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ウサギ耳は消えた

 

 ウサギ耳を切るのはやはりルイの身体が心配であったため、解除魔法陣を作る事にした。


 ルイの感情によって動くウサギ耳は可愛いのでこのままでもいいと思ったがそうもいかない。周囲への説明が面倒くさい。


 「解除とはそもそも、どういう状態なのかな。例えば、ウサギ耳を消すのではなく、何かをぶつけて相殺するとかね。例えば…」

 ルイの呟きに頷く。


 なるほど、相殺という考えたもありだ。盲点であったと思う。視点を変えれば圧倒的魔法陣の構造が頭に浮かんだ。


 「OK、ルイできた。」

 「おーけーって?」


 その疑問には答えず、ルイの顔の前で魔法陣を書き始める。書き終わると魔法陣が浮き出てくる。その魔法陣に手をかざし押すような動作をとると魔法陣はルイの中にはいっていく。それとも同時にウサギ耳は綺麗になくなった。


 「消えた」


 ウサギ耳がなくなったルイの頭触って確認する。どこにもない事がわかり安堵する。


 「ありがとう」

 「私のせいだからお礼はいらないよ。」


 両手で自分の頭を触り確認しながらお礼を言うルイに私は首を振った。


 もともとは私の失敗だ。しかも元に戻ったのだってルイがアドレスをくれたおかけだ。私は罪悪感でいっぱいになった。


 「ごめん」


 本当に申し訳ないと思い頭を下げる。今回は大事にならずにすんだがもしかしたら大怪我や最悪な事になりかねない。


 「ねぇ、大丈夫だよ。」


 私の肩を叩き慰めてくれるが、気持ちは晴れない。


 「もう、魔法陣やめようかな。」

 

 守りたいと思った人を傷つける可能性のあるものはやめた方がいい。やはり剣術を鍛えて……


 「だいじょーぶ。また、上手くいかなくなったら一緒に考えよう。創作魔法陣ができる人間なんて本当に少数なんだよ。そもそも魔法陣自体王族しか使えないしね。」

 ルイは優しい笑顔で私を励ましてくれた。自分は石板の魔法陣しか使えないのに一緒になんて言うルイはまるで天使のようである。彼の天使は外見だけではない。


 なんで魔法陣は王族しか使えないくて王族でも能力に差があるのだろう。


 「そうだ、なんで王族しか使えないの?」


 勢いよく顔あげ、ルイの方を身体ごと向いた。

 ルイは私の質問に眉間にシワを寄せて少し考えたが首をふる。ルイが知らないのも当然か図書室のどこにもその話はのっていなかった。

 「分からない事だらけだね。」

 「そうだね。じゃ一緒に調べようか。」

 さっきから“一緒に、一緒に”と楽しそうに誘ってくる。それが嬉しくてたまらない。

 ルイを傷つけそうになった事は気に病むけど、その本人が“一緒に”というならば頑張ってみようと思う。


 「それで、ルカは何がわからないの?」


 「まず、魔法陣のこと。構造や王族しか使えないのも気になる。ハリー・ナイトの事も調べないと。」


 一つ一つ指を折りながら考えていくうちに重大な事を思いだした。見つけた時に後回しにしていたが今はルイがいる。一緒に確認するべきである。


 きっとアレは我が国にとって重要なできごとだ。


 声を掛けずに立ち上がりがった私の勢いに隣座っていたルイがバランスを崩し身体が傾いていた。しかし、気にせずに本棚へ向かった。そんな私にルイは驚きながらも急いで立ち上がり、ついてきた。


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