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【12/19書籍発売】竜王陛下の運命になれなかった私が、魔国で愛されお世話係に!? 聖花を癒やす弦歌の乙女(旧:運命は、手に入れられなかったけれど)  作者: 夕立悠理
運命の相手編

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輝く星だけが

「あー……ああー」

 ガロンさんは、とても落ち込んだ様子だったけど。

 私はそれどころじゃなかった。


 好きなひと……。聞き間違いじゃなかったら、ガロンさんは今、そう言った……わよね?


 ガロンさんが、私を好き……?


「!」


 急に体温が上がるのを感じる。

 って、いやいやいや。

 ガロンさんのことだから、大事な部下のひとりとして、とか、闇獣の世話係として、とか。


 そういうこと……よね。

 ……勘違いして恥ずかしい。

「……ラファリア」


 赤くなったり、青くなったりしていると、落ち込みから回復したらしいガロンさんに名前を呼ばれた。


「……はい」


 勘違いしてごめんなさい。また、距離を見誤るところだった。


「……その。俺は、あなたが好きだ。あなたに恋をしている」

「……え?」


 勘違い……じゃなかった!?!?!?


「あなたが帰ってきたら、話すと約束していただろう。それが、その……俺の気持ちだ」

「えっ、……ええ?」

「……あなたは竜王相手に怖い思いをしたばかりで、こんなことを言うつもりではなかったのだが……口が滑った」


 申し訳ない、とガロンさんに謝られて、首を振る。

「驚きすぎて……今日の怖い思いも全部吹き飛んだので、大丈夫です」


 えっ、ええ!?

 ガロンさんが、ガロンさんが、私を、好き??????


 頭の中では、まだ、混乱していた。


「……そうか。それなら、良かった……? 良かった、のか?」


 ガロンさんは、なんとも言い難い顔をしていた。

「返事は、いつでもいいし、何ならしなくてもいい」

「ええっ」


 告白の返事をしなくてもいいなんて、初めて聞いた。

「その、あなたに気まずい思いをしてほしいわけじゃないんだ。あなたは、この国で、健やかに過ごしてほしい」

「……ガロンさん」


 わかっていたけれど、ガロンさんは、優しすぎでは!?


「約束したから、伝えただけだから、だから……」

 そういって、手を離して去ろうとした、ガロンさんの手を握る。


 私の心臓は、早鐘のように、脈打っていた。


「……ラファリア?」

 ガロンさんが、戸惑った声を上げる。

 それもそものはず。

 私自身も、自分の行動に戸惑っていた。


「……ガロンさん」

「……どうした?」


 ガロンさんが私を、見つめる。

 その星のような瞳を見つめ返しながら、私は、息を吸い込んだ。


「……ガロンさん、私、ガロンさんに甘えていたんです」

「……あ、ああ。それは、嬉しかった」

「……それに、なぜだか、ガロンさんに手を握られると動悸もするんです」

「……そう、なのか?」


 俺も今は、動悸がすごい、そうつぶやいたガロンさんの顔は真っ赤だった。


「……それに、それに。レガレス陛下に、口づけられそうになった時――」

「なんだと?」


 ガロンさんの表情が急に変わった。

「……え」

「口づけされそうになったのか、竜王に? 触れられただけでなく?」


 詰め寄られて、ぱちぱちと瞬きする。

「あれ、言ってませんでしたか……?」

「聞いていない。まさか、あなたにそんなことをするなんて……」

 ガロンさんは、やっぱりあの時に……と小さく呟いていたけれど。


「……ということは、今はどうでもよくて」

「いや、どうでも良くはないだろう。あなたが、怖い思いをしたんだ」


 ガロンさんは、これ以上ないほど、怒った顔をしていたけれど。


「どうでも、いいんです。だって――そのおかげで気づけたから」


 そうだ、私は、もう。

 自分の気持ちに気づいていた。


「……何に?」


 ガロンさんが私を見つめる。その瞳には、期待と不安が入り混じっていた。

「私、……私、あなたが――ガロンさんが、好き、なんです」


 ……は、と息を深く吐き出す。


 告白ってこんなに緊張するのね。

 先に告白したガロンさんは、きっと、もっと、緊張しただろう。


「ガロンさん、好きです。あなたに恋を、しています。だから……その。返事はいらないって、言われたけど、でも――!!」


 私は、あなたと一緒にいたい。ちゃんと、恋人として。


 伝えたかった言葉は、口の中で消えた。


 強く、抱きしめられたから。

「俺も……あなたが、好きだ。あなたに、恋をしている」


 ガロンさんの言葉は……ううん。体も、震えていた。

「……ああ、でも、本当に?」

「はい。私は、ガロンさん、他の誰でもない、あなたが好きです」


 花奏師をやめて初めて酒場で飲む私に、アドバイスをくれたガロンさん。

 それどころか、ガロンさんは、私に新しい居場所と仕事をくれた。


 ガロンさんは、いつだって、優しくて、私をちゃんと見てくれていた。


 そんなあなただから、私は、あなたを、好きになったの。



「……はぁ」

「ガロンさん?」


 ガロンさんは、ぎゅうっと、私を強く抱きしめた。

「もう一度、言ってくれないか。これが、夢じゃないかと、怖いんだ」


 可愛らしいお願いに私はもちろん、頷いた。

「はい。ガロンさん、あなたが好きです。……大好きです。夢だったら、私が、困ります」


 ぎゅっと、ガロンさんを抱きしめ返す。


 ――空に輝く星だけが、私たちを見ていた。


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いつもおよみくださり、ありがとうございます!本作が書籍化されます!
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― 新着の感想 ―
[一言] 愛してる、じゃなくて「恋してる」って言い方可愛くて良いですね( *´艸`)
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