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人見知り

 三人がテーブルについたので、私も座った。全員の視線がそそがれ緊張する。私は何を言っていいかわからずに下を向いて自分の指先を見ていた。


 「何から話そうか」

 アーサーの明るい口調が聞こえた。

 何が始まるのか本当に分からない。サラの事を注意されるのかと思ったら、様子が違うようだ。

 

 「僕から話しますね。ルカの部屋を出た後叔父上に会いに行きました。叔父上は自室にいましたので、アーサー殿もいました」

 いつもと変わらない様子で話始めたルイに目を疑った。サラが部屋を飛び出してからすぐ3人は入室している。つまり、サラとすれ違っているはずである。サラの様子を見れば私が何かしたとすぐわかるはずだ。


 何も言って来ないのはなんで?

 試されてる?


 「あの、サラ…」

 小さな声であったが、ルイが話しいる途中に声あげてしまい慌てて口を抑える。人が話をしているのを妨げるなんて品のない行動である。ルイと二人きりならまだしも今は叔父とアーサーがいる。

 「サラ?」

 私の無礼にも気にせずにルイは自分の話をとめた。叔父は何も言わないが険しい顔をしている。

 「話の途中に声をあげてしまい申し訳ありません」

 私の謝罪の言葉にルイは心底不満な顔した。ただ、アーサーだけは笑っている。


 この人はいつも笑っている。


 「サラが気になるの?」

 

 アーサーは笑っているが、珍しいものを見るような目で私を見る。

 私のせいでおそらくサラを傷つけてしまった。あの時は本当にどうしようもなかった。自分の感情が制御できなかったのだ。


 「当然です。私がサラを傷つけてしまいました。折角、食事の仕度をしてくれたのに、私は理由も告げずに退室を指示しました」

 

 私の台詞に全員が目を大きくしている。アーサーの青い瞳を久しぶりにみた。叔父が珍しく顔の筋肉を動かしている。ルイは口に手を当てて何か考え方始めたようだ。


 今はきちんと自分の気持ちを伝える事ができるのになぜあの時言葉が出なかったのか分からない。

 だけど、責められても仕方ない事をサラにした。

 

 「なぜ、私にサラの事を聞かないのですか」


 「サラがルカの部屋を飛び出すのはルカの侍女になったばかりの頃はよくあったからね。今回もまたかなって思ったんだよ」

 

 更に「けど、ルカが反省しているのに驚いてる」とアーサーは付け加えた。それに他二人も同意のようで頷いている。 

 確かに数年前までは知らない人が部屋に入ってきて嫌だった。母が生存の時はそばを離れなかった。母の仕事にもついていった。ずっと、ずっと一緒だと思っていたのに突然母ではなくもっと若い知らない女性が現れて嫌だった。

 サラは今思えばよくしてくれたのだと思うが幼い私にとって知らない人が怖くてしかたかった。

 

 あの頃を思い出すと気持ちが重くなる。


 いつも倫として格好良かった母が次第にベッドにいる事が多くなった。周りの者はそばにいる事注意したけど私は気にしなかった。ベッドから動かない母だが私に優しい笑みくれた。

 所がある日、母は微笑みもくれなくなった。暖かかった手も冷たく動かない。私の呼びかけにも答えてくれなかった。


 誰もが暗い顔をしていた。


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