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【12/19書籍発売】竜王陛下の運命になれなかった私が、魔国で愛されお世話係に!? 聖花を癒やす弦歌の乙女(旧:運命は、手に入れられなかったけれど)  作者: 夕立悠理
運命の相手編

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20/75

魔法使い

 ガロンさん、なんて気安く呼びかけるのも躊躇われるようなほど、正装のガロンさんは輝いて見えた。


 そういえば出会った時はお忍びだったから、一国の王らしい服装はしていなかった。

 質のいい服ではあったけれど、それでも今とは全然違う。


 服装だけじゃなくて、オーラのようなものも、控えめにするようにしてたんじゃないかしら。いえ、オーラを控えめにするって具体的にどうするのかわからないけれど。


「……ラファリア?」

 いけない、ガロンさんに返事を返していなかった。

 あまりの眩さに、若干目を細めつつ、挨拶を返す。

「おはようございます、ガロンさん。朝食会にお招きくださり、ありがとうございます」

「こちらこそ、参加してくれてありがとう」

 ふっと微笑んだガロンさんからまた星が放たれる。

 うっ、眩しい!

 更に目を細めつつ、私も席に座る。今の私、絶対糸目みたいになってるわよね。


「ラファリア? 目の調子が悪いのか?」

 ガロンさんは、心配そうにそう尋ねてくれたけれど。

 これは、なんと答えるのが正解だろう。


「いえ……その、ガロンさんの……」

「あぁ」

「正装を初めて見たので、なんといいますか」

 ガロンさんはそこで表情を曇らせた。

「似合っていない?」

 そんなまさか!

 勢いよく首を振る。

「いいえ、むしろ……その似合われすぎていて、眩しく見えるのです」


 あぁ、正直に言っちゃった。


「……」

 ガロンさんは、急に黙って、俯いた。

 失礼だったかしら?

 ……どうしよう。


「あの……」

 無言にたえかねた私が、声をかけようとした時——。

「!」

 ガロンさんが顔を上げた。

 その顔は一目でわかるほど、真っ赤だった。


 怒ってる? 怒ってるわよね。

「不快にさせて、もうしわ——」

「不快じゃない!」

「!」

 大きな声で否定され、思わず肩を揺らす。

「いや、大きな声をだして、悪かった。……不快じゃなくて、嬉しかったんだ。だが、どんな顔をしていいかわからず……」

 そっか。さっきの顔は照れていたのね。

 ……良かった。

「……ラファリア、あなたは、やっぱり魔法使いだ」

 小さな声で漏らされた言葉は、私の耳に届いた。

「え?」

「あなたの言葉は、俺の余裕をすぐに無くさせる」

 真っ赤な顔のまま、告げられた言葉。

「!?」

 まるで、砂糖菓子のような甘さを含んでいて。

 その甘さは、レガレス陛下がマーガレット様の名前を呼んだときを思い出させた。


 頭に浮かんだ考えを否定するように、首を振る。

「そ、それは、ガロンさんが、女性慣れしてないから……」


 そうだ。

 私がどう、とかじゃなくて、女性に耐性がないから。そうに違いない。


「だが、ユグにそう言われてもどうともならない自信がある」


いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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