プロローグ②
「やあ、何やら興味深い話をしているね?俺も話に混ぜてもらえないかな?」
「・・・あ、総堂くん。う、うんいいよ。あのね……」
俺は愛想の良い笑顔で先程噂話をしていた少女達に近づいた。
彼女達は俺のその笑顔を見て顔を赤らめながら件の噂話について説明してくれる。
目的である噂話を聴きながら、それを語る少女達を見ながら俺は、あれ?これいけるんじゃね?とか思った俺は悪くない。
「その噂話、もうちょっと詳しく聞きたいから少しそこに座って話さない?出来れば君たちの事も少し知りたいかな?」
軽いナンパ男みたいになってしまったが仕方ない。
俺はモテないのだ。それもびっくりする程。
なので少しでも脈があるならその出会いを大切にしたい。表情には出さないが必死なのである。
「う、うん。喜ん…ヒッ!?・・・ご、ごごごめんなさい。この後用事あったんだった。だから…ごめんなさい〜!」
最初は嬉しそうだったが何かに気がついたのか、一気に表情は強ばり、次にその顔は一瞬にして恐怖に歪んでいった…と、思ったら謝らながら走って行った…。
一体今の何がダメだったんだ。そう思いながら彼女が表情を変える寸前に目を向けた方向ーー俺の真後ろに顔を向けた。・・・が、すぐに視線を元に戻した。
「雪にゃん酷いなー。あたし達を置いて他の女の子に声をかけに行った挙句、こっちみてすぐに目を逸らすなんて〜」
そう言って声をかけてきたリアの声は楽しそうに弾んでいる。確かに笑顔だ。けれど、それら全てを消し去るぐらい目が笑っていないのが怖い。
「本当ですね。あのような蛆虫共に貴方が笑顔を向けるなど…至極許し難い事ではありますが・・・事情が事情ですので今回はお咎めなしといきましょう」
そう言ってリアの言葉に同意をし、微笑を浮かべる璃帆の目もリアと同じくやっぱり笑ってはいなかった………。




