七十七 お説教
ごめんなさい、生きてはいるんです。
他所様のTS物を元気に読み漁る毎日です。
精神的BL増えて(願望)
ざっくりあらすじ
悩みを解決してくれたグレンにお礼として、思い付きでおっぱいを揉ませたミアン。
なにやらピンク色の空間が出来てしまったが……?
成人が15である事と元の世界に比べて少し過酷な環境である事。
この二つの影響か、はたまた別の原因もあるのか。
この世界の子供は精神的な成熟の早い子が多い。
中等部三年生は前世で言えば小学校六年生、つまり年は12歳くらい。
それなのにも関わらず、僕が同い年だった時より考えは随分しっかりしている。
だから、昨日の失態はやってしまった感が満載だ……。
今は多感な時期なのに変な影響を及ぼしていたらどうしよう。
しかも起きてからもお互いにずっとギクシャクしている。
声を掛けてもちょっと上擦ってしまったり、どもってしまったり。
……というか、グレンはまだ年齢的に仕方ないにしても、僕はいい大人な筈なのに。
ほんと、どうして、こんなに動揺しているんだか。
──まぁ動揺の原因はさて置いて、早く立ち直る事が肝要だ。
こういう時は開き直るに限る。
焦っている時は潔く焦っている事を認めて、いくら恥をかいても良いと覚悟を決める。
そうした方が却って平常に戻るまでの時間が短くて済む。
僕は焦っている、けれど、別に大した事があったわけでもない。
顔が赤くなってたって、挙動が不審になったって、人は細かい事に気付いたりはしない。
うん。うん……よし。落ち着いた。
「と、ところでさ、みあん」
「あ、う、うん?なに?」
……うわぁ、落ち着いてねぇ……。
ま、まぁいいさ。
「特に話してなかったけどさ、模戦会、組むよな?」
グレンの言う、模戦会は模擬戦闘実技会を略したものである。
中等部三年から始まる模擬戦闘実技会。
その内容は、二人でチームを組み、前衛と後衛を決める。
前衛は剣の魔道具、後衛は魔法弾が出る魔道具を持って、連係を図りながら戦うのだ。
態々魔道具を使うのは、中等部では手加減も身を守る術も上手くはないからだろう。
衝突したり転んだりは別にして、魔道具による攻撃で怪我をする事はほぼない。
逆に高等部からの模擬戦闘実技会は、実際の戦闘と変わらず、守りの魔道具は持つが毎年怪我人が出ている。
「あ、あぁ、うん。そのつもりだったよ」
「そ、そうか」
「……」
「……」
うわぁぁあぁん、やっぱり何か、いつもと違う……。
「おはよう……貴方達どうしたの?」
正面からヒラヒラと手を振って歩いて来たのはファラだった。
「い、いや、何もないが?なぁ?」
「うん、別に、ね?」
グレンとお互い反対方向に目を逸らしながら答える。
ファラはその様子に何か思うところがあったのか、眉間に皺を寄せて首を傾げる。
そうして数瞬のうちに柳眉を逆立てて僕の肩を鷲掴みにして
「え、うわ?わわっ」
あれよあれよと言う間に壁際に追いやられてしまった。
ファラの両手は僕の肩にあるから女の子達の言う壁ドンではないのだけれども
ファラの方が身長も高いし、顔も近いし、体勢はそれに近い。
なのにも関わらずグレンと少し距離が離れてホッとした僕がいた。
「何があったの?と言うか、グレンに何かされたの?」
「え、いや、あはは……特に何も?」
「……」
「あはは、は」
「……」
「えー……と」
そんな間近かつ鬼気迫る表情で見つめられると重圧が凄い……。
もう付き合いも長く見慣れているとは言え、半端ではない美人だからか、迫力は当社比三倍だ。
「……そんな話を、信じると、思っているの?」
「で、デス、ヨネ」
心の中でグレンに謝りつつ、小声でボソボソと、昨夜の事を洗いざらい話した。
僕も恥の上塗りをしているようでとても恥ずかしい。
……。
全てを聞き終えたファラは、溜め息、より随分強く息を吐き出した。
……あれ、これってどちらかと言えば、力を入れる前に集中しているような呼吸!!?
「ひぃっ!?」
ファラはにっこりと微笑んだ。
衝撃に反応して自動発動した魔法障壁に守られたから痛みは感じないものの
掴まれている肩にはかなりの強い負荷が掛かっている。
実際には鳴っていないが障壁がギシギシと悲鳴を上げている気ががが。
「言ったわよね?男はケダモノだって?注意しないとって?
特に、グレンには、注意してって?」
万人の理想の様な笑顔なのに、ファラの気配はまるで阿修羅か般若か。
僕はただひたすら、不出来なロボットのように首を縦に振るだけだ。
ファラはその様子を見てようやく脱力し、嘆息した。
「はぁ、男の子として育ってきたミアンとの感覚の違いなのかしら」
切々と、懇々と、何がダメなのかを説明される。
何か恩返しが出来ないかと衝動的にして、今は、本当に反省しています、はい。
……などと弁明した。
そうしてようやく解放され、事無きを得たのだった。
事が無くなったりはしていない気がするのは考えてはいけない。
このドタバタのお陰でグレンとも普通に戻れたしね、うん。
長く放置を続けていた拙作を読んで頂きありがとうございました。
ちまちま書いては投稿したいとは思っております……。




