表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/84

出会い_2

その頃には意識もはっきりしてきたんだろう

私にしゃべりかけようとする男に、まだダメ、と止める


戸惑うような顔をする男に私は言う

「とりあえず、声を出さずに聞いてほしい

肯定は頷いて、否定は首を横に、分からない時は手を挙げて」


男は頷いた



私は基本的なことから確かめる

「ここは貴方の世界ではない。それは分かるかしら?」


男は頷く


それはそうだろう、今日の門兵はトカゲ獣人だった

それも、獣要素の強い半獣型の獣人


門兵を見た瞬間、

碌に力も入らないはずなのに、男の体がとても強張ったから

きっととても驚いたのだと思う



良かった、と頷いて、私は続けた

「貴方の世界には魔力、魔法はない?そうでしょ?」


男はまた頷く



「この世界には魔力があり、魔法がある


そして、極々たまに

迷い人という別の世界からの来訪者が迷い込むの」



私は一息付き、覚悟を決めてから

男が傷つくだろうことを知りながら

それでも、今一番知りたいだろうことを

なるべく感情を込めず、一番最初に告げる

「迷い人がどこから現れ、どうして現れるのかは分かってない


そして、迷い人が帰還できた記録はないと聞いているわ


……ごめんなさい」


男は、クッと唇を噛み、必死に声を押し殺し涙を流した


そんな男の隣で、私はただ、男が落ち着くまで寄り添った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ