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3.公園
僕には夢の中に行きつけの公園がある。
そこにあるのは塗装が剥げかけた象の滑り台、鎖の錆びたブランコ。息をするのも嫌になるような銀杏の臭い。地面に広がる蛍光色のイチョウの葉。そして僕の人さし指を握って歩く君だけだ。
クリーム色のセーターに栗色のチノパンの"君"は口を開く。
『赤子は空腹の概念を知らないから、お腹が空くとただ不快としか思えないんだって
なぜ自分が不快に思っているのかもわからない
ただ泣いて、助けを求めることしかできない
私も似たようなものかもね』
僕は彼女と歩幅が合わないことで頭がいっぱいだった。彼女は僕と歩いている。それは確かなはずだ。なのに僕は彼女がまるで1人で歩いているような感じがしていた。
『何かを欲して走り回るより、欲するべきものが分からずに彷徨うほうが息苦しいね』
僕の意識は遠のく。




