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第二話 自己紹介と少しの恐れ

書いてから気づいた。まだ魔法も学園も登場してない・・・

「ここが私の家だよ!あんたと同じぐらいの息子が一人いるけど、仲良くしてあげてね。」

僕は他の家より多少大きい家の前にいる。

僕を拾ってくれたおばさんの家だ。

「あんたが着ているそのダボダボの服もさっさと着替えたほうが良いよ!」

変な感じはしていたが、なぜか僕の身長に合わせて作られているはずの制服はダボダボだった。

家に入らされ二階の個室に通されたところで、そこにあった鏡を見てみると、何故か体が縮んでいた。年齢は六才ぐらいだろう。

(高校生ぐらいだったはずだけどな・・・)




置かれていた服に着替え、一階に降りると、さっきのおばさんと肌が浅黒い少年がいた。さっき言われていた僕と同年代の(といっても多分六才の)息子だろう。

その子を見た途端、急に寒気がした。高校にいた奴の姿が脳裏に浮かぶ。

(そうか・・・そっくりなんだ。僕をいじめていた奴に・・・)

(ユーノ♪あっそぼーぜ!)

(あれ・・・今の誰だっけ・・・)

「え・・・な、なんだよ?」

「いや、なんでもないよ。」

「そうか?おいババァ!こいつ一体誰だよ?」

「ババァじゃないよ!そういえば名前をまだ聞いていなかったね。何て言うんだい?」

そういえばこの村に来てから一度も名乗っていなかった気がする。名字に神っていう漢字が入っていたからいじめの対象になったけど。

「神谷優野です。よろしくお願いします。」

「カミヤユーノ?変わってるな、ユーノなんて名字ここらじゃ見ねーぞ。」

この国って日本語通じるのに名前は洋式なの!?

「カミヤが名字なんです。多分あなたたちの言い方だと、ユーノ・カミヤになると思います。」

「へぇ・・・名字の方を先に言うのかい。変わった国だねぇ。ニホンって国は。」

「ユーノね・・・よっしゃ!お前ここに住むのか?俺はデリ・コルベールってんだ!俺と友達になろーぜ!一緒に住むなら仲いい奴がいたほうが良いだろ。案内してやる!」

・・・なんかデジャヴ・・・

あれ?なんでだろ?こんな人僕の人生にはいなかったはずなのに・・・

「なってやんな。こいつ、今まで村で友達全くいなかったんだよ。誰かに捨てられた子だからね・・・」

「え・・・でも、さっき息子さんだって・・・」

「私が養子にして引き取ったのさ。あんな森の中に赤ん坊を置き去りにするなんて・・・会ったら伸してやるって思ったね。」

「・・・過激ですね・・・」

「おーいユーノ!何やってんだ!さっさと行くぞ!」

広間の入り口からデリが大声を上げた。

「あ、うん!」




「・・・で、ここが風呂場だ!他になんかあるか?」

「えぇと・・・ここって孤児院か何か?一人二人の生活する場所じゃないよね。」

「ああ・・・ババァが言うには孤児院買い取ったって言ってたな。だから、あと十人くらい来ても生活はできるらしいぜ!あとよ・・・何でお前俺から数歩距離とってんの?」

いま僕はデリの案内で家の中を案内してもらったところだ。今いる風呂場はホテルの大浴場と勘違いするほど大きい。ちなみに、僕はデリとかなり似た人にいじめを受けたため、いまだに怖くて数歩後ろを歩いていた。

「ごめんなさい。君とよく似た人に少しトラウマが・・・」

「そうかよ?確かに顔立ちがワイルドだって言われたことあるけど、怖がられたのは初めてだな。まぁ・・・慣れろ!」

慣れるかなぁ・・・

「努力します・・・」

こうして、僕、デリ、おばさん三人の共同生活は始まった。

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