裏:日常_1
俺は新たに立てた決意に意気込んで
なんなら、ちょっとした保護者気分で
あまりに早い時間だと彼女を慌てさせるか、と
社会人らしい気遣いまでしたつもりで、
自分的には実に常識的な時間、
薄暗さがなくなり、日がしっかり上がるのを態々待って、部屋を出た
結果、打ちのめされる
己の常識がココでも通用する、と
無意識に思っていた自分の愚かしさに……
なんと、彼女はもう何時間も前に起きて
しかも、もう、今日の主な仕事、店の営業を終えたという
そう、仕事
小学生にしか見えない彼女は仕事を持っていた
説明を聞くと、弁当屋のような感じだ
祖母がやっていた店を引き継ぎ
祖母が亡くなった後は一人で切り盛りしている、というのだ
ラノベによくある、
街中での手伝いや採取とかで多少の糧を得ながらも
大半、祖母の遺産を使いながら暮らしているのではなく
ちゃんと、自分で将来にわたって暮らしていけるだけの糧を
得られる正式な仕事をしていた
彼女の可愛らしい家は確かに店でもやってそうな作りだった
昨日、さすがにそれは気づいた
でも、まさか、こんな小さな子が
一人で店を営んでいるなんて、鼻から考えなかった
異世界であることを強烈に突き付けられる気がした。




