自立に向けて_1
ルア視点に戻ります
八か月がたった頃、男の魔力は順調に混じり
ほとんど違いが分からないと言えるまで変化した
だが、万が一があれば、全てが水の泡
やはり、当初の予定通り
1年を目安にすることにした
だが、もうそろそろ、魔力操作を始めたほうがいい
男の魔力は迷い人だけあって、やはり膨大だ
そのまま、外へ出れば
魔力を持つ者の興味を別の意味で引いてしまう可能性が高い
魔力操作ができるようになれば、
己の中で魔力を抑えることができるようになる
ただ、そもそも
魔力を完璧に抑えることは不可能に近いとされている
大体は半分に抑えれれば、いい方といえるだろう
7割抑えれれば、魔法使いとして実力者といえる
そして、自在に魔力を示すことも抑えることもできるのは
賢者と呼ばれる者たち、魔法使いの頂点の者だけ、と言われている
今は毎日、魔力循環で魔力感知を高めている段階だ
魔力循環は特異な場合を除けば
保護者が己が子などに施す行為で
この世界に生まれた者は必ず、その大小があるため、期間はバラバラだが
子どもの頃、保護者が存在すれば、受けている行為といえる
ちなみに、特異な場合とは
魔力循環の補助は相互の魔力の質や量に大きな相違がある場合
基本、行えない
基本、というのは
送り手の魔力の質が上質だったり、多い場合は
送り手の魔力操作が巧いなら、可能なのだが、逆の場合は無理だ
逆の場合は送り手がいくら、受け手に魔力を流しても
受け手の中ですぐ霧散し、感知できない、という
そういう場合は
受け手に合わせた送り手となりうる相手を探すらしい
方法といえば、両手を繋いだ状態で
送り手から魔力を流し、受け手がそれを受け取る
ただそれだけだ
その際、はじめは
送り手が受け手の全身を巡るように
魔力を意図的に流してやるとなお、いい
すると、
受け手が体に魔力が回る感覚を覚えるのが早くなる
この感覚を覚えたなら、
魔力を感知する力が少なからずついた、と言える
そして、そうなれば、最初の初動だけ送り手が魔力を動かし
受け手自身が自分で己が身の中で魔力をグルグル回せるようになる
最後はきっかけを与えられずとも
己自身で己の魔力を全身に回せるようになれば、魔力循環は習得といえる
そこまでいけば、何もしずとも魔力の半分は体に抑える状態を維持できる
そして、段々、繰り返すことで抑える魔力量は増えていく
そこは努力次第といえるが、
男の場合はできたら、
外へ出るまでには7割納めるまで続けさせようと思う。




