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出会い_4

男が復活したのを確認してから、私はまた続けた

「迷い人が見つかるのは、

その恰好や世界への無知さもあるのだけど

一番はその身に宿る魔力なの」


ピョコと胸当たりで控えめに手を挙げる男に私は少し笑う

「魔力は皆持つの。だけど、なんていうのかしら?


魔力の根源は体の中心にあるのだけど、

靄や霞のように人の周りを覆ってもいるの


ソレ自体は魔力視を持つ人が見なければ見えないの


で、迷い人のソレは揺れがなく、濃いのですって」



コテンと体ごと疑問を表す男に笑って、いいの、と私は続ける

「わからないよね、私もよくわからない


でも、とにかく見る人が見れば、はっきりと違うことが分かるほど

迷い人の、落ちた時に持っている最初の魔力は違うらしいの


そして、魔力というのは魔法を使うだけでなく

通常の言葉にも僅かに乗っていて

迷い人が現れたことを魔力の違いが判る人たちに伝えてしまうらしいの」



魔力視系の能力は有用のため、とても重宝される

だから、それ系の能力を持つ者が門兵レベルでいるとは思わない


それは心配していなかったが、

門から店までの間にそれ系の能力を持つ者にかち合う可能性はあった


だから、とても緊張していた


夕闇というほどではないが少し薄暗くなり始めた中途半端な時間


家の外へ出ている武力を持たない庶民は

それぞれの仕事場でのんびり帰宅の準備を始めたころで


絶対にかち合いたくない

魔力視などの能力を持つ可能性の高い魔法使い系の人達を含む

武力を持つ人たちはまだ町へ戻ってくるには早い時間だった


それが功を奏したといえる



目を見開く男に、解決策はあるわ、と私は男の手を取る

「ちょっとホワッと暖かくなるけど、大丈夫だから

落ち着いて、任せてくれる?」


頷く男に、いつもは言葉に出したりしないけど

クリーン、と呟いて、

汚れていたし、汚してしまった男の恰好を綺麗にする


また、ポカンとして固まってしまった男を私はのんびり待った。

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