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OUTpSIDERS  作者: ロニア
1/1

最悪な空模様

初投稿です。お手柔らかにお願いします

カタカタと複数のキーボード音だけが響く。

打っている人は皆一様に死んだ顔をしている。

ここは迅海警察署。深夜3時に総出でパソコンに張り付いて作業をしているのは0時に万引き犯を逮捕したからだ。

(限界すぎる。なんでみんなそんなにスムーズに作業できるんだ...)

万引き犯を逮捕した新米警察官の広川佐來(ひろかわ さく)は激務の中一睡もしていないので睡魔が限界突破していた。定期的に立ったり動いたり、エナジードリンクを2本飲んでコーヒーを3杯飲んで。

なんてやっても眠気は一向に無くならない。よって全然作業が進まない。そんなことを2時から始めて今に至る。流石に見かねた隣に座る上司の東山さんが佐來に優しく言った。

「一旦仮眠してから作業した方がいいよ、向こうで寝ときな」

その言葉を待っていた。しかし、みんなが作業している中、自分だけ寝るのは気が引ける。

それを表情で察した東山さんはアイマスクを渡してきた。

「いいから寝とけって、もうお前の分俺がやった方が早いからさ」

「す、すみません」

「いいって、おやすみ」

皆が作業する中、佐來は1人仮眠室に入りアイマスクを着けて眠った。


◆◆◆◆◆


サークルの新歓。その帰り。友達に着いていった女子大生の日下一彩(くさか ひいろ)は酒に弱い癖にかなり飲んでヘロヘロだった。

「ゆ〜うちゃん!あたしなら大丈夫らろ。ちゃ〜んと帰れるん、うぷ」

「い〜や、ダメでしょあはは」

友人の湯島優(ゆしま ゆう)も同じくヘロヘロだった。

「ゆうちゃん家着いちゃったよ?」

「あははじゃあの〜」

そのまま別れると一彩は千鳥足で自宅の迅海市までタクシーをつかまえて向かった。


◆◆◆◆◆


仮眠室で起きる。咄嗟に時計に目をやる。時間は10分しかたっていなかった。

(10分にしては疲れが吹っ飛んでるな。まるでぐっすり寝たみたいに気分がいい。)

これならしっかり作業ができる。そう思いデスクに向かう。しかし、誰もそこにはいなかった。

「え、みんなどこ?」

思わず独り言が出る。

何か緊急事態があったのか。廊下に出て人がいないか見るが気配がない。24時間人がいるはずの警察署から人の気配が一切ないのはおかしい。

(流石に1階の入り口の受付にはいるだろ)

そう考え階段をおりる。しかし、そこにもいない。

「え、なになにドッキリ...はありえないか流石に」

そんなことしてる暇は無いはずだ。

頬をつねる。痛みはしっかりとある。夢じゃない。

言い表せ用のない不安が湧いてくる。息が詰まり呼吸が荒くなる。静寂に包まれているせいで余計呼吸音が大きく聞こえる。

しかし、どこからか

「うお、何処ここ!?」

人の声。

急いでその場所に向かうのだった。


◆◆◆◆◆


頭痛い。吐き気もする。

「ううん」

誰かが話しかけている気がする。返答しようとしても唸り声しか出せない。

今どこだっけ。確かタクシーに。あぁダメだ。眠過ぎ。

「お姉さん起きて」

うん?

「じゃあここで寝ていいからね」

ありがと

「起きたら説明よろしくね」

「承知しました」

なんのこと?

意識がはっきりしてくる。目を開ける。

ここは...

「うお、ここ何処!?」

思わず独り言。周りを見渡すと明るい照明。薄い毛布が2枚に畳。極めつけは鉄格子にプラ板が張り付いている。

「もしかして留置所?」

やばい、前歴が。親になんていえば。

「違う、ここは保護室」

突如鉄格子の先から声が聞こえた。

「誰?」

「迅海警察署地域課の広川巡査です」

「警察の人?私捕まったの?」

「もしかして保護室始めて?じゃあ説明するけど、貴方は逮捕された訳じゃないしここはそういう場所じゃない。保護室って言って酔っ払った人とかが入るとこ。お姉さんかなり飲んだんでしょ」

「...はい」

「起こしても起きない人はここに入ることになってんの。だから逮捕じゃなくて保護ね。前歴とかはつかないよ」

「良かった...あ、すみませんでした。お手数おかけして。私どうしたらいいですか」

「本来なら起き次第ちょっと話聞いて帰すんだけど、ちょっと緊急事態でさ。今、あなたを帰す権限持っている人がいなくてさ。ちょっとここで待っててくれない?」

「あ、はい」

そういうと佐來はいなくなってしまった。

「うわー迷惑かけちゃった。前科がつかないのが不幸中の幸いだなぁ」

しばらくやることがないのでずっと天井を見上げて、ぼーっとしていたがしばらくすると佐來が慌てて戻ってきた。

「今開けるから!開けたら俺についてきて!」

「え?なんですか急に」

「いいから、ここは俺の指示に従って!」

「は、はい!」

その様子は切羽詰まった感じで、とにかく指示に従った方がいいということはアルコールの残った頭でも判断できた。

かなり雑に勢いよく扉が開けられる。

手を掴まれるが、上手く立てない。

「あーもう!」

佐來におんぶされる一彩。

「走るけど吐くなよ!」

そう言ってなかなかのスピードで走る。

案の定気持ち悪くなる。気がつくと外に出ていた。


その瞬間全身にビリビリとした感覚が走った。

生物的なプレッシャーと言うんだろうか。大きな圧力を感じる。その原因はすぐに分かった。

が、理解できなかった。何故なら空が極彩色に揺らめいていたからだ。その光景を眺めた直後、込み上げるものを我慢できなかった。


◆◆◆◆◆


極彩色の空。先程、保護室を後にした直後に見た。まだ夢を見ているのかはたまた頭がおかしくなったのか。両方かもしれないがとにかく街にも人の気配がない。警察署に戻り最上階からくまなく探そうとエレベーターを使うが、起動しない。

仕方なく階段で最上階まで上がろうとするが5階まで登った時、佐來は有り得ない光景を見た。

廊下中に蜘蛛の巣。一面にと言った方がいいかもしれない。奥に蠢く何かを見た時、感覚的に危険を感じ取り、急いで保護室まで向かった。


そして現在、頭からアツアツをかけられている。

「最悪だ。俺なんかした?」

誰にも届かない愚痴をこぼす。

ため息を着く。とにかく今はあそこから離れるのが懸命な気がしてる。

そのまま向き直り、今1番安全そうなところまで走っていくのだった。










次回の投稿日は未定です。

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