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SHOWと彼女
彼女の言葉をまるっと飲み込んだかのように、急に周りが輝きだす。
あまりの眩しさに目を閉じていると、彼女の笑い声だけが頭に響いて
クラクラしてくる。
「ホラァ、目を開けなよぉ?」
キャラキャラとした、相変わらず笑顔で本心を隠したような声に
仕方なく目を開ける。
なんだろう、ここは。
言葉にできないような不安と、何か見たことがあるような、知っている景色のような気がする安心感。
「コミュSHOW!」と大きく描かれた文字は七色にチカチカと点滅しながら輝いているその舞台は
SNSでちらっと見たことがある、90年代のテレビで出ていた
クイズ番組のような景色だった。
「ほらぁ、早く立って!クイズが始まっちゃうヨォ!」
笑顔に少し焦りが見え始めた彼女の声。
わけの分からない空間に、時間なんて関係があるのだろうか。
ぼんやりと考えながら、言われるがままに回答席に座る。
彼女は、ホッとしたように見えた。