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クラーク家からの手紙

 朝食後はいつもの王族専用演習場で鍛錬を行っていた。ルイとの手合わせである。数日前はルイに勝てたが毎回勝てるわけではない。つまりいい勝負といったところであろう。それが分かっているからルイは悔しそうではなかったのかと思う。

 鍛錬の後、自分の手を見るとマメがたくさんできていた。そして、潰れているものもある。それが強くなっている証だと思うとその痛みも嬉しく思う。

 ルイと水浴びをしてから自室に戻ると使用人から手紙を渡された。送り主の名を見て目を細めた。まぁ当たり前であるが連絡をするのが遅すぎるとも思った。

 封を切ってある手紙を眺めていると、ルイが気にしていた。彼はこれから学習があるため自室に行かなくてはならなかった。暗い顔して“私みたいに家庭教師をやめたい”と言っていた。面倒くさいので“早く行く”と伝えて自室から追い出した。


 椅子に座ると手紙をテーブルの上に置き肘をつきながら読み始めた。クラーク卿から送られてきた手紙には、オリビア嬢を預かっているお礼とオリビア嬢の従者ルークを送りたいという内容であった。彼女は貴族であるから専属の使用人がいるのは当たり前であるが男性とは珍しい。普通は侍女がつくものである。


「ルーク」


 手紙に書かれた名前を指でさしながら考えた。聞いたことがあるような気がするが分からない。

 しかし、従者であるならばクラーク卿と貧困地域の関係を知っている可能性がある。是非ともおじさんにさぐって貰いたいと思うが、数日前あの人の部屋を出てから一回も行っていない。

 おじさんと良い関係にしなくてはいけないと思うが、子どものような態度をとってしまう。そんな自分に反省する。自ら城に呼んで相手をしないなんてまるで漫画のルカみたいだ。

 気が重いがおじさんに会いに行く覚悟をする。その前にクラーク卿に返事を書くことにする。

 城の物への手紙は全て上層部に確認されている。この手紙に対して何も言われないということは、従者ルークの訪問は私が決めて構わないという事だろう。

 ゆっくり立ち上がり、棚から手紙の道具を用意する。そして、テーブルにそれを広げ書き始めた。内容は従者ルークの訪問許可と詳しい日程についてだ。書き終わると封蝋印を押す。そして、乾いたのを確認すると印に触れる。ボコボコした感触がする。なんだか楽しい気持ちになった。

 毎回、思うがこの封蝋印はかっこいいと思う。


 手紙を持つと叔父のところに向かう事にした。一様、従者ルークについて報告しようと思った。この手紙の内容を叔父は知っている。つまり私が報告しに行かないと心配して以前の様に私の自室に来てしまうかもしれない。

 ルカは愛されるなと思って立ち上がり、扉にむかった。

 叔父が仕事をしている国務室は私の部屋から少し離れている。塔が違うのだ。歩けない距離ではない。部屋に近づくに連れ緊張してきたが胸にあるペンダントを握ることで気持ちが落ち着いた。

 国務室の近くまで来ると私に気づいた衛兵が挨拶した。そして、叔父に声を掛けに行ってくれた。しばらくすると衛兵が出てきて、叔父のところへ案内してくれた。



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