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自己紹介

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「奈緒どうしたの?」


返事はなんとか返したものの、未だ呆然としている相良さんへと秋司は聞き返す。


「…へ?い、いや蓮名さんも有栖川さんも聞いた通りのようなそうじゃないような感じだな、って」


未だ完全に帰ってこれてないのかイマイチ要領を掴めないように喋る相良さん。


「…….あー、なるほどね。確かに初めて見たらそう思うのも無理はないかな?」


え?秋司はあれで分かるの?凄くない?流石幼馴染ってやつなのか?


「うん。普段は蓮名さんは快活だって聞くし、有栖川さんは……も、物静かって聞いてたから。でも・・」


「雪斗君が絡むと一変する。でしょ?」


ぽつりぽつりと先ほどの話に付け足していく相良さん。ちなみに璃帆の所は頑張って言葉を濁していた。

それに対して苦笑いを浮かべながら秋司は相良さんの言葉を受け継ぐ。……というか俺が絡むとってどういう事だ?


「そ、そうなのです!いつもの2人からは想像出来なかったのですが、でもでも!今の2人も可愛くて全然ありだと私は思うのです!」


秋司の言葉に相良さんは身を乗り出し、興奮したように答える。当然、身を乗り出すと隣同士であるからかなり近くなる。あと少しどちらかが近づけばキスが出来る距離だ。

幼馴染ってやっぱこのぐらい距離近いもんなのか?とか思っていたら興奮から少し覚めたのか、今度は別の意味で顔を赤く染めながら2人は急いで距離を離す。どうやらいつもこの距離ではないらしい。まあ流石にそうか。

その様子に俺と同じように苦笑いしながらリアは2人に語りかける。


「あはは〜。熱々のお二人さんがこちらに帰って来たところでさっきの続き…自己紹介しよっか!」


冷やかしを混ぜながら話題を元に修正したリアに対して未だ真っ赤な顔の相良さんが勢いよく頷いている。


「くす……じゃあまずはあたしからかな?

名前は蓮名リア。桜華学園2年、花の女子高生だよ。

趣味は小物集め…特にアクセサリーを集めてるかな。後は友達と話すのも好きだな〜。ついつい話し込んじゃうんだよね。こんな感じかな?2人ともこれからよろしくね!」


リアらしい周りを気遣った、けれどはきはきして好印象を与えるお手本のような自己紹介だ。


「では次は私ですね。名前は有栖川璃帆。よろしくお願いします」


璃帆は対照的に簡潔に…って簡潔過ぎない!?リアも同じ事を思ったのか苦笑いをしているが相手が璃帆なのを考えてそれに突っ込む事をしない。

俺もこれ以上その事に関して考えるのをやめ、自分の自己紹介へと入る。


「よし!俺の名前は……」


「総堂雪斗さん」


「趣味はスポーツ観戦だね。特に野球が好きなんだよ!」


「それと大の女性好きですね。ですので貴女(相良奈緒)、彼に近付き過ぎないように気をつけてください。でなければ性交渉を迫られた上、子供を孕まされてしまいますよ?」


「あはは〜…そこまではいかないだろうけど、近づいちゃダメだからね」



何故か2人が交互に俺の自己紹介をしていく。反対側では2人の雰囲気に呑まれたのか少し涙目の相良さんが凄い勢いで頷いている。…って


「何!?その俺の最低な評価!そんな事しないからな!だから相良さん引かないで!うわー…って顔しないで!」


あんまりな紹介に必死に抵抗するも未だ少し涙目な相良さんの引き攣った表情は戻らない。心なしか少し距離を離されたように感じる。


「くくっ…。次は僕だね。僕は萩里秋司。趣味は読書とネットサーフィンかな。今はこんな状況で…だから誘ってもらえて嬉しいよ。僕は男だから雪斗君に近づいても大丈夫かな?」


そんな俺達の様子を見て笑いながら秋司は自己紹介をする。リアのお陰かその表情は来た時のような悲壮感は見られずリア達に乗っかりながら話をまとめた。


「わ、私は相良奈緒です!趣味は料理で良く家でも作っています。……あのあの!秋くん。秋くんさえ良ければまたお弁当作ってきてもいいかな??」


相良さんは最初俺達に、最後は秋司に伺うように上目遣いで尋ねる。秋司は今の自分の状況を考えて答えあぐねているようだが、相良さんが一歩も引く様子がない所をみると、小さく頷いた。


しかし相良さんの可愛い見た目であの上目遣いは反則……いたたっ!?


「雪にゃん〜?」


「雪斗さん?」


2人は笑顔で俺の腕をつねりながら俺に迫り来る。ちなみにそんな2人の目は完全に笑っていない。


「…待って!とりあえず話合おうか!」


「問答無用です」


「ギルティだよ。雪にゃん」


慌てる俺に対して2人は断固とした態度を示す。

そんな俺達のいつもの様子を見て向かい側の2人は顔を見合わせて苦笑し合っているのだった。

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