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勉強不足を反省するルイ

 

 はじめて魔法陣と向き合ってみた。


 構造を理解してみると面白いと思った。僕は魔法陣の何一つ分からないまま使えないと否定していた。よく考えれば“不便”や“使えない”と判断したのは僕ではない。そう教えられたのである。

 

 今まで学問といえ、家庭教師が教えることを正確に覚えることが優秀とされてきた。だから、僕は優秀であった。


 しかし、今、ルカのおかげで自分自身で考える方が面白いことを知った。


 そう思ったところでルカがいきなり”魔法陣をやめる”と言うのだ。僕を傷つけた事を気にしてるようであるが今やめられては困る。

 僕は魔法陣が使えないからルカがいないと意味がない。


 この面白い現象をもっと試してみたい。


 慌てて、一緒にやろうと言って説得し、応じてくれたので安心した。その後も色々僕も分からない質問をしてきたが全部一緒に学んでいければいいと思う。そうすれば魔法陣について研究できるしルカとも一緒にいられる。


 こんな最高なことはない。


 まずはこれから調べる事を整理する必要がある。ルカに確認すると1つずつ指を折りながら確認している。

 抱きしめてくれた時は頼りがいを感じたが指を折る姿はとても可愛らしく思う。それを眺めていると突然立ち上がったと思うと本棚に一目散に走った。それに驚き、バランスを崩したがすぐに立て直しルカを追いかける。

 

 ルカは迷わずに一冊の大きな本を取り出して床に広げた。そしてページをめくる姿を後ろから覗き込んだ。

 

 王族の家系図と役職名簿が載っている本である。

 

 この本の存在は知っていたし王族の歴史を知るために何度も見ているが、準備してもらっていたので保管場所までは知らなかった。

 そもそもこの図書室に書物を守るため保管場所に規則性はない。必要な書物を必要な人間だけが扱えばいいという考え方である。

 城の人間は自分に必要のない書物の場所も内容も把握していない。必要になったときは知っている人間に教えてもらえばいいとう考え方である。つまり図書室を訪れる人間はすくなく、ルカほど知識に貪欲な人間もみたことがない。


 この図書室は王族専用となっているが、専用にしなくてもルカくらいしか使用しないと思う。


 ルカに図書の内容と場所を全て把握しているのか確認した。

 答えは予想どおりであり、当たり前の事を聞く自分に苛立っているようであった。勉強不足を反省すると、ここで初めて自分の方を振り向き哀れむような目で見られた。

 

 すこし前まで勉強から逃げていたルカの態度とは思えなかった。だからと言って今のルカを批判するわけではない。むしろ自分も同じように自ら学ぶべきなのである。


 「ルイ、これ」


 本に視線を戻し指をさした場所は国王の弟アンドレーの名があったところである。彼について聞かれたので知っている話を全てした。


 現在の国王が第一王子である時、アンドレー第二王子による暗殺未遂事件が起こったのである。これは城で働くものならば知っている事実であるが第二王子であるルカは情報を遮断されていたのかもしれない。

 その事件の事を丁寧に説明したが、アンドレーが生きている可能性については伏せておいた。これ

は不確か情報であるためだ。その噂は城の外から流れているため気になってはいた。



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