二話
コンコン、とブランの自室の戸を叩く音が聞こえる。
「はい。」というと、トリアが入ってくる。
ブランは、お父様から何か言われたか、気になっていた。(もし、ほめてもらえたのならば、これ以上ないご褒美だわ。)
「失礼いたします。姫様、国王がお呼びになっていますよ。」トリアは、美しく微笑んでいった。続いて、ウィリンも入って来る。
「失礼します。・・・。」ウィリンはニコニコしていた。
「姫様、姫様っ!行きましょう!きっとおほめになると思いますよ!なんたって素晴らしかったですもの。」ウィリンはとても安心する笑顔で言った。
「ええ。わたくしも、とてもよかったと思いますよ。」
「ありがとう。ウィリン、トリア。わたくしも頑張った甲斐がありますわ。」
ウィリンはおもう。とってもきれいな顔立ちをしているブランは、笑みを向けるだけでとても安心するのだ。これは、前にトリアと話した時、トリアも言っていた。ながい白髪にルビーのような赤い目。これは、人を引き付けるような、そんなチカラを放っているようだった。
「では、お父様のところへ行きましょう。」
「「ええ」」
ブランは自室を出た。コツコツと音を立てて、赤いカーペットを歩く。城内は、とても気品あふれるものでいっぱいだ。少し歩いたその先にある、お父様たちの部屋の近くにつく。
さっと音もなく、ウィリンとトリアが前に出て、
「失礼します。ブラン姫様の側近でございます。ブラン姫様がご到着なさいました。」
といった。代表していったのはトリアだった。
「入れ。」お父様の声だった。
ブランはドレスの裾を持ち上げ、優雅に礼をした。
「こんにちは、お父様。お呼びでしょうか。」家族だけならば、話すときは堅苦しくなくてもよいのだが、国民の前では堅苦しく、しなければいけないのだ。
「ああ、ブラン。今日のお披露目会は素晴らしかったぞ。大成功だ。おめでとう、ブラン。」
国王、ノヴェムは微笑んだ。ブランの顔がパッと輝く。
「ええ、その通りですわ。ブラン。おめでとうございます。」
お母さままで!!ああ、頑張ってよかったわ。これからも頑張らなければ。
「ありがとうございます、お父様、お母さま。これからも頑張りたいと存じます。」
そう笑顔で言ったブラン。
ノヴェムは、微笑みを消し、人払いを命じた。そして、
「ブラン、そなたは余でもなく、ファシキュラムの髪色でも、目でもない。」
ブランは、硬直した。もしかして、もしかして、追い出されるの?色が違うから・・・・・・?ぐるぐると不穏な思考が頭を回る。お父様の口が開いた。ぐっと、力が入ってしまう。
「ブラン。そなたは、この国に伝わる話を知っているか?」
ブランは口を開こうとも、声が出ない。仕方なく、こく、とうなずいた。
「そうであろう。戦乱があった、10年前。我が国、フォービアはすべての国を束ねる国となる始まりの話だ。この国には、精、妖、魔、神の4つの勢力でできている。我が国は、その4つの勢力を束ねているのだ。」ブランは、今からに追い出されることがないと安堵し、すぐに返事を返す。
「ええ。知っておりますわ、お父様。」
「そなたは、魔力、神力、オーラ、妖力とも言い難い。すべての力の集合体、ルイーナをまとっているのだ。誇りだと思ってくれてよいのだぞ。」
えっ?この世界に存在する魔力、神力、オーラ、妖力のことはしっているわ。でも、ルイーナをまとっているの?ルイーナは、魔力に近いが、どれの種でもない。
驚きを隠せないブランにノヴェムは言った。
「そして、この世界で最強、魔法に関しては特に一番強くなるであろう。頑張りなさい。それとだ、ルイーナのことは隠して、魔力というのだぞ。」
とにかく頑張ればいいことは分かった。ブランは、
「はい。」と返事をする。
さらに、お母さまからも何かあるようだ。お父様が促す。
「ブラン。わたくしからもお話があるわ。ブランに妹ができるのよ。」と嬉しそうに言った。「本当ですか!おめでとうございます!とっても嬉しいです。」
わたくしに妹ができるなんて。立派なお姉ちゃんにならなければね。