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[Otherside File01]志津子の呪いの原因



野畑が広がる敷地に彼女の家があった。

それはそれは閑静で平和な

暮らしを続けていた。

彼女は祠の前で手を合わせ、頭を下げた。

しばらく祈ったうちに

彼女は平屋の家に向かう。

下駄の音と遠くから聞こえる

子供達の声が飽和して、

陽だまりのような心地よい昼を過ごしていた。

引き戸の玄関を開けて彼女は下駄を脱いだ。


ダンッ


と音がする。再び閑静なこの家に、

夜の暗闇が迫り来るとこんな音が

よく聞こえ始める。


再び、ダンッ。ダンッと。


屈強な男はただひたすらに彼女を拳でひれ伏す。


ダンッ、ダンッ。


ごめんなさいと彼女は顔を守るかのように。

必死に守る、守る。


「出来損ないが」


そんな日々を過ごし続ける。毎日、毎日。


翌日も、その翌日もずっと。


次第にその噂は煙のように近所に広がった。

出来の良い、から出来の悪いへ。


こそこそ、こそこそと、悪者扱いのように。


私が何をしたの?私は何に願っているの。


『あの祠、何も祀っていないのに』

『あの女は化け物よ』













『気持ち悪い』








ダンッ、ダン、ダンッ、ダン。

と乾いた音が響き渡る。

彼女は埋められた。夫婦石の近くの地面に。

土を被せられ、無惨な姿で埋められた。

まだ意識はあったのに、土が、土が降ってくる。





滴る血が朝日に照らされた。






________________________________________aa




「南丸さん、ねえ、南丸さんってば」

両手を広げ親指の腹をおでこにつけた

南丸は何だ、と声をかける。

年がら年中アロハシャツを着ている。

好き好んで着ている。

「めちゃくちゃ胸糞悪い件でしたね、

ほんと最低」

紫遠はロングヘアーの髪を靡かせながら 

珈琲を淹れている。

「稲荷丸に先を越された、慌てている」

彼は正直に慌てている、だったり、

お腹が空いている等口に出す、

非常に分かりやすい人間だ。

「それにしてもすごいですね、

頭の中を共有するなんて、Air dropですか」

「便利だろう、そのせいで

天然パーマになったのかもしれない」

そんなことを言いながら彼は欠伸をした。

「しばらくしたら、奴に戦いを挑もう」


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