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【12/19書籍発売】竜王陛下の運命になれなかった私が、魔国で愛されお世話係に!? 聖花を癒やす弦歌の乙女(旧:運命は、手に入れられなかったけれど)  作者: 夕立悠理
運命の相手編

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54/75

私の

「陛下!?」


 そんな深々と――しかも一国の王に――礼をされるほどのことはしていない。

 今回の私は、別に、誰かのために、じゃなくて。

 自分のために、この国に帰ってきたのだから。

 

「私は……ただ引継ぎをしにきただけですから、頭を上げていただけませんか?」

「……それでも、君は、この国に帰ってきてくれた」


「それは……だって、この国には聖花が――」

 私の憧れで、花奏師じゃない人生なんて考えられなかったほどに、輝く花。

「……あぁ」

「陛下?」

 レガレス陛下は頭を上げて、私の返答にゆっくりと瞬きをした。


「やっぱり、君だったのか」


 ……やっぱり? 君だった? どういうことかしら。


「……不思議そうな顔をしているね」

 それは、だって……。そんな意味深な言葉をかけられれば、誰でもそんな表情をすると思う。

「……ラファリア、君だったのか。あの日、聖花を見て涙を流した『君』は」

「!? ……どうして」

 もう六年も前のこと。

 憶えているのは、私だけだと思っていた。


 レガレス陛下にとっては、些細な、何気ない一日だったのだと。

 それに、レガレス陛下の隣には、マーガレット様がいる。

 だからこそ、私は口を噤むことを選んだ。


 レガレス陛下は、目を細めて私を見つめる。

 朝焼け色の瞳には、私だけが映っていた。

 そのことに、胸が締め付けられるような、温かくなるような、不思議な気持ちになる。


「忘れたことは、一度もなかった。あの日は、私にとってとても特別な日だったから」


 でも、それなら……。


「そんな……でも。陛下は一度も――」


 一度も、私にそう話しかけてくれたことはなかった。

 私たちが話すとしても、それは、いつもマーガレット様のことで。

 私個人のことや、あの日について聞かれたことは一度もない。


「勘違いしていた。いや、勘違いさせられていた」


 勘違い? それもさせられるってどういうこと?


 混乱する私をよそに、レガレス陛下は、続ける。


「『君』に会えたら、ずっと言おうと思っていたことがある」


 レガレス陛下は、ソファから立ち上がると、私の前まで来た。

 そして、ゆっくりと、跪く。


「……陛下!?」

「……ラファリア、あの日出会った君」


 私の手を取り、朝焼け色の瞳で、まっすぐに私を見つめる。そして――。

「私の唯一……〈運命〉になってくれないか」


 


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― 新着の感想 ―
[一言] 『もう遅いんじゃあぁぁぁ! ワレェェェ!』 と叫ぶ何かが、何もない空間から高速で出現して、竜王様の額をどついて消えていく、という光景を最後の行のあとに幻視しましたが、……幻ですよね? 私の願…
[良い点] この後ラファリアがちゃんと丁重にお断りするかどうか気になります 間違っても魔国で出会った人たちと天秤にかけて迷うような事がありませんように [気になる点] う、嘘だろ……枯れてしまった聖花…
[良い点] ヒロインが前向きでそこまでウジウジしていないところがいいですね。 面白いし。 [気になる点] 更新お願いします。(筆者様ので似た話で更新されていないのあって、私それ好きだったのです。この…
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