俺と彼女と『彼女』の奇妙な関係
初投稿でおかしなところばかりの駄文ですが読んで貰えると嬉しいです!
俺の名前は秋宮直人
外見に成績に運動神経、どれをとっても中の中といったところだろう。
ただ一つだけ他人と変わっているのは三次元の異性には興味がないという所だと思う。
そんなある一点を除いては平凡な俺は高校二年という中弛みな時期を淡々と過ごしていた。
「最近萌えるキャラに出会えてないなぁ〜」
そう呟きながらふと窓際の方に目を向けるとそこには腰まであるストレートロングの黒い髪で顔立ちの整った一人の少女が絵を描いている姿があった。
気付かれないようにその絵を覗き込んでみるとなんともかわいらしい一人の少女の絵が現れた
その絵のあまりの可愛らしさに思わず席に座って絵をかく彼女のもとに向かって声をかけた。
「あの、名前を教えてくれませんか?」
「私の名前は真島黎ですけど…?」
彼女が不思議そうに答えた、しかし俺が知りたいのはノートに描かれた『彼女』の名前である。
「いや、貴方じゃなくてそのノートに描かれている彼女の名前を教えて下さい」
「…え?あ、あの…なんとなく描いたもので名前とかは特にありません。…よろしかったら貴方が名前をつけてあげて下さい。」
どうやらまだ名前はないらしい。しかも俺が名前を付けても良いとの事だ。
俺は彼女の言葉に甘える事にした。
「分かりました。名前は亜梨紗なんてどうですか?」
「素敵な名前ですね。じゃあそれにしましょう」
彼女は微笑みながらそう答えた。そのはにかんだ表情を見てなんとなく不思議な感覚を覚えた。
「また色々絵を見せて貰ってもいいですか?」
「勿論いいですよ。ただ私の名前もちゃんと覚えてくださいね、秋宮さん。」
そういって少し意地悪に笑うと彼女は移動教室の移動でいなくなってしまった。
*****
それからの俺の日常は退屈なものではなくなっていた
彼女が描く絵をみたり、亜梨紗の性格を考えたりととても楽しかった。
でもそれは最初のうちで俺は次第にこんな温かい絵を描いてしまう『真島黎』という存在に興味を惹かれるようになった。
そんなある日
「私が描いたものはこれで全てです。…残念ですけどもうお見せできるものがありません。」
彼女は寂しそうにそう言った。いや、実際は彼女は寂しくなかったのかもしれないけど少なくとも俺は寂しいと思ってしまった。
彼女との接点がなくなる。
すなわちもう彼女とこんなふうに話をしたりすることが出来ないという事だ。
「…真島さん、俺の話を聞いてくれますか?」
俺は無意識に彼女に話かけていた。
彼女はいいですよと笑顔で答えてくれた。
「…俺は亜梨紗が大好きです!」
…彼女は驚いていた。しかしすぐに落ち着いたようでありがとうと言った。
俺は言葉を続ける。
「でも、俺が亜梨紗を好きなのは真島さんの心が亜梨紗の中に宿っているからです。だから俺は心を込めて温かい絵を描くことが出来る真島さんのことが…大好きです!!」
俺がそう言い終えると彼女は口をぽかーんと開けて驚きの表情をしていた。
しかしその数瞬後には、顔を真っ赤にしてうつむいてしまっていた。
「…俺と付き合ってもらえませんか?」
恥ずかしさを堪えて彼女に告白をする。
彼女はうつむき下を向いていた顔をゆっくりとおこして真っ赤になっている顔を両手でかくしながら
「…私でいいなら…よろしくお願いしますっ」
と答えてくれた。
やばい、まじで嬉しい。
しかしあまりの恥ずかしさにこれからどうしていいかわからない…
すると彼女が小さな声でこういった。
「…私は、秋宮くんの事を、その…なおくんって呼び、ます…だから私の事…黎って呼んでく、ださい…」
いきなりの彼女の発言に戸惑いながらも恥ずかしさを堪えて
「…黎」
「…直くん」
お互いを呼び合いながらも照れ臭い感じと黎のかわいさにクラクラしていた。
ふいに、亜梨紗に目を移すと…
『彼女』はなんだか苦笑いをしているようだった。
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