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武具乙女  作者: ふきの精
第一章
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プロローグ

深夜二時……


 パソコンを見ながらマウスをカチカチする女が一人。


「ふわぁぁ………もうこんな時間か」


 私は大きくあくびをすると、

モニターの左下に映る時間を確認する。

私がいまやっているのはブラゲーと呼ばれる類の物。


 正式にはブラウザゲームと呼ばれている。

高校の頃にゲームにはまって、

高校、大学とかなりのめり込んでやってきたけど、

社会人になってからはゲームをする時間が

あまりとれなくなってきた。

そのために本格的なゲームをしなくなった私は、

この手の気軽に出来るゲームを好むようになった。


 時間がとれないといいつつ

深夜二時までしてるのはどうなの……

という突っ込みは無しでお願いします。


 

(さすがに明日も仕事だし、そろそろきりあげるか)


 ちょうどスタミナ切れになったので

ゲームを終了しパソコンの電源をおとす。

わずかに飲み残していた炭酸の抜けた発泡酒を飲み干す。

 


(はぁ……眠いけど風呂に入って――)




 最近の仕事疲れでどうにも身体が重く感じるが、

歯磨きをしている間に湯を張ってお風呂の準備をする。

一人暮らしだと気楽ではあるものの、なかなかにめんどくさい。


 私は着ていたTシャツとジャージを籠に投げ入れる。

下着もちゃっちゃと脱ぎ棄てるとお風呂に浸かる。


「ふぃー…」


 ほんと最近疲れてきてるなぁ………

高校でて、大学でて、就職もなんとかして……

あぁ我が人生に色気が足りてない。

最近男の人と話したことって……

昨日伝票の区分がわからないって尋ねられたっけ……

って仕事じゃないか!

色気のある話、色気のある話………

大学の時のコンパが最後か?

いや新入社員の時の歓迎会かも……

我ながらむなしい。


 もうすぐアラサーか。アラサーって嫌な言葉だよね。

誰が考えついたんだこんな言葉。



(……うーん、なんだかいつも以上に身体が重い

…だるい…しんどい…年なのか…

 いっそ小説やゲームのように異世界にでもいけたらなぁ。

すごくチートとかたくさん貰って無双するんだぁ)


 無双する乙女。 いいじゃない、

お風呂で夢想するくらい。

風呂に入っても疲れが取れないことに、

健康的不安を覚えながらも部屋へと戻る。


「あれ?」


 部屋から戻るとパソコンの電源が付いていることに気が付く。

たしかに消したと思ったけど、

ひょっとしてスリープモードにでもしてたのかな?

不思議に思いながらも再び電源を落とそうとモニターに目をやると

さっきまでやってた

ブラウザゲーム「武具乙女」

のタイトル画面が表示されていることに気が付く。


(なんでこの画面が?)


 その瞬間私の意識はブラックアウトした。





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