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【12/19書籍発売】竜王陛下の運命になれなかった私が、魔国で愛されお世話係に!? 聖花を癒やす弦歌の乙女(旧:運命は、手に入れられなかったけれど)  作者: 夕立悠理
運命の相手編

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25/75

好み

◇◇◇


 ——その日の夜。お風呂から上がった後、髪を乾かしてから、ベッドに転がる。


「……はぁ」


 大きく息を吐き、深く吸う。

 何度か繰り返していると、だんだんと眠気がやってきた。


 ふと、手を枕元に伸ばせば、先ほどガロンさんから貰った、サシェが触れる。


 サシェを手繰り寄せ、その香りを嗅ぐと、ほのかに甘いいい香りが鼻腔をくすぐった。


「私……頑張らなきゃ」


 私の決意に応えるガロンさんであろう、魔国であろう、とガロンさんは言ってくれた。


 だからこそ、その決意が揺らぐことのないように。


 ……でも。


 聖花たちのことを想うとまだ、胸がじくりと痛む。

 サシェの香りを嗅ぐと、その痛みが少し和らいだ。



「……ふふ」


 さすがは、魔王陛下特製のサシェだ。


 何度か香りを嗅いでいると、さらに眠くなってきた。


 明日、もう一度ガロンさんにお礼を言おう。


 それに、アギノに聞かせる演奏は、明日はどんなのにしよう。


 それから、それから……。


 楽しみな明日を思い描いているうちに、いつのまにか、意識を手放していた。



 ——夢も見ないほどぐっすり眠れた、翌朝。

「おはようございます」

「ユグ、おはようございます」


 ベッドでごろごろしていると、ユグが起こしにやってきた。



「……ふ」


 ユグが私を見て、小さく笑う。

「? ユグ?」

「……いえ。ラファリア様、とてもよく眠られたようですね」


 ユグが指さしたのは、私がずっと握りしめていたサシェだ。


「!!!」


 な、なんかすごく恥ずかしい。


「はい、よく眠れました……」


 それはもう、ぐっすりと。


「良かったです」


 ユグが微笑む。

 それにつられて、私も笑った。

「ありがとうございます、ユグ」


 ——今日もいい日になりそうだ。


「ところで、ラファリア様」

 朝の支度を手伝ってもらっていると、ユグが鏡越しに私を見つめていた。


「はい」

「あの、これは私の個人的な、お願いなのですが……」

「?」


 どうしたんだろう?


「ラファリア様の髪型、今日は変えてみてもいいですか?」


 私はいつもそこまで凝った髪型はしていない。


「はい。それはもちろん」

 頷きつつ、鏡越しにユグを見ると、ユグは、嬉しそうに頬を染めた。


「ありがとうございます! ラファリア様はとても綺麗な髪をされているので、様々な髪型を試してみたいと思っていて……」


「ふふ、ありがとうございます」


 褒められるのは、素直に嬉しい。


「では、早速取り掛かりますね!」


 ユグが素早く丁寧に髪を梳かして、私の髪型を整えていく。


 その様は、圧巻だった。


「……こちらでいかがでしょうか?」

「わぁ!」

 今日、ユグがしてくれたのは、簡単にいうと編み込みだった。

 闇獣の世話係の制服に合わせて、薄紫のリボンも一緒に編み込まれていて、とっても素敵だ。


「ありがとうございます、ユグ。とってもかわいいです」


 リボンを一緒に編み込む、という発想は私にはなかった。だから、とても新鮮だ。


「気に入っていただけて良かったです」

 ユグが嬉しそうに微笑む。


「ところで、朝食ですが、今朝も陛下からのお誘いがありますが、いかがなさいますか?」

 ……ガロンさんに改めてお礼を言ういいチャンスかも。


「お受けしてください」

「かしこまりました。では、そのようにいたしますね」




 支度を終え、朝食会が行われる食事の間に行く。


 今日もガロンさんはもう席に着いていた。

「おはようございます、ガロンさん。お待たせいたしました」

「あぁ、おはよう」


 ガロンさんは、私の顔を見て、ほっとしたように息をついた。


「……良かった。昨夜、眠れたようだな」

「はい。ガロンさんのサシェのおかげです。ありがとうございます」


 お礼を言ってから、私も席に座る。


「今日の髪型も……似合ってる」

「!」


 そういえば、宿を出る時、髪型を変えたときもガロンさんは気づいてくれた。

 細かな変化に気づく人だなぁ。


「ありがとうございます。ユグがしてくれたんです」

 今日も眩しいガロンさんに目を細めつつ、お礼を言う。

「そうか。……ユグとの仲も問題なさそうだな」

「はい! ユグはとてもよくしてくれています」


 ……と、そんな話をしていると、朝食が運ばれてきた。


 今日の朝食もとっても美味しそう。


「ところで」

 ガロンさんは、そこで言葉を止めると、私を見つめた。

「はい」


 急に切り出された話題の続きが気になり、朝食を食べていた手を止める。


「あなたは、どういった男が好みなんだ?」


 

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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