6 捕まっちゃった!?
「放しなさいよ~!」
私は逃げるべくジタバタと暴れたいところなんだけど、首のところを持たれると、なんでか身体に力が入らない!?
うわぁ~んなんで!?
私がなんとか逃げるべくせめて動く頭をグニグニしていると、彼が頭を掴んだ。
「どんくさいヤツだな、何者だ?」
そう言うと目の前に掲げられた。
あ、この人って目がちょっとうっすらと黄色い?
カッコいい言い方だと琥珀色っていうの?
とにかく、ちょっと変わった色だった。
実は私の目も、よぉーく見るとうっすら緑なんだよね。
これはご先祖様の色なんだって、お母さんが言ってたよ。
いや、そんなことはいいのよ!
まずはその頭をムニムニしている手をどけなさい!
耳をいじくるな、付け根をカリカリしちゃダメ、ちょっと気持ちいいのソコ……。
猫の姿で人に撫でられるなんてことを、お母さんがいなくなって以来されたことがない私は、こういうのに耐性がないていうか、ものすごく弱いってことを、今初めて知った。
目を細めて耳もピクピクさせちゃう。
そこじゃなくって、もっと横、そうそこ。
「……マヌケ面だな」
彼が漏らした言葉を拾い聞いて、私はハッと我に返る。
そうだ、こんなことをしていたらダメじゃないの!
逃げるのよ私!
私は気持ちいいのを振り払うべく、彼の頭をムニムニとしていた手に思いっきり噛みついた!
猫に噛みつかれると、案外痛いんだからね!
「……っ!?」
噛みつかれると思っていなかったのか、彼は驚くと乱暴に振り払う。
その時、噛んでいた手の爪先が口の中で引っかかったらしくて、傷付いたのか口の中がちょっぴり沁みる。
「このドラ猫が!」
けど怒り顔なあっちだって、私が噛んだ手をもう片方の手で押さえているところから血が出ているから、おあいこだよ、フンだ!
けどかなり深く噛んじゃったのか、なんか血の味もするような気がする。
他人の血って、うえぇ……。
血をペッペッと吐き出そうとして、口をクワッと開けた、その時。
カアッ!
口の中がまばゆく光った。
なにこれ、なんで!? どういうこと⁉
光る口の中に、私がパニックになっていると。
≪……血の誓約は為された……違えれば呪いを授ける……≫
どこからか、そんな声が響いた。
え、私とこの男以外に誰かいるの!?
それともやっぱりオバケ!?
ワタワタする私の首が、急に放された。
「うきゃ⁉」
あんまり急な事だったもんだから、私は着地を失敗してドシン! とお尻から地面に落ちる。
いったぁ~い!
全く、放すなら放すって言いなさいよね!
私はギッと顔を上げて睨むと、あちらもなにかに驚いていた。
「血の誓約だと!?
馬鹿な、おとぎ話だろう!?
それにこの声、もしや……!?」
彼は独り言をブツブツしていて、私のことなんか見ていなさそう。
アレ? これってなんだかよくわからないけど、逃げるチャンスじゃない?
私はそろそろとした足取りで遠ざかり、ある程度距離を稼いだところで一目散に駆ける!
もうここがどこかなんて知らないやい! とにかくお屋敷から出るんだ!
がむしゃらに進んだ私は、適当な柵からムリムリッて外へ出たんだけど。
知らない道に出ちゃったせいで、近所のはずなのに今どこにいるのかわからなくって、メソメソ泣きながら帰り道を探す羽目になっちゃったのは、スッパリと忘れたいかな。
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