精霊との契約
「僕の話はこれでおしまい。
何か質問はある?」
長く、でも彼らの事を知るにはとても凝縮された話だった。
「へへへ、ずーっと昔からこの二人はいるんだよ!」
何がうれしいのか、笑うイア。
そんなイアを片手に抱えると、僕はシグレに向き直る。
「それで、なんで僕が異世界から来たって分かったんですか?
分かるような事は無かったと思いますけど?」
そういうと、シグレはキョトンとする。
更に質問しようとしたが、やめておくことにした。
こういう時は大体ーーー。
果たしてシグレはその想いを裏切らず、しゃべりだした。
「...確かに。
多分、聖霊王の能力かなんかじゃない?」
なんて適当な、とも思ったけれど、きっとシグレと言う少女はそういうふうに生きてきたのだろう。
だから、次にここに来た理由を尋ねることにした。
「じゃあ、なんで僕は此処にいるんですか?
何かをするために此処に来たのでしょう?」
言葉遣いが多少おかしくなっているかもしれない、と思いながらそう問うと、やっと思い出したかのように
「あ、そうそう!
魔術が使えるようになったんだったら、精霊と契約しなきゃいけないんだよ!
そうしたら、暴走する危険性も減るし!」
と、そう言うイア。
「自分が持っている魔力ー--聖霊力と素は同じそのものの強さに引き寄せられて精霊は来るからね。
来てほしかったら、「来てくれー!」でも「我が下僕になるがいい...。」でも、何でもいいんだよ。
じゃあ、ガンバレ!」
励ましているのか、恥ずかしい台詞を言わせようとしているのかよく分からないシグレのことばを聞き流し、僕は一応言うことにした。
「えー、弱い奴は僕の聖霊力になってもらうんで、強い奴ならどうぞ?
でも...」
そこまで言ったところで、精霊が呼び出された。
「なんで、僕なの...。」
訂正しよう。
呼び出されたのは精霊じゃなく、恐らく一番長く存在している聖霊王の依代、兼現聖霊王、シグレだった。
「じゃあ、これからよろしく頼むマス!?」
「言語障害起きてるよー!」
その状態から立ち直り、僕は仕方なくシグレを取り込もうとしーーー止めた。
この状態の方がいいと思ったからだった。
その状態で帰ることにした。
アリシャはついてくることになった。
さっきの、停止世界を砕いたシグレの技を利用して、世界にヒビを入れ、ヴァルカリア邸前までつながる亀裂を作った。
二人には驚かれ、イアには「アリスだから」と言われてしまった。
解せぬ。
「た、ただいまー-...。」
「お帰りなさい。
あら、横の人たちは...」
「あ、どうも、シグレって言います!
宜しくお願いします!」
「アリシャです。
お願いします。」
「ええ、よろしく。
疲れたでしょう。
おやつを用意しとくから、手を洗ってきなさい。」
「「「「はーい!!」」」」
相変わらず、グランさんはすごいと思う今日この頃だった。




