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【12/19書籍発売】竜王陛下の運命になれなかった私が、魔国で愛されお世話係に!? 聖花を癒やす弦歌の乙女(旧:運命は、手に入れられなかったけれど)  作者: 夕立悠理
運命の相手編

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くだらない

「!!」

 鈴の音が聞こえたかと思うと、鈴が白く光った。

 その眩しさに、レガレス陛下も驚いたようで、私から手を離した。


「……ラファリアっ、無事か!?」

 聞き覚えのある声に、目を開けると……。


「…………ガロン、さん」

 ガロンさんが心配そうな顔で、私とレガレス陛下の間に立っていた。


『万が一、何かあったら、駆け付けてくださいますか?』

『もちろんだ』


 約束したときの、言葉が、蘇る。


 ――本当に、来てくれた。


「……あ」


 安堵で、ぽろ、と涙が零れた。

 止めないと、心配させてしまう。


 そう思うのに。


「……っ」

 涙は、あとからあとから零れ落ちる。


「……ラファリア」

 ガロンさんが、私の涙を優しく拭ってくれた。


 そして、私を庇うようにして、振り返る。

「我が国の大事な、闇獣の世話係が、泣いているようだが、説明を。アドルリア王国、国王」

「――なぜだ。他国の城では転移魔法は使えないはずでは……」

「特殊な術式を組んである。彼女が、『危機』を感じたときしか、転移できない代わりに、どこでも転移できる術式だ」


 だから、ガロンさんは、来てくれることができたのね。


「……それで、彼女が危機を感じたことに対する簡潔で明瞭な説明を」


 今まで見たことがないほど厳しい表情をしたガロンさんは、レガレス陛下を見つめる。


「……ラファリアは、私の〈運命〉だ。だから――」

「〈運命〉には同意がいると聞いたが。彼女は、同意したのか?」


 途端にたじろぐレガレス陛下に、ガロンさんはなお続ける。

「仮に〈運命〉に同意したとあっても、彼女が危機と感じたということは、同意を求めない何かがこの部屋で行われようとしたと見えるが、違うか?」

「……っそれは。そもそも他国の王の居室に、許可なく侵入するとは、宣戦布告と取られても仕方がない行為では――」


 レガレス陛下の言葉に、ガロンさんは鼻で笑った。


「……ああ。そうとられても、構わない。彼女をそちらに行かせる許可を出した時、俺はあなたに、条件をつけたはずだな。『すべてにおいて、彼女の意思を最優先とすること』。これが守られていないようであれば、いかなる手段も使うと」


 ……ガロンさん、そんな条件をつけていたんだ。

 知らなかった。


「宣戦布告となっても構わないだと? こんな他国の領土で、王、ただ一人で戦うと……」

「我が国の至宝が、傷つけられた。それは、十分すぎる理由になるな」


 至宝、おそらく、というか確実に、唯一の闇獣の世話係だから、という理由だとわかっているけど。まるで……。


「ところで、説明をいただけるだろうか」

「……ただ、話をして、それで……」

「それで?」


 ガロンさんの厳しい口調に、ずいぶんとたじろぎながら、レガレス陛下は続ける。


「ラファリアに、触れた」

「……触れた?」


 途端に、ガロンさんが、眉を上げる。

「彼女の侍女から、指一本たりとも触れない、という簡易誓約書を書いたと聞いたが……ああ、なるほど。このくだらない、魔法がかかったローブのせいか」


 


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