第2話 夕空に『白』と『黒』
「これが・・・アザゼルの、力!?」
体中にみなぎってくる魔力を感じる。
そしてその奥からあふれ出てくる闇の力。
これが・・・。闇の力?
「人間よ、わが力は授けた。貴様の思う通りの力が、得られたぞ。さぁ、その力を使うのだ。そして私との契約のとおり・・・。私を満足させてみろ!」
「契・・・約?」
「我との契約は『我の心を満たし、わが復讐をなすこと』だ。」
「復讐?」
「わが敵にして、わが盟友、ルシフェルを・・・。ルシフェルを倒すのだ!」
ルシフェル。私たちの国でルシファーと呼ばれるあの大天使だろうか?
彼は大天使とされ、のちに堕天し、その力すべてを闇へと賭した、あの大天使ルシファー、またの名を大魔王サタン・・・。
闇であり、光でもある彼の力は強大で、かつ凶悪。
そして昨今では絶望の象徴として、使われることもしばしばだ。
アザゼルの力をもってしても、そんな大天使、大魔王と戦うことなどできるのだろうか。
「人間よ・・・。何者かが貴様を追っている・・・。こちらへ来るぞ!」
ギギギギギッ・・・。
倉庫の扉が兵士たちによって開けられている音だ。
ついにここが見つかったのか。
魔を以てすべて灰と化すべし。
生きとし生けるものすべてに、悪魔の断罪を!
第八の悪魔契約、解!放!
「我はアザゼルの力を受け継ぐもの、ゼファーッ!」
彼は倉庫の中から黒白の翼を広げ、倉庫を破壊し夕日の傾く午後6時ごろ。
力を解放し兵士たちを見た。
そこにいたのは。
銀髪でその手に剣を持つゼファー、いやアザゼル。
「愚かな人間どもよ、我はアザゼルを受け継ぐもの。そしてアザゼルたるもの。この世の生きとし生けるものすべてに悪魔の断罪を与えるべく、現世に君臨するものなり。そして我が盟友であり我が敵、ルシフェルを倒すがため、再び人間どもに恐怖を!死を!与えるものだッ!」
アザゼル、もといゼファーの一薙ぎで最も近づいていた兵士は跡形もなく消え失せ、少し離れていたものですら、その体は両断されていた。
その瞬間兵士たちの間に恐怖がほとばしる。
いまだかつてこれほどの邪悪がこのアレザズ王国に存在したのだろうか。
彼の広げる黒白の翼から吹き荒れる、目に見える黒き風。
それは何人も寄せ付けず、それと同時に兵士たちの体をかすめては切り裂く。またそれだけでなく向かうもの全員の進行を止める。
確実に恐怖は伝染していた。
少なくとも半径10m以内には、もはや誰も近づかない。
「人間どもよ、その程度でこの我を抑えようとは浅はかな!!」
ゼファーの怒号はそこにいた訓練兵、正規の兵士たちをさらに震えさせた。
もはや戦意など失せていた。
上官は叫んでいた。
「やつを・・・。なんとしてでも本国に踏み入れさせるな!進め!進まなければ
この場で斬る!」
それでも兵士たちはゼファーの力、アザゼルの悪魔の力によって殺されたくはない。今の状態なら上官よりも、ゼファーのほうがよっぽど怖い。兵士たちはジリジリと退却していた。
「えぇい、この役立たずどもが!貴様ら本国で処刑してくれる!じゃがまずはやつを抑えるのが先じゃ!」
兵士たちの上官は腰から提げていたサーベルを引き抜き、ゼファーに向かって投げた。
その一瞬はゼファーには止まっているかのように見えた。
(遅い・・・。そんなものでこの悪魔を・・。)
「悪魔を倒せると思っているのか!!」
サーベルはゼファーの手により掴み砕かれ粉々になった。
悪魔にとって人の欲望、怒りは糧。
そして自分の怒りをも力に変える。
彼の中の怒りは有頂天へと達し、ついにはアザゼルを凌駕する。
「この者・・。我を超える・・だと!?悪魔たる我を凌駕するその力・・・。こやつ一体何者だ!?」
第八の悪魔契約、傾国の秘宝という異名だけではない。
『主喰らいの死宝珠』
これこそが真たる名。
主を喰らいそのものを糧とし、自分をさらなる高みへと向かう。
アザゼルはその昔、実力こそあったものの、良い位を与えられず、人間に恨みを抱いたもの。
その心のうちに秘めたる怨恨はこの世のすべてを呪い殺す。
アザゼルこそが悪魔の恨みの象徴。
すべてに恨みを覚え、人間を劣等とみなし、悪魔たる誇りを常に忘れない。
「我はゼファー。力を欲し、わが母を救わんとするために使う。我の道を開けよ、さもなくばその体、首と胴が離れるだけでなく、その体。永久に見れぬこととなるぞ。」
その一言に兵士すべては震撼した。
兵士だけではなく上官すらも恐れた。
ゼファーの両目が紅に光る。
その両目はタカのごとく、すべての兵士たちを捉えた。
一瞬だった。
すべてに兵士たちが血を噴出して倒れた。
「人間どもと遊ぶのは疲れた。」
ゼファーは一言漏らした。
その直後だった。
「ガハッ!」
血。
ゼファーは血を吐いた。
体が・・。熱い!
体の中で拒絶反応が起こったというのか。
体のいたるところが熱く感じる。
自分の体から何かが離れていく。意識も薄れていく。
目の前が真っ暗になりかける。
「契約違反だ。」
契約の・・。違反?
「我を楽しませなければならなかったのだが、貴様は我との契約を破った。契約の違反には貴様の命で償ってもらおう。」
こんなところで・・。こんなところで死ぬわけにはいかないんだ!
まだ母は自分の帰りをまっているのだろう。
だからこそ・・。こんなところで・・。
「契約違反だ。消えてもらおう。」
目の前が真っ暗になった。
みなさんどうも、龍崎空音です!なんか読み方わかりづらかったかもなので言っておきますと、「りゅうざきくのん」と読みます!w 「りゅうざきそらね」とか読まれてたらなんか嫌だったので早めにいっておこうかと。いやぁなんかフラグ回収できずに失踪しちゃいそう・・w
まぁ気楽にやっていきますんで皆さんどうぞよろしくお願いします!!




