『それで、どうしたのさ?』
「実家から手紙が来まして。一度、実家に顔を出さないかと」
アドルリアの実家には、花奏師の引き継ぎの件で呼び出されたときも帰っていない。
闇獣の世話係として魔国で働いていることは、ガロンさんが使いを出してくれたので、もちろん家族も把握している。
でも、マーガレット様の裏切りのことをマーガレット様の調査の件で知ったらしく、心配させてしまっているようだった。
……マーガレット様。
友人だと思っていた。
でも、私は利用されただけだった?
マーガレット様のことを思うと、胸が痛い。
『ええー! ラファリア、またアドルリアに行っちゃうのー!?』
私に頭を擦り付けて、アギノはやだー! と喚いた。
『ラファリア、今度こそずっと一緒にいてよ! ラファリアの歌を直接聞くのと鈴越しなのだとぜんぜん満足度が違うんだもん』
「アギノ」
ガロンさんは私からアギノを引き離し、アギノを抱き抱えた。
「ラファリアのご両親には婚約のご挨拶もしなければならない。それに、今度は俺も一緒だから転移ですぐに戻って来られる」
『でもぉー』
まだ納得できてない様子のアギノに、ガロンさんは目線を合わせた。
「俺もラファリアもアギノが大切だ。そして、アギノもラファリアが大好きだな? だから、そんなラファリアのご両親との大切な時間を、過ごさせてほしい」
『……ちぇー』
しぶしぶと頷くと、アギノはきっ、と私を見つめた。
『ラファリア!』
「はい」
『ぜったいぜーったい、聖花に浮気しちゃダメだからね! ラファリアはボクの世話係だからね!!!!』
そして、ガロンさんの腕の中から飛び出すと、私にぎゅっとしがみついた。
アギノの頭を撫でながら、しっかりと頷く。
「はい、必ず。ありがとうございます、アギノ」
『今日は、いっぱいワガママ言っちゃうんだからね! あと2曲歌って!! それから、ボクが寝るまでずっと頭撫でてて!! それから、ボクに絵本も読んで』
アギノの可愛らしいお願いに、思わず笑みが漏れる。
「はい、もちろん」
『ラファリア、大好きだよ。ラファリアもボクが好き?』
「はい、大好きですよ」
横を向いてふーん、と言いながら尻尾がぶんぶん動いているアギノを可愛らしく思う。
『今日は、一日中、一緒にいてもらうんだからね!』
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