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転生した先で拳闘士になろうとした(けどなれなかった)天才アマチュア女子ボクサー、 流れで弟子になった子犬系男子に懐かれて困り気味なんだが・・・

掲載日:2025/12/05

■1 天才ボクサー、転生する


 世界を獲る。

 そのためだけに、殴って殴られて十、、なんねんだっけ・・・?


 万丈すぎな——女子アマチュアボクシング界で「天才」と謳われたあたしは、


去年の世界大会で圧勝し来年のオリンピック金も間違いないと思われていた。


まあ?見た目も可愛いし取材も沢山きてたし、バラエティ番組とかも出ちゃったし?

ちょっと天狗になってたことは認めるよ。


ただ....


ただ....あんまりじゃない?


そう、アジア大会のリングで足を滑らせ、後頭部をポストに強打しちゃって。


 視界が完全にブラックアウトし、次に目を開けたとき——


「……え、空?.....あれ、あたしダウンした.....!?やば、立たないと!!」


 そこはどこか懐かしいようで、見たこともない石畳と、古風な建物が並ぶ街角だった。


「……あ、やば.....これ死んだ.....?ん...でも転生してんのか...??」


 思わずテンションが上がった。

 だって、こういう世界なら拳闘士とか、普通にいそうじゃない?


「っし。まともかく、殴れる職業につくか!」


 もちろん、この考えが甘かったことは、すぐに思い知る。


■2 女は帰れと言われましても


「拳闘士として試合に出たい? ……あぁ、女は無理だ。帰れ」


「んでだよ!? 殴るのに男女関係ないでしょ!?」


「規則だ」


 拳闘場の前であっさり門前払い。

 スキルやステータスがあるわけでもなし、紹介状も金もない。

 気づけば私は、空腹にふらつきながら街を彷徨っていた。


「……腹、減った。なんでもいい、なんか恵んでくれ……」


 今にも倒れそうなところで、声が飛ぶ。


「だ、大丈夫ですかっ!? あの、よかったら……その、パンを!」


 振り向くと、まだ幼さの残る少年——犬みたいにうるんだ目の子が立っていた。


「へ? いいの?」


「はい! 困っている人には優しくするのが我が家の家訓なんで!」


 差し出されたパンの香りが、神々しくすら思えた。


■3 コロンという名の子犬系男子


 名はコロン、十五歳。


 控えめで真面目そうで、どう見ても私より弱そう。


 だけど、彼が自分の職業を口にした瞬間——


「僕、見習いの拳闘士で……」


「拳闘士ぃ!? やっぱもっかい行くか!!」


 思わずテーブルを叩く。


「す、すみません!」


「違う違う、気合い入れただけ!」


 そこから私は即座に頼んだ。


「コロン、拳闘士の登録出来るとこまで連れてって。今度こそあたしに殴らせてくれって言うから」


「……えっと。あの、それなんですが……女子は、なれないんです」


 はい、さっき聞きました。

 知ってたけど、改めて言われると胸にくる。


「そう……じゃあ諦め……るわけないでしょ!」


「えぇぇ……」


 コロンが困ったように眉を下げる。


 その顔が妙に子犬っぽくて、ちょっとだけ罪悪感がわいた。


「でも、その。今日は僕の試合があって……よかったら見ていきませんか?」


 彼の声は震えていた。きっと緊張してるんだ。


「仕方ない。見たげる」


■4 ベアナックルの世界


 リングは、ボロボロの木枠。


 グローブなんてなく、素手。


 体重差? そんなもの存在しない。


「マジか……これ裸拳じゃん。危険すぎでしょ」


 開始早々、コロンは大柄な男にぶん殴られて吹っ飛ぶ。


 コンビネーションも理論もなにもない力任せの殴り合い。


「うわ、これは……あちゃー……」


 ビールのようなものを片手に見ているうちに、ふと気づいた。


 コロン、倒れない。


 どれだけ殴られても、必死に立ち上がって前に出る。


 ——弟を思い出した。


 弱くて、でも諦めない子だった。


「あんた……メンタルだけは強いじゃん」


 気づけば私は声を張りあげていた。


「コローン!! 相手に合わせて腹打て!! そう、それ!! ガードに頼るな、!!」


 周囲の客が驚く中、コロンの動きが少し変わる。


 そこから試合は拮抗し、最終的に僅差で判定負け。


 試合後、血だらけの顔でコロンが駆け寄ってくる。


「応援……すごく、嬉しかったです……!」


「べ、別にあんたと似てるヤツを思い出しただけ!」


 ほんとは泣きそうだった。


 この子、伸びるわ。


■5 弟子にしてください!


 礼を言うと帰ろうとした私の背後で、コロンが叫ぶ。


「あのっ!! すぎなさん!!」


「なに?」


「ぼ、僕に拳闘を教えてください!!」


 手を合わせて懇願してくるその姿は完全に子犬。


「賞金が出たら半分渡します! だから、強くなりたいんです!」


 ——金。

 そう、金がいる。

 この世界で生きていくには、まず金。


「ふむ……じゃあ、まあ?教えてやろうじゃん、この天才が」


「ほ、本当ですか!!」


「ただし! 練習サボったらさっきの奴よりエグいパンチ入れるから!」


「ひぃっ!?」


 こうして私は、異世界で子犬系拳闘士の師匠になることになった。


 殴れない世界なら、自分で殴る場所を作ればいい。


 こいつを強くして、賞金を稼ぎ、ここで生きていく。


「よっしゃ、まずはジャブからいくか、構えてみ?コロン!」


「はいっ! 師匠!!」


 ——異世界拳闘師弟生活、開幕。

処女作になりますmm

拙い文章ですが何卒よろしくお願いいたしますmm

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