表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あやかし猫の散歩道  作者: 黒辺あゆみ
第一話 ある夜の散歩にて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/24

2 ミッション!

今夜のミッションはもう決めてあるの。

 それはね、斜め前の家に住むおばあちゃんが失くしたっていう、栞を探すこと!

 今朝挨拶する時、おばあちゃんの元気がなかったから「どうかしたんですか?」って聞いたら、「弥奈ちゃん、どこかで栞が落ちてなかった?」って逆に聞かれたの。

 おばあちゃんが言うには、昨日出かけた時にうっかり持っていたバッグをひっくり返して、その時に落としたんだろうって言ってた。

 おばあちゃんは栞がないことに気付いてから急いでバッグをひっくり返した場所に戻ってみたけど、もうなかったって。

 栞は薄い木の板の細工物で、風で飛んでいくような軽いものだから、どっかにいっちゃったみたい。

 でもその栞は、無くなったら買い直せばいいっていうものじゃあなくって、おばあちゃんの亡くなった旦那様の手作りのプレゼントだったんだっていう話だった。

 プレゼントをそんな形で失くしちゃうって、なんだか可哀想……だからこそ!

 このあやかしたる私が、見つけ出して届けてあげるのだっ!

 というわけで、ミッションスタート!

 ……って言っても、特別な技ができるわけじゃないんだけどね?

 地道に歩いて落ちてないかキョロキョロして、おばあちゃんの匂いをたどってフンフンして、たまに出くわす猫に「こんな板切れを見なかった?」って聞いてみる程度。

 そうそう、猫でいると猫と話ができるんだよ?

 聞こえるのはニャーニャー、ニャゴニャゴっていう声なんだけど、なんとなく言いたいことがわかるの。

 そして今も、通りすがった猫の話を聞いているところだ。


「ニャニャーニャニャ?(こんな大きさの薄くてきれいな板、見てない?)」


「ニャニャー(見ないなぁー)」


「ニャニャッ!(自分見たかも!)」


私の調査に、聞き取り対象猫二匹の内一匹が有力情報を持っているようだ。


「ニャニャーニャ⁉(えぇ、どこどこ⁉)」


「ニャ⁉ ニャー(わ⁉ えっとぉー)」


勢い込む私にビビったその猫はぴょいっと後ろに後ずさりながら、話してくれた。

 ほうほう、河原でそんなのを見た気がすると。

 そしてその板切れを持っているのは、ハトだったとな。

 ハトかぁ、アイツらってば木の枝で巣をつくるよね。

 うっかりすると庭先に作られちゃって、そのままにしておくとフンで臭くなるし、可哀想だけど巣が完成する前に解体して別の場所に引っ越してもらうの。

 もしかすると栞が木の板だから、枝の仲間だと思って巣作りに使っちゃっているのかも。

 ……けどハトかぁ、苦手だなぁ。

 だってアイツらってば、猫の姿で見ると結構大きいんだもの。

 それに急に飛びかかって突いてきて、それがまた痛いのなんのって。

 けど、おばあちゃんの栞のためにも私、頑張るからね!



そんなわけで、河原にやってきた私だけど。

 そこそこデカいハトの巣が、河原に生えている木の上にできていた。

 巣の中は見えないけど、この臭いは絶対にハトだ!

 今は夜だし、寝てるよね?

 ということで、私はとりあえずその巣を覗きに行くことにした。

 巣は木の上にあるんだから、当然ながら木登りをしなきゃいけない。


 ヨジヨジ


 私は頑張って木を登る。

 私ってば木登りは得意なのよ、人間姿でも猫姿でも。

 特に、猫は高い所から降りる時、不思議とどんな場合でもキレイに着地を決めるんだよね。

 アレが不思議で楽しくて、一時木に登っては飛び降りることばっかりやっていたことがあるっけ。

 そんな木登りの話はいいとして、今はハトよ、ハト!

 巣を覗き込める至近距離な場所まで登ったから、目を凝らして巣の中を観察する。

 って、あった! 薄い木の板!

 ちょっと色が焼けて薄くなっている紐が付いているから、きっと栞だよ!

 それが木の枝の間に挟まっていて、その上でハトはスヤスヤとお休み中みたいだ。

 よし、栞っぽいのは発見できたから、次の問題はどうやってアレをあそこから取るかってことだ。

 飛び込んでハトと戦ってゲットする?

 うーん、なんかそれってスマートなやり方じゃないし、第一痛そう……。


「クルッポ?」


とか木の上で考えていたら、いつの間にかハトが起きてこっちを見てた!

 ヤバっ、気付かれたじゃん!?


「カッカッ!」


しかも威嚇してきたし、こっちに来たぁ⁉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ