第12話 夜空に『白』と『黒』
「さぁ、この馬鹿げた戦いを終わらせよう。」
その手に握る悪魔剣が空を切る。
黒白の翼広げ、さっと空へと舞う。
それは例えるなら鷲のよう。
だがその姿には雀も重なる。
強い力を得てしても、所詮は使い始め。
今の彼の本領は、如何程か。
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アレザズ王国 アレザズ城 謁見の間
「国王陛下!行方不明となっていた第八の悪魔契約を見たと言う者が!」
国王はもたれていた玉座からその重い身体をバッと起こし、問うた。
「どこでじゃ!あれは傾国の秘宝、封印を解いてはならぬ、とどれだけ世界神から言われておると思うのじゃ!はやく探すのじゃ!」
「そ、それが…封印が解かれ、すでに契約をしている、とのことです…。」
国王はハッとした。
そしてその目は怒りに満ちた。
「何が何でも止めろ!止めるのじゃ!世界神との契約は破れん!破れば我が国の死が…死がっ…!」
その目は恐怖に満ちた。
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ゼファーの目に怒りが満ちた。
それは何を意味するか。
王国への怒り?
はたまた悲しみ?
自分への、怒り?
まぁいい。
時は満ちた。
空はようやく日が落ちて月が昇っている。
月光のみがただゼファーを照らす。
虚しい。
しかし。
彼の周辺には殺気が満ちていた。
悪魔剣が色を変える。
かつてのような白ではなく、血のような赤。
怒りを表すような赤。
これは黙示録ではない。
再び起こる厄災の幕開けに過ぎない。
空を見上げる。
星々が彼を見下ろす。
いや、『見下している』。
人ならざるものに慈悲はない。
刹那、彼は翼を広げ松明の明かりの目立つアレザズ城へと向かう。
山々を超え、川を越え。
そう長くはかからなかった。
城の門の目の前にすっと降りる。
目の前に、劣等が2匹。
なにか先程からほざいていてるが。
鬱陶しい。
悪魔剣によって、2匹の身体は両断、血を出さぬまま倒れる。
彼の剣さばきが、悪魔のものであるからこそなせる技。
ゼファーは今、天使であり、悪魔。
果たしてどちらと言うべきか。
それはまだ分からない。
門を抜け、真っ先に謁見の間に向かう。
道中の劣等を薙ぎ、なおも対抗するようであれば容赦なく斬る。
彼の通った後に、一つの生命も残らなかった。
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「陛下!あ、第八の悪魔契約と契約をしたものが、城内に侵入!真っ先に謁見の間に向かっているとのことです!」
王の目は絶望に変わる。
「終わりじゃ…世界神に滅ぼされる前に、あのアザゼルと契約したものに殺されるか…。いや!まだ分からぬ!わしは戦うぞ!」
その重い身体で果たしてどう戦うのだろうか?
もはや近衛の者も呆れている様子だった。
使者ももはや顔を上げられない。
その時だった。
轟音とともに天井より「悪魔」が降り立ったのである。
「フン、手間を取らせおって。」
謁見の間の全員が死を覚悟した。
「一人も生かさん。」
黒白の翼が畳まれる。
「滅べ。」
ただの一言。
ただの一言でその場の全員の身体は漆黒に染まる。
一種の魔法だろうか?
否。
彼は一瞬のうちに、その悪魔剣を振るったのだ。
多くの人の血を浴びた剣はやがて黒く染まり、その血を人の方へと移す。
もはや、それ人間ではなく、肉塊。
王と思しき肉塊もあったが、もはや誰が誰だかわからない。
「劣等に慈悲などない。」
今のゼファーは正しくアザゼル。
もはやアザゼルが吸収されてしまったのか。
2人はもはや一心同体。
これが、契約の成す技。
後ろへ振り返り、謁見の間から出ようとした、その時だった。
ゼファーの入ってきた天井の穴から、先程のような轟音ではなく、まるで入ってきた者が光を放っているように、ふわりと降りてくる者がいた。
「君が第八の悪魔契約と契約を交わしたんだね?」
いちいち応える必要などあるまい。
「…。」
「そうみたいだね。」
勝手に話が進む。
ゼファーは内なる怒りを抑えきれなかった。
悪魔剣を振るう。
しかし、その一刀はいとも簡単に躱される。
「僕は第七の天使契約と契約したのさ。」
「くっ…!」
「君は僕が相手してあげるよ。」
天使契約をしたものと名乗る彼の翼はもちろん純白。
ゼファーにとって、それは眩しいとしか言いようがない。
まだゼファーは、自分が天使であることには気付かなかった。
to be continued
どうも~龍崎です( ^ω^ )
また遅れてしまった…すまないです!!
その代わりとして13.14は二日連続で出します!出せなかったらお金を差し上げます!
(さすがにお金は嘘)
というわけで13.14をお楽しみに~
ちょっとひとひねりした終わらせ方で(前のはダサかった)
Good bye and have a nice holiday!
…これもダメだな




