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裏:日常_4


食後、彼女が

先の迷い人が書いたこの世界の手引書を貸してくれた


翻訳とかいう凄い魔術で誰でも読めるようにしてあるらしい


マジ、先輩、凄い



後、この世界の文字を読めないって気づいた時

チートねぇのかよ、とついボヤいた


あ、ボヤいても問題ない


なぜなら、昨日貸してもらったサイレントの指輪を

つけっぱなしにしているから


万が一、声出して、変な奴らにとっ捕まるのはごめん被る


なので、ずっとつけとくことにした


彼女も指輪がはまっているのをみて

何も言わないから大丈夫だろう



まあ、魔力を発現できるようになったら、スキルがわかって

それは権力者に狙われるほどのチートらしいから

ファンタジーはそれまでお預けってことにしとく


チートもないのに、

異世界とか、マジふざけんなって言いたくなるからね



彼女は手引書を渡すと

明日の出店に向けての作業をするから、と

早々に俺を部屋に返そうとする


普通に、自分より確実に年長だろう男を養おうとする

彼女の男気にビビるし、ドン引く


……変な男に騙されないように注意しておこう



あ、ちなみに

ジェスチャーでなんとか彼女の名前と年齢は聞き出した


彼女の名前はルア、年齢は14


はっきり言って、年齢以上に見た目は幼い

まあ、反対に

言動の落ち着き方は14とは思えないほど成熟している


なんともアンバランスな子だ


兄貴の娘が確か、今年、8歳で

ルアはその子とほとんど変わらん体格だ


兄貴も俺と同じで大柄だし、最近の子は成長が早いのもあるだろう


それらや世界の違いを考慮しても

ルアは年の割に小さく見えた


そして、食もすごく細い


沢山、食事を用意してくれたけど

多分、それは俺用だったのだろう


彼女自身は

ベーコンの入ったパン1欠けとスープしか飲んでない


そして、彼女は、

というか、この世界の人間は昼食をとらないそうだ


朝食の残りで申し訳ないけど、と

大半残ったソレをおなかがすいたら食べて、と俺に持たせる


もっと食え、と言いたい

ちゃんと育てなきゃ、と思わず、庇護欲が出る


子どもは嫌いじゃないけど、好きでもない


俺は次男で、3つ下に妹はいるけど

6つ上のしっかり者の兄貴がいたから、勝手気ままに生きてきた


だから、兄気質なんてないはずなのに

こんな風に人に世話を焼きたくなるのは初めてだ


でも、彼女、ルアがあまりに自分自身に無頓着だから

なんか、黙っていられないのだ。



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