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盾 〈 round shield 〉

・ラウンドシールド 〈 round shield 〉

円形の盾。直径50cm~1mほどのサイズ。

素材は木製や金属など多岐におよぶ。本文中では、金属補強された木製。

盾の中でも比較的小さく扱いやすい。円形であることから持ち運びにも便利。

表面には、様々な文様などが刻まれていることも多い。

 重い音が何度も叩きつけられる。

 叩きつけられているのは、木を金属で補強した盾だ。直径1メートルほどの円形。表面は、傷ついているものの質実剛健さを感じさせる造り。

 叩きつけているのは、刃渡り1メートルほどの剣。飾り気もなく頑丈なだけが取り柄の数打ちの武器。

 盾を持つのは、金属補強されてはいるものの革をつかってつくられた俗にハードレザーアーマーと呼ばれる革鎧に身を包んだ男性。左手には盾を持つが、右手は紅に染まっている。近くに柄が血に汚れた剣が落ちているのが見える。致命傷ではないものの右手を使うのは難しいだろう。

 剣を持つは軽装に身を包んだ男性。動きやすさと速さを重視した装備からすると奇襲をおこなったのだろう。


 左手で盾を操り表面を滑らせるようにして受け止める。

 盾は全て攻撃を正面から受け止めると思われがちだが、利き手ではない手で操り正面から全ての攻撃を受け止めるのは難しい。

 盾の表面で力を流し、力を逸らしながら武器を抑えるように動かしていく。

 正面から受け止めるのは、もっと大きく頑丈な盾の場合だ。ラウンドシールドと呼ばれる円形の盾の場合は、丸みを生かしつつときには受け止め、ときには流し、はじくなど攻撃をいなしていく。

 今のような状況で正面から受け止めては動きが止まり、小回りの効く武器相手では盾のない場所を攻撃されることになる。

 盾を上手く使い連続する剣撃を流し、わずかな時間を稼ぎだす。地道に少しずつ隙を作っていく。


 作った隙を使い攻撃を受け止め、大振りになることを狙い、剣を強くはじく。相手の体勢を崩すことに成功する。一瞬の好機。

 元々盾は防具として考案されたものだ。だが長い錬磨の時を経て盾もれっきとした武器の一種となった。素材は金属や木製など多岐にわたるが、直径1メートルほどの頑丈な板だ。防御的ではあるが攻撃に使えないはずがない。

 本来であれば一瞬の時間稼ぎに使われる程度。ほかの武器があるならば、そちらを攻撃に使い、盾は本来の使い方どおり防御に使ったほうがよいからだ。だが十分な力と技術さえあるならば、それは相手を打倒するだけの威力を秘めた攻撃となる。

 機を逃さず盾の影に隠れるように構え、全身のバネを使い盾ごと渾身の力を叩き込む。

 シールドチャージなどと呼ばれる攻撃。距離をとるための技術たが、金属補強された木の板が叩きつけられるのだから威力は言うまでもない。

 敵は盾を叩きつけられ、剣を取り落とし尻餅をつくように倒れ込む。決着はついた。だが敵はまだ戦意を失ってはいない。

 立ち上がってこようとする敵の頭部に狙いをつけ、金属補強された側面が命中するように盾を横に薙いだ。

 シールドアタック。盾を鈍器として攻撃する技法。あくまで奥の手ではあるが威力だけならば他の鈍器を使用した攻撃に引けを取ることはない。


 鈍く重い打撃音。今度こそ勝敗は決した。

今回は、盾。特にラウンドシールドと呼ばれる円形の盾です。比較的ファンタジー要素が強めの内容です。

現代日本人的に言えば、でかくて頑丈な鍋蓋を想像してもらえれば分かり易いかと。



日本では、盾は殆ど普及しませんでした。戦国時代などでは、個人用の盾はほぼなく。現代の感覚でいえば、持ち運びできる一畳ほどのバリケードみたいなのがある程度です。

これは持ち運びの問題や両手持ちの武器が主に使用されていたからのようです。あとは全身鎧が早期から普及したため。

大鎧の大袖や刀の鍔は盾の役目を果たしていたり、沖縄のあたりにはあったりとまったく無いわけではないのですが、一般的に考える盾はないと言ってよいでしょうね。

現代では、意外と盾は使用されています。警備会社や機動隊、交番などにいってもアクリル製の透明な盾が見られます。透明というのも視界確保という観点から重要な要素なんでしょうね。

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