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【12/19書籍発売】竜王陛下の運命になれなかった私が、魔国で愛されお世話係に!? 聖花を癒やす弦歌の乙女(旧:運命は、手に入れられなかったけれど)  作者: 夕立悠理
運命の相手編

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34/75

盲目

(レガレス視点)

「……半日も」

 そう言われて、ベッドから起き上がり視線を窓の外へ向ける。

 日の高さを見るに、確かに、眠る前より、ずいぶん時間が経っていたようだ。


「はい。私、本当に、本当に心配で……ずっと付き添っていたんですよ」

 そうか、ありがとう。

「……聖花は?」


 !?

 自分の思った言葉と、口から出た言葉の相違に戸惑う。


 マーガレットも困惑した顔をしていた。

「……陛下?」

「いや……、仕事熱心な君が、そんなに長時間抜け出していいのか心配になって……」


 私の言葉に、まぁ、とマーガレットは微笑んだ。

「心配してくださり、ありがとうございます。……ですが、心配には及びませんわ。聖花には他の花奏師たちがおりますもの」

 でも、とマーガレットはそこで言葉を切り、私の頬に触れる。


「レガレス陛下の婚約者……は、私だけでしょう?」


 確かに……そうだな。

 マーガレットの言葉は、正しい。正しいように聞こえる。


「……」


「陛下?」


 無言になった私を、マーガレットは、不安げに緑の瞳を揺らして見つめる。


「……マーガレット、六年前のあの日のこと、君は憶えているか?」

 なぜか、急に確認したくなり、マーガレットを見つめ返した。

「はい、もちろんです」

 マーガレットは、大きく頷き、微笑んだ。


「六年前の私、聖花を見て……泣いてしまいましたね。でも、レガレス陛下、あなたはそんな私を笑わないでくれた」


 そうだ。

 やっぱり、君は間違いなく、あの日の君だ。


 何を不安に思う必要があっただろう。

 君は、確かに、そばにいるのに。


「そう、だったな」

「はい。……あら、陛下こそ、お忘れですか?」


 私たちが出会った思い出の日なのに。

 そういって、頬を膨らませたマーガレット。


 子供のように純真な、そのいつも通りの姿に、胸がじんわりと温かくなる。

「!!」


 ずきり、と頭が痛んだ。


「陛下?」

「いや……、まだ本調子ではないみたいだ」


 長時間眠ったとはいえ、薬もまだ飲んでいない。


「たいへん! すぐに、侍従をお呼びしますね」

 そういって、マーガレットが部屋を出て行った。


 自室に一人残された私は、もう一度、ベッドに背中を預け、息を吐いた。

 

……よかった。


 マーガレットを一瞬でも疑ってしまうなんて、全くよくないが。

 ――それでも、私は、間違っていないのだ。


 天井に見えるのは、先ほどと変わらず、初代竜王とその〈運命〉との恋物語。


 私とマーガレットもいつか、歴史に残るような、恋だといい。


 体調不良のせいか、かなり恋の熱に浮かされているのを感じながら、私は、そっと目を閉じた。


いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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