日常_6
もし、私の見た目がもう少し映えるモノだったのなら
少しは違ったのだろうとは思う
なにせ
女の一人暮らし、しかも、小さいとはいえ、店持ちだ
別に自分の外見が醜い、とは思っていない
庶民に多い茶系の髪の毛に、紺とも深緑ともとれる暗い色の瞳だが
造作はごく普通といえる
多分に世辞を含めれば、可愛い部類と言えるらしい
綺麗と言われたことはない
何せ身長が1.3メトもない
他種族が集まるダンジョン都市バルトクーラでも
小人族を除けば、ほぼ5,6歳の子ども並みの身長といえる
ちなみに、私の年齢は14で一応、成人している
混血化により、
身体の成長が著しく遅くなる個体がでることが稀にあるらしい
多くの場合は身に宿る魔力量が多すぎた場合に起きるらしいが
私のように、一般貴族並み程度でも起こるのだから、困ったものだ
まあ、おかげで店の客にも、商売相手にも
店主と思われておらず、手伝いの子ども程度に扱われている
それがいい場合も悪い場合もあるが、仕方がないというものだ
どちらにしろ、彼らの誤解を解かなかったのだから
都合がよかったのだろう
そして、彼らにとっても
大したスキルもなさそうな、平凡な容姿しか持たない私に
多少の違和感を抱いても、積極的に関わって解消しようとするほど
興味が持てなかったのだと思う
それがココの普通だし、
私にとってもその方が都合がいい。




